「金利を上げると経済成長する」といまでも考えているのでしょうか? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「金利を上げると経済成長する」といまでも考えているのでしょうか?

秘書です。

2011年9月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙の記事「FRBに影を落とす日本のゼロ金利政策のジレンマ」の一文。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/24412


「・・・その結果起きたのは、典型的な流動性の罠だった。そのため、当時日銀総裁を務めていた速水優氏のような人たちは内々に、本当は金利を――引き下げるのではなく――引き上げるべきだと冗談を言うほどだった。そうすれば、少なくとも長く苦しむ預金者を喜ばせることができるからだ。・・・」

民主党主流には、この「冗談」を真に受けた人がいたらしい。そして、まさか、現在、政権の経済政策運営の中枢に・・・?



いただけない枝野経産相…経済議論チンプンカンプン
2011.10.03 zakzak 高橋洋一氏
.連載:2011「日本」の解き方
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111003/plt1110030804000-n1.htm

 枝野幸男経産相は雄弁だ。弁護士としてかなり優秀だろう。ただ、経済議論はいただけない。枝野氏とあるテレビ番組で議論したことがあるが、その際、信じられないような発言があった。枝野氏は「金利を上げると経済成長する」といったのだ。

 それはあり得ないから訂正したほうがいいといったが、受け付けなかった。借り手または金融仲介する金融機関から所得を資金の出し手に移転すれば、経済は成長するというロジックだ。

 金利の上げ下げは、最終的には資金の出し手と借り手の間の所得移転だ。しかし、リスクをかけて借金してまでも事業を行おうとする借り手のほうが、資金の出し手より経済成長のためには必要だ。だから金利を上げると経済は萎縮する。こうした趣旨のことをテレビ番組で話した。

 その枝野氏がまた珍発言した。24日のBS朝日の番組で「金融政策でデフレから脱却できるならこの10年、20年でとっくにできている。(中略)この消費を増やさない限りはどんな金融政策をとってもデフレは止まりません。(中略)ですから社会保障の抜本改革が何よりのデフレ対策です」と述べた。

 まず官僚機構の日銀は無謬神話(間違いはないとの誤解)を持っており、一度間違えるとその間違いは長く続くことを留意すべきだ。新日銀法が施行された1998年以降の日銀の物価安定の「打率」は1割6分。他の先進国では8割程度、6割以上が及第なので、日銀の歴代総裁はみんな落第になる。

 社会保障で消費が増えるというのも問題がある。社会保障は所得移転である。出し手のほうは働き盛り、受け手は引退世代などだ。社会保障は社会公正のためには必要であるが、経済成長の観点から見ると、社会の働き手の制約になり、全体としてみれば成長の制約になることもありえる。

 リーマン・ショック以降も各国物価上昇率はマイナスになったが、日本以外は金融政策でデフレにならなかった。

 例えば社会保障の充実国であるスウェーデンで考えてみよう。リーマン・ショックによって、その直前に4%もあった物価上昇率が急落し、その1年後にはマイナス1・5%程度になった。

 そこで、スウェーデン中央銀行はリーマン・ショック後ただちにバランスシートを3倍以上に拡大し金融緩和を行った。その結果、物価上昇率はプラスに転じて、ボトムのマイナス1・5%程度からその1年後には2%程度にまで回復し、ひどいデフレにならなかった。

 この事例から、いくら社会保障が充実していても、ひょんなことでデフレになるということ、しかし金融政策を発動すればデフレから脱却できることがわかる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


→社会福祉国家のスウェーデンもデフレの危機があり、それを中央銀国の金融的手段で克服したという事実は、民主党にとって「不都合な真実」なんでしょうね。(そして、バイキングの伝統を持つスウェーデン人のリスクをとる性向のもと成長を続ける経済が社会保障を支えているということ)日本で増税の合意形成のためにスウェーデンを語る人は、スウェーデンの金融政策はほとんどかたりませんね。

→下記は高橋洋一さん作のグラフです。


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2011-06-22 07:10:00
スウェーデンのような金融政策はやらないで、スウェーデンのような増税政策だけ抜き取ろうとする
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/day4-20110622.html