非正規雇用比率:2011年1-3月期=35.5%、自民党政権末期=34.9% | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

非正規雇用比率:2011年1-3月期=35.5%、自民党政権末期=34.9%

秘書です。
かつて民主党は非正規雇用が増えたことを格差拡大だと批判していました。
それでは民主党政権下でどれだけ非正規雇用の割合が減ったのでしょうか?


平成23年1~3月期平均全国(岩手県,宮城県及び福島県を除く)の非正規雇用の比率

35.5%

労働力調査(詳細集計)平成23年1~3月期平均
全国(岩手県,宮城県及び福島県を除く)
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou2/4hanki/dt/pdf/05500.pdf

小泉政権末期(2006年7―9月期)の非正規雇用の比率=33.4%

麻生政権末期(2009年7―9月期)の非正規雇用の比率=34.1%

菅政権下の震災影響の出る前(2010年10―12月期)の非正規雇用の比率=34.9%

そして、1-3月期の被災地を除く非正規雇用の比率=35.5%



自民党政権下であれほど格差是正を叫んでいたみなさんの民主党政権下での沈黙は何を意味しているのか?

「格差是正のための政権交代の主張」ではなく「政権交代のための格差是正の主張」だったのではないか?

その延長線上に、「権力延命のためならなんでも主張」の今の姿があるのではないか?



年収300万円が男性の結婚ライン?
(2011年6月17日19時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110617-OYT1T00953.htm

 政府は17日の閣議で、2011年版「子ども・子育て白書」を決定した。

 20~30歳代の男性では、年収が300万円未満の人の既婚率が、それ以上の収入の人の既婚率より大きく下回る傾向が見られるとし、少子化を食い止めるために若者への就労支援の強化を求めた。

 11年の調査によると、20歳代の男性の既婚率は、年収が300万円未満の人は8・7%、300万円以上400万円未満は25・7%、400万円以上500万円未満は36・5%。30歳代の男性ではそれぞれ9・3%、26・5%、29・4%となり、白書は年収水準が結婚の可否に影響している可能性を指摘した。

 また、05年の公表資料で雇用形態と既婚率の関係を見ると、30~34歳の男性では非正規雇用の場合は30・2%なのに対し、正社員では59・6%で、2倍近くの差があった。


→非正規雇用が増えた理由が、小泉・竹中の新自由主義路線にあったとしたら、なぜ、民主党政権下で小泉政権下を上回る非正規雇用比率を更新し続けているのか?

→新自由主義が非正規雇用を増やしたというのは、政治的プロパガンダのでっちあげだったか、あるいは民主党政権が「隠れ新自由主義政権」かのどっちかということでしょう。

→非正規雇用拡大の真の原因は何か?


2006年2月24日の衆議院予算委員会公聴会において、逢見直人・連合副事務局長は格差拡大について以下のように述べています。

逢見さんは、格差が拡大し二極化が進行したことについて「直接的には、長期デフレのもとで、労働者にしわ寄せする形でマクロ的な分配が行われてきた結果であると思います」と述べ、長期デフレという経済問題が格差拡大の直接的原因であるとの認識を示しました。

逢見さんは、二極化が始まった時期についても、「我が国がデフレ経済下でマイナス成長に陥った1990年代の後半でありまして、この間のマクロ的な分配のゆがみが格差社会につながっているのではないかと思います」と、2001年の小泉政権発足以前に二極化が始まったとの認識を示しました。

そして、長期デフレが二極化につながったことについては「長期デフレへの対応策として、・・・多くの企業は、正社員を減らし、パートや派遣、有期契約、請負労働といった非典型雇用労働者をふやすことで総額人件費を削減するという手段をとってきました。人件費コスト調整のしわ寄せがパート、派遣労働者などに集中することによって、全体的な所得格差が拡大したと言えると思います」と、長期デフレに対する企業の対応策が二極化の原因であるとしました。


→では、長期デフレの原因は何か?

デフレと円高は表裏一体の貨幣的現象。95年の阪神・淡路大震災以後の行きすぎた円高とデフレのはじまりが、非正規雇用拡大の起点です。

そこから何が始まっているのか?

日銀のデフレターゲット政策でしょう。もしも、小泉政権期に非正規雇用拡大の政策判断ミスがあったとしたら、速水総裁の後継総裁を指名するときに、ほんとうのデフレ脱却派を総裁にしなかったことでしょう。その責任は確かにある!(中川は、官房長官として2000年夏の速水総裁のゼロ金利解除の間違えた政策を阻止できず、2003年には党国対委員長として、速水総裁の後継人事で脱デフレについて、結果として「騙された」ことになってしまいました。その反省に基づいて現在も行動しています)

しかし、日本の政官財学報の主流は、このことを絶対に認めない。このことを指摘する人は、「邪教」「異端」のたぐいです。


では、なんで2011年4月、貿易赤字なのに円高水準なんでしょう?円高ではない、実力相応というなら、日本の国際競争力は弱いことがデフレの原因という白川総裁の発言はなんでしょう。日本は弱いからデフレなんでしょう?だったら円安じゃないとおかしいじゃないですか?行きすぎた円高で日本の競争力を弱めている、デフレにしているのは誰ですか?その人が、企業の競争条件を厳しくして、非正規雇用拡大を企業に強いているのではないですか?

主流派のみなさんが。新自由主義者とレッテルをはって非正規雇用拡大の責任をおしつけた人々は、いまから5年前に政権の座をおりています。そして、格差是正を主張した勢力が政権をとって3年になろうとしている。

格差是正の文字は、菅首相の昨年秋と今年冬の国会演説からは消えた。


そのことを誰もとがめない。しょせん、格差批判は政権交代のための道具だったのか?

もちろん、日本の政官財学報の主流は、当然、正規雇用で守られている。その人たちの支持で延命を図ろうとしている政権には、もはや非正規雇用の拡大など・・・・?

しかし、非正規雇用が拡大したら結婚すらできない、と批判していたのでしょう?今日の読売新聞が報じているのもそういうことでしょう。

主流派のみなさんからみれば「異端」であるサイドからみれば、95年以来の間違えた日銀政策を修正しなければ、非正規雇用の拡大の勢いは止まらない、家族が形成できない青年がもっとでてくる、すなわち、日本民族の当たり前の再生すら危うくなってくる、ということではないのですか?

まじめに努力しても報われない社会。国か地方の公務員になるか生活保護をうけるかの選択が迫られるような社会になりませんか、このままでは。たぶん、菅さんやその仲間が推進するデフレ下の増税路線の延長線上にはそういう社会が待っていることでしょう。全国的な電力不足と行きすぎた円高が工場の海外移転を加速したら、誰から税金をとるのでしょう?