これで野田首相の所信表明演説が問題となり、訪中時の問題となったと思いますが | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

これで野田首相の所信表明演説が問題となり、訪中時の問題となったと思いますが

秘書です。
尖閣について相手国の公人が日本国内でこのような話をしたことを重視しなければなりません。この話を日本政府は認めないのであれば、こちらも公人が相手国において原則的主張を常にしなければなりません。そうでなければ、相手国の主張を当方が認めたことになります。これで野田訪中の際に尖閣に言及しないわけにはいかなくなりました。


中国大使 監視船の活動は正当
9月22日 16時53分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110922/t10015782491000.html

中国の程永華駐日大使は、22日、都内で講演し、中国の漁業監視船が先月、尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入したことについて、尖閣諸島は「もとより中国の領土で、中国の関係機関が活動している」と述べ、漁業監視船の活動は正当だと主張しました。

これは、程永華大使が、22日、都内のホテルで行った講演で述べたものです。この中で程大使は、先月24日に中国の漁業監視船が尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入したことについて、尖閣諸島は「もとより中国の領土で、中国の関係機関が活動している」と述べ、漁業監視船の活動は正当だと主張しました。そのうえで、尖閣諸島周辺での中国の船舶の活動は「海洋権益の拡大には当たらないと思う」と述べ、日本国内で広がる中国の海洋進出を警戒する見方をけん制しました。また、程大使は、野田総理大臣の対中外交に触れ、「中国との関係を重視するというメッセージを発している。私たちは、それを受け止めている」としたうえで、「なるべく早い時期に野田総理大臣の訪中が実現することを望む」と述べ、具体的な時期などについて、現在、調整を進めていることを明らかにしました。そして、程大使は、野田総理大臣の訪中が実現すれば、日中国交正常化から40年となる来年に向けて、両国の関係をどのように強化するのかが主要な議題になるという考えを示しました。


→この結果、9月13日の野田首相の所信表明演説において、中国公船の領海侵犯に抗議しなかったことが問題だったという評価になることになります。

「日中関係では、来年の国交正常化四十周年を見据えて、幅広い分野で具体的な協力を推進し、中国が国際社会の責任ある一員として、より一層の透明性を持って適切な役割を果たすよう求めながら、戦略的互恵関係を深めます。」
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201109/13syosin.html

→上記の野田首相の所信表明における対中発言が認められるのは、中国が内々に中国公船の侵犯を反省し二度としないむねの意向がつたわっているときでしょう。棚上げをする前提であれば、野田首相が尖閣について戦略的曖昧さを見せたことは是認されるでしょう。

→しかし、上記の野田首相の所信表明後、中国公人が日本国内において報道のような発言をしたとすれば、上記の野田首相の所信表明はこれが正しい発言であるための前提条件がなかったということですね。これ以上、野田政権が原則的な立場の表明を避けるのであれば、既成事実化のための工作がエスカレートする危険性があります。

→米国副大統領の長期訪中(8月17-22日、習副主席と12時間行動をともに)直後、日本訪問時(8月22-24日)の中国公船の日本領海侵犯(8月24日午前)の事実は重いものです。外交部の責任ある立場の人が、別省庁所管のことを公に認めたことも、とても重いものです。

→野田首相は、訪中時に尖閣の話題を出せますか?

→下記のような米副大統領訪中直後の尖閣への中国公船の領海侵犯です。野田首相が何も言わなかったらどうなるか、お分かりですね?


米副大統領、中国脅威論を否定 「中国の成功は米の繁栄」
2011/09/09 15:33 共同通信
http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011090901000507.html
【ワシントン共同】8月に中国を訪問したバイデン米副大統領が8日付のニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し「中国の成功は、わが国にさらなる繁栄をもたらすと確信している」と指摘、国際社会で広がる中国脅威論を否定する姿勢を示した。
 バイデン氏は米中が貿易や投資を通じて密接につながっており、両国の協力が重要だと強調。先の訪中時に、次期最高指導者に事実上確定している習近平国家副主席と12時間行動をともにしたことを明らかにし「中国指導部も(協力の重要性に)同意していると信じている」と表明した。