間接民主制の危機→無作為抽出市民による熟議型民主主義へ? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

間接民主制の危機→無作為抽出市民による熟議型民主主義へ?

秘書です。

悪いのは自民党かと思っていたら、民主党も政権をとったら昔の自民党化してしまう・・・

これは深刻な問題ですね。

間接民主主義の危機です。利益集積型民主主義の危機です。

では、他にどんな代案があるのか?

その一つは、無作為抽出市民による熟議型民主主義です。モデルは古代ギリシャですね。


国会議員はくじで…国民の政治不信は頂点に
産経新聞 8月30日(火)7時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110830-00000126-san-pol
【from Editor】

 自民党政権があまりにひどいので、一昨年、国民は民主党政権を選んだが、これが自民党政権よりもひどかった、というのがいまの国民の偽らざる心境ではないだろうか。国民の政治に対する不信感は頂点に達している。選ぶ政党がないというのが正直なところだ。

 なぜ、こんなことになったのか。有能な政治家を選ばなかった有権者が悪い、といえば、それまでだが、そもそも立候補する人材が枯渇している。

 票を集めるためには、2世や3世を擁立したり、知名度のあるタレントを立てるのが手っ取り早いとされてしまった。もちろん、2世、3世にもそこそこの人物はいるのだろうが、それ以上の人物を国会に送りだせなくなってしまった。さらに問題なのは、国会議員に定年も任期もないことである。永田町に長くいれば、国民的視点でものを見ることができなくなる。議員は10年以上継続してはいけないとか、70歳以上は立候補できない、などの規制をかけないと、国民の負託に応えられる議員は減る一方である。こうした問題を一気に解決するために、いっそ選挙による議員の選出を見直してはどうだろう。どうすればいいのか。くじにするのである。

 裁判員制度が発足するときに、法律の素人がどこまで裁判を正しく認識し、判決を下すことができるのか危惧されたが、予想以上に国民のレベルは高く、裁判官だけの判決よりも、より国民的な視点に立っているように思える。国民の常識は健全なのである。裁判員同様、くじで選べばいい。

 だが、一般の国民に議員の仕事をさせるにはさまざまな制約がある。そこで、働いている人は、休職し、その間の給与と議員終了後の原状回復を義務付ける。任期は一国会だけで再任はなし。現在、日本には国会議員定数が衆参合わせて724人もあるが、そんなにはいらないだろう。国会は一院で、100人もいれば十分。立法府といいながら、ほとんどの法律は官僚が作成しているのだから。そして首相は公選に。そうなれば、議員会館も議員宿舎も不要で経費節減になる。政党助成金もなくなる。

 国会議員というのは憲法をはじめ多くの法律で身分や処遇を保障されているが、それほどの仕事をしていると感じている国民はほとんどいない。これまでの罪滅ぼしに、せめて、自らの手で憲法や法律を改正して、選挙による議員選出を、この辺で終わりにしてはどうだろう。(編集委員 大野敏明)


→民主主義にとっての危機は、ゼロ成長のもとで利害関係者が個人的な利益を主張すること。

→個人的利益を集積すれば社会的正義になるというのが功利主義ですが、成長経済のもとではそれがうまく回転したが、ゼロ成長・マイナス成長では、ある人の利益は他者の不利益となる。だから成長経済は重要なんですが、日本の真の勝利者たるエスタブリッシュメントは「もうほしいものはない」「もう成長はいらない」といって低成長をゼロ成長にしてしまいました。そんな中で個人的利益を主張したらどうなるでしょう。誰かの利益をうばわなければ自分の利益にならない弱肉強食社会がやってきました。弱肉強食社会とは「もうほしいものはない」といって成長をとめてしまったあとにやってきます。

→そんな中で利害関係者が立法にたずさわると、立法府は機能になくなります。みんな拒否権を行使しはじめますから。

→代議制は、利害関係者から離れた賢人が社会のルールを決めよう、という理想があったはず。しかし、利害関係者から離れているかどうかという点でいえば、むしろ、無作為抽出市民のほうが利害関係者から離れることができる可能性が高い。


→個人的な利益が最大に集積されるのが社会的正義であるという功利主義的価値観に立って合意形成するのかどうか。それはゼロ成長ではぬきさしならない対立に発展し、社会的合意形成は困難になることでしょう。

→エスタブリッシュメントが強行しようとしているデフレ・円高下の増税路線は、戦前の浜口政権の世界恐慌下の金解禁が政党政治に終止符をうったように、戦後日本民主主義に大きな転換点、何らかの終止符をうつことにつながる可能性がありますね。

→そのとき、無作為抽出市民が死刑の判決が下せるのに、立法府では・・・、という声が台頭するかもしれませんね。