「簡易」なストレステストで、玄海原発周辺の住民の「安心」を得ることできますか? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「簡易」なストレステストで、玄海原発周辺の住民の「安心」を得ることできますか?

秘書です。

なるほど、菅政権は、玄海原発については、

安全=原子力安全・保安院
安心=原子力安全委員会


ということですね。保安院は玄海原発を「安全」といっている。それに「安心」を加えると。

しかし、「簡易テスト」で「安心」できるんでしょうか?




細野豪志・原発担当相 「首相の執着心は非常に強い」
産経新聞 7月9日(土)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110709-00000088-san-pol


 細野豪志原発事故担当相は8日、産経新聞などのインタビューに応じ、東京電力福島第1原発事故に対する菅直人首相の取り組みについて「貢献したいという思いは非常に強い。いろんな意味での執着心というのは、非常に強い」と強調した。 (坂本一之)

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 --福島第1原発事故についての首相の姿勢をどう見るか

 「原発事故に関する首相の行動をずっと見てきたが、この問題を乗り越えるため何とか貢献をしたいという思いは非常に強い。『これは自分でやらなきゃならない』と思ったら、それに対するいろんな意味での執着心は非常に強い」

 --首相の退陣時期をどう考えるか

 「政局がいろいろ騒がしくなっていることは分かっている。だが今、私がやれることは原発事故の収束に特化すること。政局に関与できていない。与えられた職責を全うすることは菅政権のためというよりは、日本国民のためだと思っている」

 --原発の再稼働問題について首相と海江田万里経済産業相とで溝がある

 「安全対策をしっかりした上で、安全な原発は再稼働していくという方針に変わりはない。原子力安全委員会という実質的なダブルチェックの助言をできる組織を有効に活用してやっていくべきだという首相の考え方が反映されている」

 --唐突に原発のストレステスト(耐性検査)を言い出すなど政府のやり方は国民に分かりづらい

 「佐賀県と玄海町をはじめ関係自治体には率直におわびを申し上げたい。安全は経済産業省原子力安全・保安院が確保したと考えているが、安心という面も含めて原子力安全委にしっかり見解を出してもらうべきだとの首相の考えを尊重したい

 --ストレステストは首相の強い意向なのか

 「ストレステスト自体は国際原子力機関(IAEA)の閣僚会合などでも具体的に出ていた。目新しい話ではないし、政府でも内々の検討はあった。ただ、玄海原発の再稼働に伴い出てきたのは、首相の意向だ」

 --細野氏と海江田氏との連携は

 「海江田氏とは3月11日から寝食を共にしてやってきた。信頼関係は揺るぎないものだ。海江田氏は原子力安全・保安院のトップで、私は原子力安全委を所掌する。それぞれの組織が独立していることに意味がある」

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【プロフィル】細野豪志

 ほその・ごうし 京大法卒。当選4回。前原誠司氏や小沢一郎氏が党代表だった平成17~18年に党役員室長を務め、23年1月に菅第2次改造内閣で首相補佐官、6月に原発事故担当相に就任。39歳。滋賀県出身。


原発安全基準、玄海は簡易テストで…3閣僚合意
読売新聞 7月9日(土)3時5分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110708-00001206-yom-pol
 枝野官房長官と海江田経済産業相、細野原発相は8日、全国の原子力発電所を対象に実施するストレステスト(耐性検査)など安全性の新基準に関する統一見解について協議した。

 その結果、〈1〉九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)などについては簡易的なテストを実施し、内閣府原子力安全委員会が安全性の判断に加わる〈2〉全原発に適用する本格的なテストは別途策定する――ことで大筋一致した。菅首相と最終調整した上で、週明けに発表する考えだ。

 3閣僚は8日、首相官邸で2度にわたって統一見解について協議した。安全性の新基準をめぐっては、ストレステストを原発再稼働の前提と位置づける首相と、玄海原発などすでに安全性が確認された原発についてはテストを経ずに再稼働させるとする海江田氏との間で対立があった。 .


→「安全」「安心」とは何でしょう?

「安全」=リスクを社会が受容可能なレベルまで極小化している状態

「安心」=社会的に合意されるレベルの安全を確保しつつ、信頼が築かれる状態


以上、「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」報告書 第2章 より
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/anzen/houkoku/04042302/003.htm


→つまり、安心=安全+信頼。別の表現をすれば、

安心―安全=信頼

菅政権は、安全院は「安全」だといっているけど、信頼できませんね。ですから、信頼できるようにします。それが「簡易なストレステスト」です、原子力安全委員会がお墨付きをつけます、というのでしょうか?

→上記の報告書は「人々の安心を得るための前提として、安全の確保に関わる組織と人々の間に信頼を醸成することが必要である。互いの信頼がなければ、安全を確保し、さらにそのことをいくら伝えたとしても相手が安心することは困難だからである」としています。

→玄海原発に、政府組織と国民の間の信頼というとき、それが、原子力安全委員会なのか?


→「信頼」とは、不確実な未来について、この人、この組織の判断ならば正しいと信じようて未来を託そう、ということです。その信頼を、簡易なストレステストで、原子力安全委員会がからむことで、確保できるのでしょうか。

→ストレステストは「安全」に関することであって、信頼につながるのでしょうか。それとも、保安院は信頼できないが、原子力安全委員会なら信頼できるということでしょうか。

国民は、保安院は信頼できないが原子力安全委員会は信頼できると思っていますか?

原子力安全委員会を信頼できなくなって参与をたくさん集めたのは菅首相自身だということを、国民はもう知っているのではないでしょうか?

校庭利用基準20ミリシーベルト問題で、原子力安全委員会は国民に信頼されていたでしょうか?

→「簡易」なストレステストで、玄海原発周辺の住民の「安心」を得るといいますが、かえって、信頼を失い、不安を増すことになるのではないでしょうか?