「増税なくして本格復興なし」を押し付けてくる菅政権(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「増税なくして本格復興なし」を押し付けてくる菅政権(中川秀直)

政府の復興対策本部が、26日、東日本大震災の復旧・復興事業に必要な財源を確保するため、約10兆円を臨時増税で賄うとの方針を決めたが、実際は、増税はこれで済まない。

2011年度の基礎年金の国庫負担の不足(2兆5千億円)、B型肝炎訴訟の和解金(1兆1千億円)も増税となり、さらに、秋には社会保障費に充てるための消費税論議が始まる。全面増税一色となる。

一方、円高に対する無為無策、電力供給政策の迷走、法人税増税などの6重苦で、企業の日本脱出が加速する。

菅首相は、内閣支持率の低さをみて、「脱原発解散」は断念したのかもしれない。脱原発方針の目的は支持率アップであり、脱原発はその手段にすぎない。手段はどんどん変更する。あれは個人的見解でした、といって、また次の政策課題にとびつくのだろう。

次のテーマは増税だろう。三次補正の財源を増税で賄う、と。

菅政権は、ずるずると本格復興を遅らせて、「増税なくして本格復興なし」を押し付けてくるようだ。増税に反対することは本格復興に反対することだ、というキャンペーンをはじめるのかもしれない。

09年の衆院選では、増税の是非を問うていない。菅首相で「増税解散」をするか、新首相で「増税解散」するか、いずれにしても自民党は「増税による復興」か「増税なき復興」か、旗幟鮮明にすべき時が来た。

(7月27日記)中川秀直