1989年以来の政局を規定するのは参院との歴史認識のもとの衆院内閣不信任案対応についての思考演習 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

1989年以来の政局を規定するのは参院との歴史認識のもとの衆院内閣不信任案対応についての思考演習

秘書です。
政局対応には合理的、戦略的思考が必要です。思考演習をいたしましょう。


内閣不信任案「今日中に提出」 自民・逢沢氏が明言
産経新聞 6月1日(水)9時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110601-00000513-san-pol
 自民党の逢沢一郎国対委員長は1日午前、国会内で開いた国対会合で「谷垣禎一総裁は(午後の)党首討論の後、公明党の山口那津男代表と会談し、今日中に内閣不信任決議案の提出を正式に表明すると理解している」と述べ、1日夕に不信任案を自公共同で提出する考えを明言した。
 また、提出に先立ち、野党各党の党首会談を開催する意向も表明した。

→内閣不信任案の賛否をどうしたらいいのかお悩みの方に、思考演習のお手伝い!

→1989年に自民党が参院選に大敗して過半数を失って以後、国政の政局の基本的方向を規定するのは参院です。2005年夏、郵政民営化法案は衆院は通過したが参院では否決されて、大きく政局が動きましたね。

→そして、2007年ねじれ国会、2010年のねじれ国会。今回の内閣不信任決議案をめぐる政局対応は、参議院から逆算して対応を考えるのが合理的です。

→では、思考演習をはじめましょう。仮に、内閣不信任案に反対投票して、内閣不信任案が否決されたといたしましょう。

さて、その後はどうなるか?


永田町必読ブログですから既にお読みになっていると思いますが、6月3日、参議院予算委員会があります。そこて、山本一太先生が「参院自民党を代表して「2度目の倒閣宣言」をする!!」と既に宣言しておられます。
http://ichita.blog.so-net.ne.jp/

今回もまた、参議院自民党の猛攻に、きっと菅総理は立ちいかなくなることでしょう。そうなると問責決議です。

参議院の問責決議はきっと可決されるでしょう。その後、政権は立ちいかなくなることは明明白白。

大幅延長、二次補正で内閣不信任案対応の「取引」しても、内閣改造で閣僚ポストで取引しても、夢のもくずとなるかもしれません。(現職閣僚のみなさんも、記者会見で総理を擁護しつづけることは当然の責務ですが、既に、そのポストについては内閣改造で取引があるかもしれません。それも含んだ絶対的忠誠ということで)


内閣不信任案を否決しても、権力の延命は参院問責までのわずかな「3日天下」。

そうすると、参院の問責決議可決後は、菅内閣不信任案に反対投票した人は、「勝てば官軍」から「負ければ賊軍」になるんじゃないでしょうか。

そして、政権交代後に原発対応についての政権中枢の情報隠ぺい・情報改ざんのさらなる事実が明らかになった場合には、震災・原発対応という「第3の日本敗戦」の「B・C級戦犯」ということになるかもしれません。改造人事で閣僚になった人はわずか数日でも「A級戦犯」としての取り扱いの御覚悟を?

他方、参院の問責決議可決後は、菅内閣不信任案に賛成投票した人は、「負ければ賊軍」から「勝てば官軍」の可能性も。

つまり、1989年以後、日本の政局は参院が規定するという歴史認識のもと、参議院では問責決議が必ず可決されるであろうと仮定するならば、衆院での内閣不信任決議案の賛否は震災対応・原発対応についての検証が進んだ段階における歴史の法廷で共同正犯が問われるべき「戦犯名簿」確定の意味がある、ということです。政権内の職責において政策決定のラインにいなかった多くの議員も、この戦犯名簿にのれば、「私は知らなかった」ではすまされないことでしょう。

歴史法廷で審判を下すのは国民です。次期衆院選挙です。

「人生万事塞翁が馬」

「造反有理」