小泉政権下の「骨太の方針2006」時代とほぼ同じ都心3区内公務員宿舎廃止を打ち出した野田政権 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

小泉政権下の「骨太の方針2006」時代とほぼ同じ都心3区内公務員宿舎廃止を打ち出した野田政権

秘書です。

今朝、高橋洋一さんを講師に招いてのセミナーでした。

高橋さんのお話の内容のハイライト部分は、後ほど、動画でアップします。

「中川秀直自民党政調会長主導でとりまとめた『骨太の方針2006』を超えられない民主党!」

高橋さんが今朝のセミナーで話した内容の趣旨は以下の通り。

①首相決断とされている公務員宿舎問題への現政権の対応は、中川秀直自民党政調会長主導でとりまとめた「骨太の方針2006」と同じカード。野田政権は「骨太の方針2006」のラインを越えられていない。あれから5年。当時「骨太の方針2006」を批判していた民主党が同じカードをつかまされている。


②具体的には、「都心3区での公務員宿舎売却」など、既に「骨太の方針2006」で使われた手。「骨太2006」では、「今後10年間で、国有資産の売却約12兆円」との方針で、公務員宿舎の売却収入は1兆円が見込まれていた。当時公表された宿舎の「移転・再配置計画」でも、都心3区の宿舎については、野田政権が打ち出したのと、ほぼ同様の計画(危機管理用などの1215戸を除き、10年間で567戸削減)。

→高橋さんは、5年前の「骨太の方針2006」を超えなければ評価できない、「骨太の方針2006」の枠内でとどまるならば、役所は痛くも痒くもない。あれから5年たった今、2006のラインで改革した気分になれる政治家(小泉政権と骨太の方針2006を批判していた政治家!)やそれを肯定的に評価するメディアや識者は、内心でバカにされているのでは、とのこと。

→「骨太の方針2006」を超えられず、「骨太の方針2006」と同じ文書をつかまされている?骨太の方針2006であれば一度は決まっていることだから、役所もここまでは譲歩可能なのでしょう。5年前の「骨太の方針2006」を超えて改革できるのはいつの日か・・・?


都心3区の宿舎は廃止・売却 財務省、11月末に削減具体策
2011/10/03 20:22 共同通信

 財務省の五十嵐副大臣は3日の記者会見で、野田首相が指示した国家公務員宿舎朝霞住宅の5年間建設凍結に関連し、全国の公務員宿舎の削減について11月末までに具体策を示す方針を明らかにした。東京都の中央、港、千代田3区の16宿舎については危機管理用を除いて廃止・売却する。

 国家公務員宿舎を所管する財務省は昨年12月、全国で現在約21万8千戸ある宿舎を5年間をめどに15%強削減し、将来的には30%強削減する方針を示していたが、具体的な内容は決まっていなかった。

 財務省は藤田副大臣をトップとする検討会を近く設置。外部の有識者にも加わってもらう方向。


→小泉政権のころ、何が決まっていたのでしょうか?すでに有識者の結論は出ていたと思いますが。

東京23 区内の国家公務員宿舎 移転・再配置計画
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/shukusya_iten/proceedings/material/20060613/20060613a_03.pdf
都心3区(千代田区、港区、中央区)
団地数 (18年1 月=33)→ (22年3月=17)→(29年3月=12)
戸数 (18 年1 月=1,782戸)→(22年3月=1,531戸)→(29年3月=1,215)※
(※)危機管理職員477戸、皇宮警察等414戸、看護職員324戸

東京23区内に所在する国家公務員宿舎の移転・再配置と跡地利用に関する報告書
平成18年6月13日
国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tosisaisei/kanren/060825/sanko1-1.pdf

4.宿舎の移転・再配置計画

上述の宿舎の必要戸数を踏まえ、10 年後のあるべき姿として、東京23 区内及び郊外にどのように移転・再配置していくかについて検討を行った(表3、図1~3 参照)。

(1)宿舎廃止基準の設定

まず、宿舎を移転するに当たり、その前提として、現在の宿舎を廃止する際の目安となる基準(以下「宿舎廃止基準」という。)を設定する。

ア)地価の高い都心に存在する宿舎

地価の高い都心3 区(千代田区、港区、中央区)に存在する宿舎は、特殊要因に該当(後述(2))しない限り、廃止する
都心3 区に設置が必要となる危機管理用宿舎については、別途そのあり方を検討する(コラム2)。

(イ~オは略)

この基準により、今後3 年間で134 箇所(6,170 戸)、10 年間で233 箇所(10,840戸)の宿舎を廃止する12こととなる。

(2)移転が困難な宿舎の特定

宿舎を個別具体的に検討すると、特殊な事情により移転することはできない宿舎、仮に移転してもその跡地を民間が有効活用することは期待できない場所にある宿舎(皇室財産上に所在する宿舎)などが存在する(表4)。
これらの宿舎については、その理由を厳格に精査した上で、計59 箇所、4,540戸(うち都心3 区は12 箇所、1,215 戸)を存置することとし、今後も国が宿舎として活用することとした。
他方、こうした場所であっても更に土地の高度利用を考えることは必要である。
国有地であるゆえに漫然と非効率に宿舎として使用しているケースがあれば、これを、国が宿舎として活用できる限られた資産であるという認識に改め、その最大限の有効活用を検討すべきである。

また、省庁別宿舎の中で、例えば防衛庁の宿舎等については、勤務地と近接した場所(防衛庁宿舎の場合は自衛隊駐屯地内14など)に省庁別宿舎として設置されるケースがあるが、そうした場所の宿舎がその敷地を有効活用していない場合には、高度利用や合同宿舎としての活用などを図るべきである。

コラム3 保有と賃貸
宿舎を建設して保有することと、民間賃貸住宅を借り受けることのどちらが適当かという議論がある。
ある土地を取得して自ら建設する場合と、同じ土地上で別の者が建設した建物を賃借することは、市場が効率的であれば経済的に等価であるが、現実には様々な要因によってそれぞれのコストに差が生じることとなる。
そのため、宿舎を保有すべきか賃借すべきかについては、個別宿舎毎にコスト比較を行った上で経済合理性に適った方法を選択すべきであり、そのコスト比較に当たっては、保有する場合は建設費等の初期費用だけでなく、修繕費や維持管理費等の宿舎としての使用期間にわたる総コストを適切に見積もり、賃借する場合と比較すべきである。
ただし、保有コストを算出する際は、「土地保有に係る機会費用」の存在も考慮する必要があり、国有地上で建て替える場合であっても、土地を新たに購入して建設する場合と同様の計算を行うべきである。また、コスト比較には長期間の将来予測を伴うことから、適宜見直しを図るべきである。

・・・

このような考え方を総合的に勘案し、廃止及び建替え等に関する計画を試案として策定したものが附表「東京23 区内宿舎の年度別移転・再配置計画(試案)」である。当初3 年については年度ごとに具体的な宿舎名も特定する。その後は、状況を踏まえつつ、具体的な宿舎廃止の年度を決定する。


5.売却等の考え方

(1)売却収入額の目安

宿舎の移転・再配置による売却収入額は、宿舎廃止基準により宿舎を廃止し、跡地を適切な方法で売却していくことで、自ずとその結果が出ることとなる。
しかし、今回のプロジェクトによる財政貢献の全体像を把握するため、売却収入額の概ねの目安というべき額を提示する。

①売却によるグロス収入額宿舎廃止基準に基づき宿舎としての用途を廃止するものから、宿舎の移転・集約用地とする場所を除いた土地が、売却の対象となる。
この売却対象用地を相続税評価方式で評価した上で、最近の入札等による売却実績では相続税評価額の約1.9 倍で売却されていること17を勘案し、約4,860 億円程度の額を目標とする。

・・・

表3 東京23 区内の国家公務員宿舎 移転・再配置計画

都心3区(千代田区、港区、中央区)
団地数 (18年1 月=33)→ (22年3月=17)→(29年3月=12)
戸数 (18 年1 月=1,782戸)→(22年3月=1,531戸)→(29年3月=1,215)

→「骨太の方針2006」は以下のとおりです。

「骨太の方針2006」(経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006 について)
平成18 年7 月7 日 閣議決定

(資産・債務改革)

「行政改革推進法」に基づき、平成27 年度末に国の資産規模対GDP比の半減を目指し、国の資産を約140 兆円規模で圧縮する。

国有財産については、一般庁舎・宿舎、未利用国有地等の売却・有効活用、民営化法人に対する出資等の売却に努め、今後10 年間の売却収入の目安として約12兆円を見込む。

→「骨太の方針2006」から逆戻りしている昨今、「骨太の方針2006」を超える改革ができるのはいつの日でしょうか?