「信用力に対する最大の脅威は低成長期が長引くことだという現実を財政議論で受け入れる必要がある」 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「信用力に対する最大の脅威は低成長期が長引くことだという現実を財政議論で受け入れる必要がある」

秘書です。

「最も重要なのは、米国の信用力に対する最大の脅威は、低成長期が長引くことだという現実を財政議論で受け入れる必要があるということだ」

「短期的なコストは2000億ドル強で、そうした対策により、経済が今後2─3年で大きく改善し、税基盤の大幅な拡大と政府の必要支出の減少につながることが期待できる」


サマーズさんと同じことを日本で日本人が言ったら、邪教、異端扱いされるんでしょうね。

世界の常識は日本の非常識、日本の常識は世界の非常識

になっていなければいいのですが。

そのことで何を守ろうとしているのか。その代償で国民は、若い世代はどれだけの人生のチャンスを失っているのか。自分の子や孫、その友だちが社会の中堅になったときのことへの想像力すら失われているのか・・・



コラム:米雇用危機、経済は失われた10年の渦中に=サマーズ氏
2011年 06月 13日 19:34 JST ロイター  ローレンス・H・サマーズ
http://jp.reuters.com/article/special1/idJPJAPAN-21673020110613?sp=true
 [ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 12日] 米国は2008─09年に政策を総動員することで金融の崩壊と恐慌を巧みに防いだが、国内経済はまだ失われた10年の渦中にある。

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ではどうすればいいのだろうか。運命だとあきらめたり、二大政党が平時に推し進めてきた政治的な課題について論じている場合ではない。金融危機の最大の皮肉は、自信・借り入れ・貸し出し・支出の過剰で発生した危機は、自信・借り入れ・貸し出し・支出の回復がない限り、解決できないということだ。 

 したがって、持続的な回復が定着するまで、経済政策では、自信・借り入れ・貸し出し・支出の拡大
を優先目標とする必要がある。この目標を達成するまで、他の政策は効果が期待できない。平時にどれだけ魅力的、効果的にみえてもだ。
 


 インフラの整備や更新を先延ばしにする経済は誤った経済だと認識すべきだ。10年物の金利が3%を割り込み、建設業の失業率が20%に迫っている今こそ、インフラ投資を拡大すべきだ。

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金融政策の軸足を適切な需要確保から、将来のバブル・インフレ予防に移すのは、あまりにも早すぎる。基調インフレ率は依然低下傾向にあり、自信過剰よりも、借り入れ・投資の不足が大きな問題となっている。金融規制改革法は、金融危機の再発を防ぐという極めて重要な課題に概ね適切に対処した。精力的な実行が必要だ。ただ、今の問題は、自信過剰ではなく自信過少であり、政策でもこの点を重視すべきだ。

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最も重要なのは、米国の信用力に対する最大の脅威は、低成長期が長引くことだという現実を財政議論で受け入れる必要があるということだ。低成長期が続けば、南欧のように財政赤字の対GDP比が急上昇する。歳出抑制と歳入拡大に向けた中期的な対策をめぐる議論は必要不可欠だが、同時に短期的な経済成長も重視する必要がある。大統領と議会が昨年秋に合意した給与税減税・失業給付延長がなければ、米経済は今日、二番底のリスクに直面していた可能性が十分にある。財政面からの需要喚起を2011年末で大幅に縮小するのは早すぎる。財政面の支援は継続すべきであり、実際には、給与税の従業員負担分だけでなく会社負担分も減税して、支援を強化すべきだ。従業員負担分の減税幅を2%から3%に引き上げることも望ましい。短期的なコストは2000億ドル強で、そうした対策により、経済が今後2─3年で大きく改善し、税基盤の大幅な拡大と政府の必要支出の減少につながることが期待できる。 

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おそらく、米経済の底にある一番の強みは回復力だろう。米国は2008─09年に思い切った対策を講じることで、大恐慌を回避した。今度は、経済の現実を見据えることで、失われた10年を回避することができるはずだ。