野田首相の「増税の前に徹底した歳出削減ありき」の覚悟が見えない。(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

野田首相の「増税の前に徹底した歳出削減ありき」の覚悟が見えない。(中川秀直)


東日本大震災からの復興に向け、12兆円規模の平成23年度第3次補正予算案と復興財源の基本方針が閣議決定された。野田政権が所得税や法人税などの臨時増税で復興財源を確保すると決定したが、直近の各種世論調査で、復興増税反対が民意の過半数を超えた。

埼玉県朝霞市の国家公務員宿舎建設問題で露呈した政府資産の売却の不徹底、政権公約である国家公務員総人件費2割削減の先送りに、野田首相の「増税の前に徹底した歳出削減ありき」の覚悟が見えない。

この「安易な増税」の姿勢を見て、民意から「復興増税容認」との意識が消え、「復興増税反対」となったと思われる。必然的に与野党協議による3党合意が成立するとすれば、「増税なき復興」とならざるを得ない。それでも野田首相が「増税ありきの復興」を求めるならば、復興増税の是非で国民に信を問うべきである。野田首相も民主党も「増税ありきの復興」について国民から信任を得ていないことを忘れてはならない。
(10月8日記)中川秀直