増税一直線に対する対案提示が自民党の使命（中川秀直）

内閣支持率が６１・６％と依然として６０％台の高支持率を維持しているが、理由は、震災復興の財源に充てるための臨時増税に賛成５９・８％にある。

震災復興のためには、国民が広く分かち合うべきだという心情は正しい。しかし、史上未曽有の国難に際して、「復興ありき」ではなく「増税ありき」は非常識であり、異常である。「復興ありき」が最優先であり、増税は後であるべきなのに、それが「増税ありき」が最優先で、復興が後になり、その上、復興が遅れているのは、臨時増税が決まらないからだとなっている。

この本末転倒の増税論理の巧みさは、増税なしの復興財源捻出の選択肢を禁じ手として封印していることである。国民に臨時増税以外の選択肢はないと思い込ませるためにである。

ここが、肝である。今日から始まる衆参予算委で、増税なしの復興財源捻出の選択肢を自民党が国民に提示すればよいのである。１８兆円の日銀の国債引き受けである。超円高・デフレ脱却にも資する１石３鳥の切り札である。

「増税ありき」の増税一直線の民主党政権に対して、もう１つの選択肢を国民に提示することが野党自民党の使命である。

（９月２６日記）中川秀直


(参考)「新報道２００１」の９月２２日調査の結果が発表された。（カッコ内は前回９月１５日調査）

問１　あなたは次の衆院選でどの党の候補に投票したいですか。

民主党２２・２％（２１・０）　自民党２１・６％（２９・０）　公明党４・８％（２・８）　共産党３・０％（２・２）　社民党０・６％（１・０）　国民新党０・４％（０・６）　新党日本０・０％（０・０）　みんなの党６・２％（５・４）　たちあがれ日本０・０％（０・４）　新党改革０・０％（０・０）　無所属・その他３・４％（３・６）　棄権する４・４％（２・６）　まだきめていない３３・４％（３１・４）

問２　あなたは野田内閣を支持しますか。

支持する　６１・６％（６２・８）　支持しない　２８・０％（２７・８）　その他・わからない　１０・４％（９・４）

問３　震災復興の財源にあてるための臨時増税にあなたは賛成ですか。

賛成　５９・８％　反対　３４・０％　（その他・わからない）６・２％

問４　あなたは領土問題、普天間問題などの外交課題を野田政権で解決できると思いますか。または他の政権での解決になると思いますか。

野田政権で解決できる　１２・２％　野田政権では解決できないが他の民主政権で解決できる　２７・６％　自民を中心にした政権で解決できる　３３・６％　（その他・わからない）２６・６％

問５　あなたは民主、自民、公明による三党与野党協議を早急にするべきだと思いますか。

はい　７１・６％　いいえ　２３・４％　（その他・わからない）５・０％