市場ではスイス中銀の目標水準設定に円高に悩む日本も追随との憶測台頭(ロイター) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

市場ではスイス中銀の目標水準設定に円高に悩む日本も追随との憶測台頭(ロイター)

秘書です。

スイス中銀をみると、中央銀行というのは相当なことができるということですね。
ということは、日本が相当なことをしないという無策も、市場に対しては相当なメッセージになるということですね。


スイス中銀がフラン高対策で対ユーロ相場に上限設定、日本の反応に注目
2011年 09月 6日 23:30 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-23050820110906?sp=true
[チューリヒ 6日 ロイター] スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は6日、新たなスイスフラン高対策を発表した。スイスフランの対ユーロ相場に1ユーロ=1.20フランという上限目標を設定。目標を達成するために、外貨を無制限に購入し、あらゆる手段を講じると強い姿勢を示した。
 スイス中銀は声明で「現在のスイスフランの過大評価は、スイス経済に深刻な脅威とデフレリスクをもたらしている。中銀は最大限の決意をもってこの目標水準を執行し、無制限に外貨を購入する用意がある」と表明した。

 9月15日に四半期金融政策見直しを控えるスイス中銀は、フランが1ユーロ=1.20フランでもなお高く、時間をかけて下落すべきとの見解を示し「経済の見通しやデフレリスクにより必要となれば、さらなる措置を講じることになる」と表明した。

 第2・四半期のスイスの国内総生産(GDP)は前年比プラス2.3%と、健全な成長を達成した。しかし中銀はフラン高が輸出に打撃を与え、今後数カ月に成長が急減速するとの予測を示している。

 発表を受けてスイスフランは対ユーロ、対ドルで下落した


 欧州中央銀行(ECB)は声明を発表し「理事会はすでにスイス中銀から、対ユーロで1.20フランを超えるフラン高を容認しないとの決定を知らされている」としたうえで「理事会は、スイス中銀が自らの責任で下したこの決定に留意している」と表明した。

 市場では、スイス中銀の目標水準設定を受け、同様に円高進行に悩む日本も追随するのではないか、との憶測が台頭している

 ニッセイ基礎研究所のチーフエコノミスト、櫨浩一氏は、今週末に仏マルセイユで開催される日米欧7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で日本は円高を議題に提起し、単独介入について理解を求めるようとする、との見方を示した。

 コメルツ銀行のエコノミスト、ウルリケ・ランドルフ氏は「スイス中銀は資金を豊富に保有しているため、スイスフラン相場を目標水準に安定させることはできるとみている」と述べた。
 ただ「ユーロ圏債務危機収束の兆しが見えないなか、市場における先行き不透明感は依然として非常に高い」と指摘。こうした状況の下では、スイスフランが中銀の目標を超えて下落する可能性は低いとの見方を示した。

 またラボバンクのシニア外為ストラテジスト、ジェーン・フォーレイ氏は「スイス中銀が今後数カ月間、スイスフラン相場の上昇を阻むことができるかは、ユーロ圏債務危機の展開次第となる」との見方を示した。

 スイス中銀は、石油危機を受けスイスフランが急騰していた1978年に、1ドイツマルク=0.80フランとの目標を設定。スイスフランの上昇を食い止めることに成功はしたものの、インフレ高進という副作用を招いた。

 これについてバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の外為調査部門を率いるシモン・デリック氏は「短期的には効果があったものの、物価の急激な上昇を招き、結果的に非常に高いコストが伴った」と指摘。

 今回の措置に関しても「短期的には効果があるとみられる」としながらも、長期的には、債務危機に見舞われているユーロ圏からの資金引き揚げを模索する投資家に対し、簡単な逃げ道を提供することになると述べた。

 対外的には、ハンガリーの住宅ローンの約3分の2、ポーランドの住宅ローンの約半分がスイスフラン建てとなっていることから、今回の措置は東欧諸国の経済を支援するとの見方も出ている。

 スイスの外貨保有高は中銀による外貨スワップ取引などの結果、急増。8月時点で2534億フランに達している。

 *関連グラフ
 ユーロ/スイスフランの動向:link.reuters.com/mab63s

 スイスの輸出の動向:link.reuters.com/wug33s

 スイス株の動向:link.reuters.com/xug33s

→スイス中銀の目標水準設定に円高に悩む日本も追随との憶測は、憶測に終わるのか?どうする日本?日銀出身のエコノミストの意見は?

日本がスイスに追随する可能性低い、上限設定で-JPモルガン菅野氏
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=a3W46uAsmPU0

 9月6日(ブルームバーグ):JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、日本の政策当局がスイスに追随し、円相場に上限を設定する可能性は低いとの見方を示した。

  菅野氏は、不可能とは言いたくないが日本がスイスに追随する可能性はかなり低いだろうとした上で、スイスと日本の大きな違いは経済規模だと説明した。日本政府関係者は6日夜、「スイスと日本の状況は違う。他国の金融政策についてはコメントしない」と述べた。

  ユーロ圏のソブリン債危機や米経済のリセッション(景気後退)入りリスクの高まりから、フランと円への逃避需要が高まり両通貨の上昇が続いている。フランは過去2年間で25%、円は21%値上がりした。

  スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は6日、フランの対ユーロ相場について、1ユーロ=1.20フランを上回るフラン高は容認しないとし、無制限に外貨を購入する準備があると表明した。日本の当局は8月、計4兆5100億円規模の円売り介入を実施した。1カ月当たりの介入規模としては2004年以降で最大。

  菅野氏は、日本が1ドル=75円もしくは70円という上限を設定した場合、無制限にドルを購入しなくてはならなくなり、米財務省や米連邦準備制度理事会(FRB)は好ましく思わないだろうと指摘した。

  また日本が自由な資本の流れを容認し、資本取引における境界を開放している以上、円相場の上限・下限を設定すれば投機的な取引をさらに増やすことになると説明。日本銀行はあらゆる外貨を購入し円に換えなければならなくなり、そうなればマネーサプライ(通貨供給量)の管理ができなくなると続けた。

→以上が日銀出身エコノミストの見解でした。