国家戦略会議は予算にかかわらない←経済財政諮問会議との決定的な差 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

国家戦略会議は予算にかかわらない←経済財政諮問会議との決定的な差

秘書です。

国家戦略会議という名前にごまかされませんように。事務局を誰が担うか、誰がペーパーを書くかで決まります。下記の記事の注目点。

①「経済・エネルギー政策を含めた重要課題を検討するというが」

→予算はやらないということ。財務省主計局の予算編成権に対する「統帥権干犯」は不可という絶対的な姿勢ですね。これこそが、経済財政諮問会議を復活させない根幹的な理由ですね、きっと。諮問会議も予算編成権はなかったが、予算の全体像を出した。また、2002年には税制の抜本改革も主導した。諮問会議は予算と税において、少なくとも、ミッドウェー海戦を互角に戦うところまでいった。

→しかし、国家戦略会議は、きっと、予算編成については一切の権限をもたない(きっと増税だけはコミットメントするでしょうが)。これでは第二次大戦時に航空母艦を持たない海軍のようなものですね。


②「国家戦略会議」

→国家戦略会議という名前はやめてほしいですね。日本のエスタブリッシュメントの国家戦略には増税しかないことがわが国周辺諸国にばれてしまうから。せめて経済戦略会議にしてもらえませんかねえ。

③「当面は、新成長戦略、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加問題、エネルギー政策などが主な課題となる予定。メンバーに与党政調会長を加えることも検討している。」


→この議題だと、事務局は経産省からの出向組が占める?会議に与党が加わるということは、正式な政府の意思決定機関ではない、ということ?

国家戦略会議を月内に設置 自民党政権下の諮問会議とうり二つ
産経新聞 10月4日(火)22時12分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111004-00000603-san-pol
 野田佳彦首相は、経済財政政策の司令塔となる「国家戦略会議」(仮称)を月内に設置する意向を固めた。首相を議長に古川元久経済財政担当相ら関係閣僚、日銀総裁、経済界、労働界の代表らが委員となり、経済・エネルギー政策を含めた重要課題を検討するというが、民主党が野党時代にさんざん批判してきた自民党政権の経済財政諮問会議の焼き直しにすぎないとの批判は根強い。

 藤村修官房長官は4日の記者会見で「古川氏が(今週末に訪米から)帰ってから最終的な枠組みができる。そんなに時間をかけずに立ち上げる」と述べ、月内設置を明言した。古川氏も会見で「できるだけ早くやりたい。官房長官と同じ認識だ」と述べた。

 当面は、新成長戦略、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加問題、エネルギー政策などが主な課題となる予定。メンバーに与党政調会長を加えることも検討している。

 参加者の構成や討議形式などは、小泉純一郎元首相が重用した経済財政諮問会議とうり二つ。諮問会議は休眠中とはいえ存在しており、そのまま活用することも可能だが、そうしないのは民主党が野党時代に諮問会議を「第2の主計局だ」(菅直人前首相)とこき下ろした経緯があるからだ。

 野田首相も諮問会議を通じた官邸主導の政策決定に批判的だったが、民主党政権の経済財政面での司令塔不在は深刻な上、意思決定のプロセスも確立されていない。結局、財務省など官僚機構がお膳立てする仕組みに乗っからざるを得なくなったようだ。

→民主党政権は政権そのものが「第2の主計局」になってしまいましたね。