何故、再び円高なのか(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

何故、再び円高なのか(中川秀直)


4日、政府・日銀による4兆5千億円規模の介入と10兆円規模の追加金融緩和策をとったが、現時点は再び、78円台の円高水準となっている。

何故、再び円高なのか。日銀が通貨供給量を06年以降全く増やしていないのに対して、米連邦準備制度理事会(FRB)は、08年9月以降からドルを3倍以上も増やし、欧州中央銀行もユーローを、中国人民銀行も人民元を、準じて供給量を増やしたからである。

円高とデフレはコインの裏表である。円高是正は、通貨供給量の増加が王道であり、即、デフレ対策なのである。日銀の国債引き受けという王道策を実行して、円高とデフレを止めるべきである。しかし、現在の民主党政権と日銀にはこれはできないだろう。市場はそのことを織り込んでいる。
(8月6日記)中川秀直