イタリアは国有不動産売却へ(国有資産売却4兆円、国有資産合理化1兆円) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

イタリアは国有不動産売却へ(国有資産売却4兆円、国有資産合理化1兆円)

秘書です。
イタリアの国有資産売却は、不動産売却で約4兆円、国有資産の合理化で約1兆円。
現在、1ユーロ=103円70銭。 



国有資産活用計画を発表=伊財務相
2011年 9月 30日 10:53 JST WSJ日本語版
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_316673
【ローマ】イタリアのトレモンティ経済・財務相は29日、1兆9000億ユーロ(約198兆円)に上る政府債務削減と経済成長促進のための国有資産活用計画を発表した。金融機関や不動産開発業者などを対象にした民営化計画に関する説明会で明らかにした。
 同会合に提出された文書では、財務省は国有不動産の売却で最大400億ユーロ、国有資産の合理化で100億ユーロを捻出できるとみている。財務省高官によると、一部の国有資産は2012年1月に発足する予定の国家基金に売却される可能性がある。

 説明会では、国有資産の効率的活用には強力な政治力を必要とすることが示された。例えば、地方政府が株式を保有している公営企業5512社の平均資本収益率は1.8%にとどまっており、経営改善が必要であることを示している。

イタリア政府は政府債務の対国内総生産(GDP)比を100%以下に引き下げることを望んでいるが、エネルギー大手の炭化水素公社(ENI)や電力公社(ENEL)など売却が容易な資産を除いた場合、債務削減目標の実現には多大な努力が必要となろう。

記者: Christopher Emsden

→日本では、350兆円の政府保有資産が売却可能とのことですが。

財務省の破綻論には裏がある
高橋洋一(政策工房会長)
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=282&nif=false&pageStart=0

日本政府の資産をどんどん売却せよ

 いま、日本国債の危機がさまざまなかたちで取り沙汰されている。だがそれらは、はたしてどれほど実態に即しているだろうか。危機を煽る言説を注意して聞いてみると、その多くが「破綻」の意味と「いつなのか」とを明確にしていないことがわかる。「たんなる一般論」と「現実を分析したうえでの議論」とは、区別して考えなければならない。どういう条件の下で、何年で破綻するか。それをはっきりいわなければ、お話にさえならない。

 端的に結論をいえば、「現時点で日本の国債は、少し心配ではあるが、心配しすぎる必要はない。まともな政策さえしていけば大丈夫なレベルである。だが、現在の民主党のような政策をあと10年もやられたら、それはアウトになるかもしれない」という話である。

 まず最初に、国の債務をめぐる状況を正確に理解しておく必要があろう。1月22日に次のような報道が流れた。「日本の財政がどれだけ借金漬けになっているかを示す『国内総生産(GDP)に対する純債務比率』が2010年に先進国で最悪の水準になる見通しだ。総債務残高を使った国際比較では既に1999年から先進国で最悪になっているが、資産を差し引いた純債務ベースでも、これまで最悪だったイタリアを初めて上回る」(『日本経済新聞』)。

 これはどういうことか。よくマスコミでは、国債や借入金、政府短期証券の金額を合計して、「日本は国の債務が800兆円あり、地方の債務が200兆円。合計で1000兆円の負債総額になる」という言い方がなされる。だが、忘れてはならないのは、日本は「政府の保有する資産」が、諸外国と比べて桁違いに巨大であることである

 まず地方について先に述べるならば、地方債はたしかに200兆円ほどあるのだが、地方の資産もおよそ200兆円あるから、全体でみれば、これを除外して考えても大きな支障はない。次に国について見ると、国には総計で500兆円ほどの資産がある。そのうち、150兆円ほどは容易には売れない実物資産だといわれるが、少なくとも残りの350兆円は売却可能なものである(2007年度の国のバランスシートを見ると、有価証券・現預金は130兆円。特殊法人等への貸付金・出資が250兆円で、これは特殊法人廃止などですぐに取り崩し可能である)。

 先の記事の話は、グロス(債務総額)ではなく、ネット(債務総額から政府資産を引いた金額=純債務ベース金額)のGDPに対する比率はどうか、ということである。これまでは、世界各国の債務総額の対GDP比を比べて、日本の財政状況が断トツに悪いと喧伝されてきた。純債務ベースではイタリアが日本を上回っていたからだ。それがついに、純債務ベースで見てもイタリアを抜いた、というのが今回の報道の肝なのである。

 たしかに、この話はまったく褒められた話ではない。だが、これはさらによく考える必要がある。OECD統計では純債務は金融資産だけを除いて計算しているが、実物資産を除くとどうなるか。日本は60%程度にまで良化するが、他の主要国で、日本ほど巨大な実物資産を所有している政府はないから、ランキングは大きく変わる。

 そもそも、なぜ日本政府はかくも巨大な資産を抱え込んでいるのか。それは公務員の老後を守るためでしかない。

 たとえば外為特別会計にはGDPの20%に当たる100兆円ほどの金額がある。先進国でこれだけの規模の外貨準備をもっている国はない。だいいち外貨準備をもって大々的に介入するのは、変動相場制の理念と完全に矛盾する。日本の次に大きな外貨準備をもつカナダも、せいぜい2%程度。まさに桁が1つ違う。そして、この莫大な資金をどこで運用するかの決定権は財務省にあり、それが利権だ。