欧州中央銀行(ECB)の切り札:国債買い入れ(ロイター) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

欧州中央銀行(ECB)の切り札:国債買い入れ(ロイター)

秘書です。

「総裁が国債買い入れプログラムが継続中との方針を維持し、その活用をユーロ圏加盟国が合意した財政赤字削減計画の順守に結び付けても驚きではない」

こういう欧州中央銀行総裁の発想を日銀総裁がとってもいいのでは?中央銀行が国債買い入れをしたら戦争が起こるみたいなことを言っていないで。




再送:ECB、8日の理事会で政策転換へ 政策金利据え置きを示唆する見通し
2011年 09月 8日 11:32 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK897959120110908

 [フランクフルト 5日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は8日の月例理事会で、利上げサイクルを停止し、政策金利据え置きへの政策転換を示唆するとみられている。ECBは7月に、今年2度目となる利上げを決定したばかり。


 ギリシャとイタリアの財政再建に向けた取り組みが頓挫し始めているとの懸念があるなか、今回の理事会では、ECBの政治的切り札である国債買い入れプログラムをどう活用するつもりなのか、市場はそれを示す手掛かりを待っている。ECBは8月の理事会で、賛否の分かれる国債買い入れの再開を決定した。

 ユーロ圏債務問題は解決が困難な様相となり、今回の理事会は金利政策のシフトが中心議題となる見通しだ。

 ECBのトリシェ総裁は先週欧州議会で証言した際、インフレが「進行中」とのECBの見解を示し、長く繰り返してきた「(インフレリスクは)上向き」という表現は使わなかった。


 2カ月前までは、専門家はECBの利上げ継続を予想していたが、最近の景気悪化の兆しが報じられている現在、政策金利が現行の1.5%に長期間据え置かれるとの見方が強い。
 ECB内部のエコノミストによるインフレおよび経済成長率に関する新たな予測は、6月の前回予測から悪化する見通しで、当局者の政策シフトを正当化する重要な材料となるだろう。


 ユーロ圏の経済指標は、さえない内容が続いている。ユーロ圏がリセッション(景気後退)に再び陥る確率を少なくとも50%と見込むエコノミストもいる。ユーロ圏景気の先行指標として重視される購買担当者景気指数(PMI)の急速な低下は、リーマン・ブラザーズ破綻後の状況との類似が懸念されている。

 7月のユーロ圏インフレ率が2.5%と、ECBが望ましいとする2%を大きく上回ったものの、ユーロ圏に加え、米国など主要国経済の減速が懸念されるため、金融市場はECBが完全に方針転換し、再び利下げを実施する必要があると考えている。

 欧州銀行間取引金利(EURIBOR)先物<0#FEI:>のうち市場期待をよく反映する3カ月物によると、金利は早ければ12月にも1.25%に低下し、その後さらに低下すると市場はみている。


 エコノミストの大半は、ECBが完全な方針転換に向かうにはかなり極端な事態が起きる必要があると主張する。 

 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のエコノミスト、シルビオ・ペルッツォ氏は、ECBの完全な方針転換には「時期尚早だ」とし、それを検討する前に景気悪化を示すさらなる証拠が必要になるとの見方を示した。同氏は「われわれは、(ECBが)政策金利正常化サイクルの停止を示唆すると予想している。われわれの見解では成長に対して下方リスクがあるが、理事会は現在、インフレリスクがこれまでの『上向き』ではなく、『均衡している』とみている可能性が高い」と述べた。
 また、ECBが金融市場への支援措置を拡大する可能性もわずかながらある、と指摘した。

<ECBの切り札:国債買い入れ>

 先週には、ギリシャの財政赤字の削減が目標を下回るとの見通しやイタリア緊縮財政計画の欠陥が明らかになり、フィンランドがギリシャ支援で追加担保を要求したことをめぐる対立が悪化するなど、ユーロ圏債務危機は深刻化を続けている。

 これらの問題について、トリシェ総裁が今週の理事会後の会見でどのようなメッセージを発信するかが注目される。

 総裁は先週末、イタリアに対し、財政再建と経済改革の約束を果たすよう強く求めた。8日の理事会でもこの方針を維持する可能性が高い。
 イタリアにとって、ECBを味方につけておくことは重要だ。ECBによる買い入れによって、イタリア国債の価格はこれまで4週間にわたり支えられている。イタリア政府はECBによる国債買い入れで、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)への緊急の支援要請を回避したい構えだ。

 国債買い入れについて、ECBは打撃を受けた市場の安定化のためと説明しているが、これはEUとIMFからまだ支援を受けていない、資金難のユーロ圏加盟国に圧力を掛けるのに最適の手段でもある。

 実際、ECBはイタリアに圧力を掛ける目的で、同国国債の買い入れあるいは買い入れ停止を利用している可能性がある。ECBの先週の債券買い入れ規模は130億ユーロに倍増したにもかかわらず、週明け5日のイタリア10年債利回りIT10YT=TWEBは5.5%に上昇し、ECBの国債買い入れ再開以来の高水準をつけた。

 元ECBエコノミストで、現在オックスフォード・エコノミクスに在籍するマリー・ディロン氏は、トリシェ総裁が引き続き8日もイタリアに圧力を掛けると予想する。同氏は「総裁が国債買い入れプログラムが継続中との方針を維持し、その活用をユーロ圏加盟国が合意した財政赤字削減計画の順守に結び付けても驚きではない」と語った。