「現実主義者の菅の中では、脱原発も原発推進も時々の「最適解」に過ぎず、矛盾しない」(読売新聞)
秘書です。
今朝の読売新聞より。
「定期検査でとまっていて、安全性が確認されたものは順次再稼働をしていこうと経済産業相がいった。私もまったく同じだ」(6月19日の自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」における菅首相発言)
→これが昨日までの一貫した政府の対応だったはず。
「定期点検中で安全が確認された原発は再稼働してもらいたい。危険のないところはしっかり政治の判断で(再)起動をお願いする。ちゃんと国が責任を持つ」(6月29日、佐賀県の古川知事に対する海江田経産相発言)
→国が責任を持つといったが、昨日、菅首相は責任から逃げた。
「これまでの(原発再稼働の)基準や制度がそのままでいいのか、本格的に議論が必要だ。細野原発相と経産相に(新たな)ルール作りを検討してほしいと指示した」(7月6日の衆議院予算委員会における菅首相発言)
→なんで今さら「本格的に議論」?今日、佐賀県知事が来る。会いたくない、だから?
政府の方針転換を意味する首相の唐突な発言に、原発を抱える自治体などでは困惑が広がっている。
「場当たり的で、関係自治体を混乱させる」(民主党中堅)
→分かっちゃいるけど辞めさせられない?
「事前の説明もなく、今頃こんなことを言い出すとは。(7月4日に九州電力に伝えた再稼働了承を)考え直さざるをえない」
「了解は苦渋も決断だった、政府のやり方は、小ばかにしている」
(岸本英雄佐賀県玄海町町長)
→首相の政治パフォーマンスで梯子を外されました。
「原発再稼働を決断しないですむよう、首相は時間稼ぎをしている」(政府・与党内)
→自分の脱原発のイメージが大切。佐賀県知事とは会いたくない。
「海江田氏はハシゴを外され、メンツも潰された。怒り心頭だ」(経産省幹部)
→閣僚としてどういう行動をとられるのか?
この菅政治の本質は何か。読売新聞4面の企画記事より。
・最近、菅との接触が増えた官僚は、菅の人物起用法を「忠誠心より、その瞬間にどれだけ役立つかで判断する」とみて、「使い捨て」を警戒する。
・課題に対応するための「プロジェクト」には反応よく飛び付く一方、全体での問題意識と情報の
共有や、根回しをしないのも「菅流」だ。だから、摩擦ばかり起こる。
・政策面で、瞬間、瞬間の「最適解」を、整合性を気にせず追求するから、一貫性に欠けていると映る。
・要は、現実主義者の菅の中では、脱原発も原発推進も時々の「最適解」に過ぎず、矛盾しないものなのだ。
・「延命」という孤独なプロジェクトは続く。
→もはや、民主党には、「脱原発も原発推進も時々の「最適解」に過ぎず、矛盾しない」という菅政治を止めることもできないようです。
→解散・総選挙でしか、菅政治という政権延命だけの政治空白政治を終わらせられないのでしょうか?
政府の原発再稼働対応チグハグ 背景に首相の思惑 国民生活や原発立地県に配慮ゼロ
2011.7.7 01:38 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110707/plc11070701410005-n3.htm
深刻な電力不足が懸念される夏を迎えたが、政府の原発再稼働に対する方針が定まらない。九州電力玄海原発(佐賀県)の再稼働に向けた働きかけをしたにもかかわらず、今度は突然、安全検査「ストレステスト」の実施を発表した。中部電力浜岡原発(静岡県)の運転停止では主導権を発揮した菅直人首相は佐賀県の古川康知事との会談を拒否するなど、再稼働に後ろ向きの姿勢を示している。
「立地自治体は政府の誰の言葉を信用していいかまったくわからない状況になってきた」
ストレステスト導入について古川知事は6日夜のNHK番組で、困惑を隠さなかった。唐突な発表に驚いたのは古川知事だけではなかった。ある経産官僚は「中身や経緯については知らない」とこぼしており、事務方の大半は寝耳に水だったようだ。
閣内ではストレステストの実施は必要との認識で一致していたものの、玄海原発でも実施することに強くこだわったのは首相だった。運転再開を目指していた海江田万里経済産業相は慎重だったが、首相が押し切った。
首相はインターネット中継した6月19日の国民対話の時は、定期検査で停止中の原発の再稼働について、「安全性が確認されたら順次再稼働していくと海江田氏が言ったが、私もまったく同じだ」と語っていた。
ところが、その後「脱原発派」に傾斜していった首相は、原発の再稼働要請をめぐり、海江田氏から、電力の安定供給に関するメッセージを発するよう要請されても「自分は言いたくない。言うべきではない」と拒否した。
海江田氏は首相に古川知事と会談するよう要請したが消極姿勢を貫き、結局、枝野幸男官房長官が代役を務めることになった。
5月に浜岡原発の停止を要請したときには、海江田氏の記者会見の予定を取りやめさせ、自身が記者会見で発表して“手柄”としたのとは対照的だ。
背景には、玄海原発再開に手を貸すと「脱原発の旗手」としての地位を失い、ひいては延命をかけた「脱原発解散」カードも手放すことになりかねないという首相の思惑と計算がありそうだ。だが、首相の自己都合に基づく短兵急で場当たり的な安全対策が、原発再開にいったんは理解を示した地元の反発を招いた。
「首相は国家戦略担当相時代には、再生可能エネルギーなんてまったく関心を示さなかった」
元政府高官はこう指摘する。各種世論調査で浜岡原発の停止要請が評価されると、再生エネルギー特別措置法案の成立に俄(が)然(ぜん)意欲を示すようになったという。そこには国民生活や原発立地県への配慮はまったく見えない。(小田博士)
安全検査ではしご外された佐賀 首相、脱原発の思惑も
7月7日 中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201107070051.html
政府が打ち出した安全評価「ストレステスト」で、停止中の原発は検査終了まで事実上、再稼働できなくなった。既に玄海原発の再開容認に傾いていた佐賀ははしごを外された格好。「脱原発」を政権浮揚のてこにしたい菅直人首相の思惑もにじんだ。
「地方と思って小ばかにしている。再稼働の判断をさせておいて、今からテストをするなんて訳が分からん」。怒りを爆発させたのは4日に玄海原発の再稼働容認を九州電力に伝えたばかりの岸本英雄きしもと・ひでお・玄海町長。「全く(状況が)飛んだ」と、7月中旬に予定していた決断時期を先送りした古川康ふるかわ・やすし・佐賀県知事も「(ストレステストの実施は)今まで安全と言ってきたことが足りなかったからではないか。先が見えなくなった」と顔を曇らせた。
ストレステストは、立地自治体の不安を解消し再稼働を円滑に進めることが目的。時間をかけて自治体が判断しやすい環境を整える戦略だ。その一方で、足元の電力不足解消には逆風になる。電力供給に責任を持つ経済産業省は「テストと再稼働は直接関連しない」と、テスト終了が再稼働の条件ではないとの立場をにじませる。
だが細野豪志原発事故担当相は「予断を持っていいにくいが、何らかの関連を持ってくるのではないか」と、再稼働はテストの評価後になるとの見方を示し、菅首相も「従来のルールだけでは不十分」と表明。「勝負は決まった」(経済官庁幹部)。
菅首相は再生可能エネルギーの利用拡大に意欲を燃やし、玄海原発の再稼働問題に対しては「冷たい対応」(関係者)に終始してきた。電力不足に危機感を強めた海江田万里経産相が現地入りして関係者の説得に回ったが、後押しする風もなかった。
「浜岡原発停止要請で一時的にしろ、内閣支持率を上げたことが頭に“成功体験”として刻み込まれた」(周辺)首相には、原発再稼働を後押しするような役回りには抵抗感が強いようだ。
永田町では「首相は、自分の手で再稼働させたら衆院解散・総選挙で『脱原発』を訴えにくくなると考えているのではないか」との声すら上がっている。
「お会いしても、そういうルール(ストレステストの詳細)についての考え方を申し上げることはできない」。菅首相は6日の衆院予算委員会で古川氏から求められていた会談には当面、応じない姿勢を表明した。
首相の対応が再稼働容認の最終判断に大きく影響すると言い続けてきた古川氏は「首相の真意が一部明らかになったということだと思う」。
日本が「手本」にした欧州連合(EU)のストレステストは想定を上回る規模の地震、津波、洪水など「究極の天災」への備えを検査する。
航空機墜落や大規模爆発事故なども想定し、原発の構造的強度を点検するが経産省は「(日本で実施する)中身はまだ」(幹部)と、具体的な手法や検査内容を明らかにしていない。
ただ、日本がEUと同様のテストをすれば、最終評価が年明けになるのは必至。仮に、期間を短縮しようとすれば、審査が不十分だとの批判は免れそうにない。テストが原発政策にどう影響するのか、原発停止による電力不足への対応は適切に行われるのか―。日本のエネルギー政策は、政局の波にのまれ、さらに混迷の度を深めた。
今朝の読売新聞より。
「定期検査でとまっていて、安全性が確認されたものは順次再稼働をしていこうと経済産業相がいった。私もまったく同じだ」(6月19日の自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」における菅首相発言)
→これが昨日までの一貫した政府の対応だったはず。
「定期点検中で安全が確認された原発は再稼働してもらいたい。危険のないところはしっかり政治の判断で(再)起動をお願いする。ちゃんと国が責任を持つ」(6月29日、佐賀県の古川知事に対する海江田経産相発言)
→国が責任を持つといったが、昨日、菅首相は責任から逃げた。
「これまでの(原発再稼働の)基準や制度がそのままでいいのか、本格的に議論が必要だ。細野原発相と経産相に(新たな)ルール作りを検討してほしいと指示した」(7月6日の衆議院予算委員会における菅首相発言)
→なんで今さら「本格的に議論」?今日、佐賀県知事が来る。会いたくない、だから?
政府の方針転換を意味する首相の唐突な発言に、原発を抱える自治体などでは困惑が広がっている。
「場当たり的で、関係自治体を混乱させる」(民主党中堅)
→分かっちゃいるけど辞めさせられない?
「事前の説明もなく、今頃こんなことを言い出すとは。(7月4日に九州電力に伝えた再稼働了承を)考え直さざるをえない」
「了解は苦渋も決断だった、政府のやり方は、小ばかにしている」
(岸本英雄佐賀県玄海町町長)
→首相の政治パフォーマンスで梯子を外されました。
「原発再稼働を決断しないですむよう、首相は時間稼ぎをしている」(政府・与党内)
→自分の脱原発のイメージが大切。佐賀県知事とは会いたくない。
「海江田氏はハシゴを外され、メンツも潰された。怒り心頭だ」(経産省幹部)
→閣僚としてどういう行動をとられるのか?
この菅政治の本質は何か。読売新聞4面の企画記事より。
・最近、菅との接触が増えた官僚は、菅の人物起用法を「忠誠心より、その瞬間にどれだけ役立つかで判断する」とみて、「使い捨て」を警戒する。
・課題に対応するための「プロジェクト」には反応よく飛び付く一方、全体での問題意識と情報の
共有や、根回しをしないのも「菅流」だ。だから、摩擦ばかり起こる。
・政策面で、瞬間、瞬間の「最適解」を、整合性を気にせず追求するから、一貫性に欠けていると映る。
・要は、現実主義者の菅の中では、脱原発も原発推進も時々の「最適解」に過ぎず、矛盾しないものなのだ。
・「延命」という孤独なプロジェクトは続く。
→もはや、民主党には、「脱原発も原発推進も時々の「最適解」に過ぎず、矛盾しない」という菅政治を止めることもできないようです。
→解散・総選挙でしか、菅政治という政権延命だけの政治空白政治を終わらせられないのでしょうか?
政府の原発再稼働対応チグハグ 背景に首相の思惑 国民生活や原発立地県に配慮ゼロ
2011.7.7 01:38 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110707/plc11070701410005-n3.htm
深刻な電力不足が懸念される夏を迎えたが、政府の原発再稼働に対する方針が定まらない。九州電力玄海原発(佐賀県)の再稼働に向けた働きかけをしたにもかかわらず、今度は突然、安全検査「ストレステスト」の実施を発表した。中部電力浜岡原発(静岡県)の運転停止では主導権を発揮した菅直人首相は佐賀県の古川康知事との会談を拒否するなど、再稼働に後ろ向きの姿勢を示している。
「立地自治体は政府の誰の言葉を信用していいかまったくわからない状況になってきた」
ストレステスト導入について古川知事は6日夜のNHK番組で、困惑を隠さなかった。唐突な発表に驚いたのは古川知事だけではなかった。ある経産官僚は「中身や経緯については知らない」とこぼしており、事務方の大半は寝耳に水だったようだ。
閣内ではストレステストの実施は必要との認識で一致していたものの、玄海原発でも実施することに強くこだわったのは首相だった。運転再開を目指していた海江田万里経済産業相は慎重だったが、首相が押し切った。
首相はインターネット中継した6月19日の国民対話の時は、定期検査で停止中の原発の再稼働について、「安全性が確認されたら順次再稼働していくと海江田氏が言ったが、私もまったく同じだ」と語っていた。
ところが、その後「脱原発派」に傾斜していった首相は、原発の再稼働要請をめぐり、海江田氏から、電力の安定供給に関するメッセージを発するよう要請されても「自分は言いたくない。言うべきではない」と拒否した。
海江田氏は首相に古川知事と会談するよう要請したが消極姿勢を貫き、結局、枝野幸男官房長官が代役を務めることになった。
5月に浜岡原発の停止を要請したときには、海江田氏の記者会見の予定を取りやめさせ、自身が記者会見で発表して“手柄”としたのとは対照的だ。
背景には、玄海原発再開に手を貸すと「脱原発の旗手」としての地位を失い、ひいては延命をかけた「脱原発解散」カードも手放すことになりかねないという首相の思惑と計算がありそうだ。だが、首相の自己都合に基づく短兵急で場当たり的な安全対策が、原発再開にいったんは理解を示した地元の反発を招いた。
「首相は国家戦略担当相時代には、再生可能エネルギーなんてまったく関心を示さなかった」
元政府高官はこう指摘する。各種世論調査で浜岡原発の停止要請が評価されると、再生エネルギー特別措置法案の成立に俄(が)然(ぜん)意欲を示すようになったという。そこには国民生活や原発立地県への配慮はまったく見えない。(小田博士)
安全検査ではしご外された佐賀 首相、脱原発の思惑も
7月7日 中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201107070051.html
政府が打ち出した安全評価「ストレステスト」で、停止中の原発は検査終了まで事実上、再稼働できなくなった。既に玄海原発の再開容認に傾いていた佐賀ははしごを外された格好。「脱原発」を政権浮揚のてこにしたい菅直人首相の思惑もにじんだ。
「地方と思って小ばかにしている。再稼働の判断をさせておいて、今からテストをするなんて訳が分からん」。怒りを爆発させたのは4日に玄海原発の再稼働容認を九州電力に伝えたばかりの岸本英雄きしもと・ひでお・玄海町長。「全く(状況が)飛んだ」と、7月中旬に予定していた決断時期を先送りした古川康ふるかわ・やすし・佐賀県知事も「(ストレステストの実施は)今まで安全と言ってきたことが足りなかったからではないか。先が見えなくなった」と顔を曇らせた。
ストレステストは、立地自治体の不安を解消し再稼働を円滑に進めることが目的。時間をかけて自治体が判断しやすい環境を整える戦略だ。その一方で、足元の電力不足解消には逆風になる。電力供給に責任を持つ経済産業省は「テストと再稼働は直接関連しない」と、テスト終了が再稼働の条件ではないとの立場をにじませる。
だが細野豪志原発事故担当相は「予断を持っていいにくいが、何らかの関連を持ってくるのではないか」と、再稼働はテストの評価後になるとの見方を示し、菅首相も「従来のルールだけでは不十分」と表明。「勝負は決まった」(経済官庁幹部)。
菅首相は再生可能エネルギーの利用拡大に意欲を燃やし、玄海原発の再稼働問題に対しては「冷たい対応」(関係者)に終始してきた。電力不足に危機感を強めた海江田万里経産相が現地入りして関係者の説得に回ったが、後押しする風もなかった。
「浜岡原発停止要請で一時的にしろ、内閣支持率を上げたことが頭に“成功体験”として刻み込まれた」(周辺)首相には、原発再稼働を後押しするような役回りには抵抗感が強いようだ。
永田町では「首相は、自分の手で再稼働させたら衆院解散・総選挙で『脱原発』を訴えにくくなると考えているのではないか」との声すら上がっている。
「お会いしても、そういうルール(ストレステストの詳細)についての考え方を申し上げることはできない」。菅首相は6日の衆院予算委員会で古川氏から求められていた会談には当面、応じない姿勢を表明した。
首相の対応が再稼働容認の最終判断に大きく影響すると言い続けてきた古川氏は「首相の真意が一部明らかになったということだと思う」。
日本が「手本」にした欧州連合(EU)のストレステストは想定を上回る規模の地震、津波、洪水など「究極の天災」への備えを検査する。
航空機墜落や大規模爆発事故なども想定し、原発の構造的強度を点検するが経産省は「(日本で実施する)中身はまだ」(幹部)と、具体的な手法や検査内容を明らかにしていない。
ただ、日本がEUと同様のテストをすれば、最終評価が年明けになるのは必至。仮に、期間を短縮しようとすれば、審査が不十分だとの批判は免れそうにない。テストが原発政策にどう影響するのか、原発停止による電力不足への対応は適切に行われるのか―。日本のエネルギー政策は、政局の波にのまれ、さらに混迷の度を深めた。