「白川氏が任期中に利上げできなければ、ここ3代続いた日銀出身の総裁では初めて」ロイター | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「白川氏が任期中に利上げできなければ、ここ3代続いた日銀出身の総裁では初めて」ロイター

秘書です。

「白川氏が任期中に利上げできなければ、ここ3代続いた日銀出身の総裁では初めてで、大蔵省(現財務省)出身の松下康雄氏(1994年-98年在任)以来となる」

利上げをしないということは、日銀内ではそんなに恥ずべきことなのでしょうか?
そうだとするとなぜでしょう?

そして、そんな内部の論理で金融政策をやっていたら、おかしなことになりますね。


【クレジット市場】白川日銀総裁、遠のく任期中のゼロ金利政策の解除
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=azJQFSMca24k

 8月31日(ブルームバーグ):日本銀行の実質ゼロ金利の解除は、白川方明総裁の任期中は困難になったとの見方が強まっている。米金融当局が2013年半ばまで現在の超低金利を継続するという時間軸政策を導入。消費者物価指数(CPI)も基準改定により下方修正されたことで、日銀の政策が影響を受けざるを得ないとみられるためだ。

  18カ月物のオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)金利は23日に0.05%と2005年12月以来の最低水準に低下した。日銀の政策金利は現在0-0.1%。18カ月物OIS金利は、デリバティブ・トレーダーが予想する同期間における日銀の政策金利の平均水準。足元では円ドル相場が最高値圏内で推移しており、白川日銀は実質ゼロ金利の下でさらなる追加緩和に踏み切るとの見方も出ている。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は9日、少なくとも13年半ばまで現在の超低金利を維持する方針を表明した。12日に公表されたCPIの基準改定による遡及(そきゅう)結果では、6月の生鮮食品を除くコアCPI前年比はプラス0.4%からマイナス0.2%に下方修正され、日銀が物価安定の中心値と考える1%から一段と遠のいた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の長谷川治美シニア債券ストラテジストは「過去の利上げ局面では、日本の利上げは米国のそれに1年以上遅れている」という。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「白川総裁の任期は13年4月までだが、それまでに日銀が利上げを行う可能性はかなり低くなっている」とみる。

          FOMCの時間軸

  FOMCは声明文で「委員会は現在、低水準の資源稼働やインフレの中期的に抑制された見通しを含めた経済情勢が、少なくとも13年半ばまでFF金利を異例の低水準とすることを正当化する可能性が高い」と表明した。SMBC日興証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストはこれを受けて、日銀の実質ゼロ金利解除の予想時期を従来の「13年4-6月」から「14年度以降」に後ずれさせた。

  米国の超低金利継続の期間、いわゆる時間軸は、少なくとも形式的には日銀のようなコミットメント(約束)ではなく、米連邦準備制度理事会(FRB)自身の予想に過ぎないため、野村証券の松沢中チーフストラテジストは「『13年半ば』よりも早く利上げを開始する可能性がないわけではない」というが、実際には「当面この文言変更は『コミットメント』に近いもの」と解釈されるだろうと指摘する。

  翻って日銀の時間軸は「物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで実質ゼロ金利政策を継続していく」というもの。日銀は中長期的な物価安定の理解として「CPIの前年比で2%以下のプラスの領域にあり、中心は1%程度」という数値を示している。

            新たなモノサシ

  日銀が7月の中間評価で示した11、12年度のコアCPI前年比の見通し(委員の中央値)はともにプラス0.7%。12日に発表された今年1-6月のコアCPIの遡及結果では、平均0.6ポイントの下方修正が行われた。三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストは11、12年度について「日銀も10月の展望リポートでコアCPIの見通しをゼロ近傍に修正してくることはほぼ確実」とみる。

  第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは「改定によって、中長期的な物価安定の理解としている前年比プラス1%ははるか彼方に行ってしまっており、金融緩和状態が相当の長期間継続されることが示唆されている」という。武藤氏は「デフレが深刻なのは米国よりも日本であり、FRBが利上げしても直ちに日銀が利上げできるわけではない。今の段階では13年度中の利上げも難しい」とみる。

  シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストも「これまでの経験から判断して、日銀がFRBよりも早く利上げを開始する可能性は極めて低い」と指摘。「仮にそのようなことがあれば大幅な円高を惹起(じゃっき)しかねない。このため、『少なくとも13年年央まで』は、日銀が利上げを開始できる可能性はほぼなくなった」と言う。

           終わりなき追加緩和

  白川氏が任期中に利上げできなければ、ここ3代続いた日銀出身の総裁では初めてで、大蔵省(現財務省)出身の松下康雄氏(1994年-98年在任)以来となる。任期中の利上げのチャンスが小さくなる一方で、追加緩和を迫られる場面は幾度となく訪れるとの見方が根強い。

  東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは「今後も円高圧力は残り、さらに追加の緩和強化の公算がある。その際、資産買い入れ等基金の再増額だけでは市場は納得しまい」という。白川総裁は4日の会見で、円ドル相場は2年程度の内外金利差の説明力が高いと述べた。2年金利をさらに押し下げるには、資産買い入れ等基金を含め、買い入れる国債の年限の長期化や、超過準備に対する付利の撤廃などが必要だろうと同氏はみている。