1ドル=76円台後半に | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

1ドル=76円台後半に

秘書です。

1ドル=76.85円


ドル76円後半に下落、アジア株の戻り鈍くクロス円が軟化
2011年 08月 10日 12:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22640220110810?sp=true

 [東京 10日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時に比べて下落し、76円後半で推移している。米連邦公開市場委員会(FOMC)が低金利政策の時間軸強化を決めたことで米国株が急反発、クロス円が上昇してドル/円を押し上げ、早朝までに一時77円前半に上昇した。
 しかし、続くアジア株の戻りが鈍く、クロス円が下げに転じたことから、ドル/円は77円を割り込んだ。過去最安値(76.25円)が近づいており、市場は介入警戒感を強めている。

 <アジア株の戻り鈍く、ドル/円は76円後半に下落>

 FOMCでは、景気判断を下方修正するとともに、少なくとも2013年半ばまで低金利政策を継続すると明言し、時間軸を強化した。米国株は一時乱高下したものの終盤に急反発し、このところの株安の流れにいったん歯止めがかかった。

 リスク回避ムードが後退したことで、クロス円が上昇。ユーロ/円はアジア時間早朝までに約2円急騰し、111.24円まで上値を伸ばした。「時間軸強化自体はドル/円の売り材料」(国内金融機関)だが、クロス円に押し上げられる形でドルも77.40円まで上昇した。ドル/円は、海外市場で一時76.70円まで売られたことから介入警戒感も高まっており、「介入への思惑からドルロングにする動きも見られた」(国内銀行)との声も聞かれた。

 米国株高を受け、日経平均は寄り付きで9100円台を回復。続いて中国の上海総合指数や香港のハンセン指数も堅調にスタートした。しかし、買い一巡後は中国株を除いて全般に上値が重くなり、日経平均の前引けは102円高の9047円。9000円維持に不安も出てきた。市場では「FOMCを受けて300円程度は戻るかと期待していたが、これでは自律反発の域を出ない」(外資系銀行)として、株安連鎖に歯止めがかかるか不安視する声も出ている。

 このためユーロ/円が110.14円まで1円以上押し戻されるなど、クロス円が軟調に転じた。クロス円からのサポートを失ったことでドル/円も77円を割り込み、76.78円まで売られて海外安値に迫った。市場では政府・日銀の介入が焦点になっており、「ドル/円が下に走り出したら、いつ介入が入ってもおかしくない」(国内銀行)と身構えている。

 ただ、インターバンク勢は取引にそれほど積極的ではないという。これまでの市場の混乱を受けて「リーマン・ショックの連想から金融機関の資金調達にやや懸念も出ている。このため、あまり大きくポジションを取りたくない」(国内証券)との声が出ている。

 <FOMC受け、金融政策にらみのドル売りの流れ>
 これまでのドル/円のトレンドは世界株安を受けたリスク回避の円買いだったが、FOMCを受けて「米金融政策にらみのドル売りの流れが浮上した」(三菱東京UFJ銀行アナリスト、井野鉄兵氏)。

 米金融政策に打ち止め感は出ておらず、市場では追加緩和期待も強まっている。ロイターがFOMCを受けてプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)20社を対象に9日実施した調査では、6カ月以内の量的緩和第3弾(QE3)実施の予想確率の中央値は、5日時点の27.5%から37.5%に上昇した。 このため、ドル/円のダウンサイドリスクが意識されており、「ドルはいずれ過去最安値を更新する」(国内金融機関)との声が出ている。

 ただ、市場の思惑はともかく、実際にQE3が発動されることはないとみる市場関係者も多い。三菱東京UFJ銀行の井野氏もこの立場だ。同氏はこれまでの市場の混乱は不安心理の増幅によるものだったと指摘した上で、「不安を鎮めてファンダメンタルズを精査すれば、実際には米景気は市場を混乱させるほど悪くはないと考えている。今回の時間軸強化の意味合いは、そのための時間を稼ぐことではないか」とみている。

 <米金利は下げ渋りとの見方も>

 FOMC声明を受け、米2年債利回りUS2YT=RRは一時0.17%まで低下して過去最低水準を更新した。米追加緩和観測もあり、米金利の一段低下を懸念する声も出ている。

 これに対して、SMBC日興証券シニア債券為替ストラテジスト、野地慎氏は、FOMCが決めた時間軸強化は、イールドカーブの手前から金利を安定させる効果があると指摘。少なくとも2年先までの低金利継続を明言したことで、「まず、米2年債のレートが0.2%前後で固まる。ここを起点に5年、10年の金利が決まっていく。米10年債は安全への逃避で買われ過ぎた分のはく落も含め、2.5%を軸に落ち着くだろう」とみている。

 米国金利の安定はドル/円の下げ渋りにつながる一方、日米金利差の拡大も望めないため上昇もなく、ドルは77円を中心にこう着するとの予想だ。ただ、米追加緩和観測が残ることから、ドルの下値不安は消えないという。 

(ロイターニュース 松平陽子)