非公式な要請あるいは空気による圧力による政治という菅政権の特性 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

非公式な要請あるいは空気による圧力による政治という菅政権の特性

秘書です。

①法的整理ではなく、善意に頼ったおセンチな議論で東電の債権放棄を求める5月13日枝野会見路線
 (→5月23日の衆院復興特別委員会で撤回)

②東電が「首相官邸の意向」をおもんぱかって海水注入を中止?
 (→非公式要請があったのか?無言の空気の圧力かか?現在問題になってます)

③「指示や命令という形は現在の法律、制度では決まっていない」中部電力に対する浜岡原発停止要請
 (→これは受け入れられました)


という3つの問題。菅政権の基本的特性が似てますね。いずれも、法的な根拠なし。非公式な要請、あるいは、要請すらしない空気による圧力?。ですから、何かあった場合の結果責任は政府は負わない、ということになるのでしょうか。


債権放棄、条件にせず=東電の賠償支援で発言撤回―枝野官房長官
時事通信 5月23日(月)12時2分配信

 枝野幸男官房長官は23日の衆院復興特別委員会で、政府による東京電力福島第1原発の損害賠償支援策に関連し、銀行の東電向け債権放棄に期待を示した自らの発言について「(賠償支援法案提出の)条件というような思いは全くない」と述べた。債権放棄が支援策の前提になるとの認識を事実上撤回した。
 枝野長官は政府が支援策を決めた13日の記者会見で、銀行の債権放棄に言及。これに関し、23日の答弁では「金融機関がそうしたことを行わなかった場合に国民の理解を得られると思うかと尋ねられたので、国民の理解を得ることは難しいのではないかと申し上げたものだ」と釈明した。
 一方で、「あくまでも東電において(銀行を含む)ステークホルダー(利害関係者)に協力を求め、その状況を政府に報告してもらい、国民に公表する」と述べ、国民の理解を得られる銀行の協力が必要との認識は維持した。梶山弘志氏(自民)への答弁。 

→5月22日の与謝野大臣の枝野発言批判(「おセンチ」批判)

与謝野氏「善意に頼るのは甘い」 東電の債権放棄問題
2011年5月22日17時21分 朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0522/TKY201105220094.html

 与謝野馨経済財政相は22日のNHK番組で、東京電力の原発事故被害者への賠償問題に絡み、枝野幸男官房長官が東電に融資する金融機関に債権放棄を促したことについて、「金融機関の善意や良識に頼って、賠償スキームを作るというのは、甘いのではないか」と述べ、改めて枝野長官の姿勢を批判した。

 与謝野氏は東日本大震災を原子力損害賠償法の「異常に巨大な天災地変」に認定したうえで、東電の責任を免除し、国が被害者救済の責任を全面的に負うべきだというのが持論。

 与謝野氏は「人の善意や良識に頼ったおセンチな議論をするのではなく、債権放棄を銀行に求めるなら、法的根拠に基づいた債権放棄の求め方をしないといけない」とも語った。

→5月19日の枝野再反論に対する再批判。

東電向け債権放棄、頭にない=枝野官房長官発言に疑問-奧全銀協会長
(2011/05/19-19:44)時事通信
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201105/2011051900833
 全国銀行協会の奥正之会長(三井住友フィナンシャルグループ〈FG〉会長)は19日の記者会見で、枝野幸男官房長官が東京電力に融資している金融機関に債権放棄を求めたことに関連し、「債権放棄や金利減免は現在のところ頭にない」と強調した。
 また、原発事故に伴う賠償措置を規定した現行法について「債権者などには(賠償の)負担は生じない枠組みだと理解している」と述べ、「(金融機関に対し)債権放棄という話がなぜ出てくるのか」と官房長官発言に疑問を呈した。

→5月19日の枝野発言(5月13日枝野発言への批判に対する再反論)

「東電債権放棄」批判、枝野氏が不快感示す
< 2011年5月19日 18:07 >日テレニュース24
「東京電力」の賠償問題をめぐり、枝野官房長官が銀行への債権放棄を求める趣旨の発言をしたことに経済界から批判の声が相次いでいることに対して、枝野官房長官は19日、不快感を示した。

 東京電力の賠償問題をめぐっては、枝野官房長官がこれまでに「銀行の債権放棄がなければ、公的資金の活用は国民の理解は得られない」などと発言したことに対し、経済界から「民間企業同士の取引に対して行き過ぎた発言だ」などと批判の声が相次いでいる。

 こうした批判に対し、枝野官房長官は19日、「東京電力は東日本大震災の被災者への賠償、福島第一原子力発電所事故の収束、安定した電力供給の3つの公的な責任を負う」として、次のように反論した。

 枝野官房長官「(東京電力が)普通の民間企業と違うというのは当然ではないか。国民的理解が得られなければ、国として東京電力を支援することは民主主義社会である以上できません。国民的理解が得られなければ支援が受けられないことを前提に、(金融機関や株主など)様々なステークホルダー(利害関係者)の皆さんが民間の立場で判断されることだと思います」

 枝野官房長官はさらに「国民負担、特に税負担を極小化することを目指したもので、国として責任をもって関与する」と述べた上で、東京電力に融資している銀行などステークホルダーによる努力もなければ、国が支援する場合の国民の理解は得られないとの考えをあらためて強調した。

→5月13日の枝野発言への批判。

東証社長 官房長官発言を批判
5月17日 16時49分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110517/t10015941561000.html

東京証券取引所の斉藤惇社長は、枝野官房長官が先週、東京電力の賠償支援に関連して金融機関の債権放棄に言及したことについて、「論理がたたず、言うべきではなかった」と批判しました。

枝野官房長官は先週、原子力発電所の事故に伴う東京電力の賠償金の支払いに関連して、金融機関が債権放棄を行わなければ公的資金の投入を行わないこともありうると発言し、関係者の間で波紋が広がっています。これについて、東京証券取引所の斉藤社長は17日の記者会見で、「金融機関に債権放棄をさせても、次からは東京電力に資金を貸さなくなってしまい、その場合に国がどうするのかはっきりしていない。論理がたたず、そう思っても言わないほうがよかった。市場経済が動いている国であることは忘れてはならない」と批判しました。また、菅総理大臣が中部電力浜岡原子力発電所の運転停止を要請したことについて、斉藤社長は「ほかの原発がどうなるのか、全く方針が出ていない。現地も産業界も混乱している」と述べ、原発の運用の在り方について、国はしっかりした方針を示すべきだという考えを示しました。

→5月13日の枝野発言。

枝野氏:政府の東電支援、債権放棄など金融機関の協力前提-会見(4)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=afFpAbxcloyw

5月13日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は13日午前の閣議後会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐる賠償スキーム(枠組み)に盛り込まれた機構を通じた公的資金による支援は、震災前債権の放棄など金融機関による協力が前提になるとの認識を示した。

  枝野氏は金融機関が3月11日の東日本大震災前に東電に対して行っていた融資の債権放棄が一切なされなくても公的資金の活用に国民の理解が得られるかとの質問に対し、「現時点では『民民』の関係なので発言に注意したいと思うが、国民の理解得られるかといったら、それは到底、得られることはないだろうと思っている」と語った。

  東電のメーンバンク、三井住友フィナンシャルグルーの宮田孝一社長は決算会見で債権放棄に応じる考えはあるかと問われ、「報道は承知しているが、それに対してどう考えるかの時間もない中だったので、本日の答えとしては容赦して下さい」と述べ、コメントを控えた。

  枝野氏は午後の会見では具体的な金融機関による協力のイメージについて聞かれたが、「現時点で政府は東京電力の株を直接、持っているわけではない。マーケットに絡む話なので、あくまでも『民民』の関係で、公権力が直接的なことは言わない方がいい」と回答を避けた。

  政府が東電株を購入することについては「直接ではないが機構からの支援のやり方として出資もあり得るというスキームになっている。市場から買うという意味ではない」と述べ、機構が東電から株式を直接引き受ける形の支援もあり得るとの認識を示した。

  その場合、機構が普通株を取得する可能性もあるかと聞かれ、「可能性としては否定しない」と語った。

電力の供給

  一方、海江田万里経済産業相は同日の閣議後会見で、東電の社債と株式上場の扱いについて言及した。社債については「同じ債権の中でも優先権があるので法律に基づいた優先権が維持されるということになろうかと思う」と指摘。上場に関しては「上場企業として東電が引き続きしっかりとした電力の供給を行ってもらいたいというのが私どもの要請なので、そういうことになろうかと思う」と述べ、維持されるとの認識を示した。

  政府は今回のスキーム策定に先立ち、東電に対して「全てのステークホルダーに協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと」などの確認を文書で求め、東電側もこれを受け入れていた。

リスク

  枝野氏は閣議後の会見で、震災前の東電への融資に関して「原発事故のリスクというものも広い意味では、当然のことながら考慮に入れて融資がなされるというのがマーケットの基本だ」と指摘。その上で、「この事故によって生じた財務内容を前提にした中で金融機関についても当然、協力をいただけるものと思っている」と述べた。

  ただ、原発事故後の追加融資については「少し別に考えないといけない。そのことについては国民にもしっかりと周知しないといけない」と語った。

  その上で、金融機関による負担協力と賠償スキームとの関係については「『民民』で東電が協力を仰ぎ、各金融機関がそれに応じるのかどうかという問題だ。それを前提に政府としての対応の仕方が判断される」とも強調した。


→最後に、浜岡原発中止要請を、中電はどう受け止めたか、について。

【原発】中電社長「浜岡停止は命令と受け止め」
(05/20 17:39)テレビ朝日
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210520045.html

 参議院予算委員会に出席した中部電力の水野社長は、菅総理大臣からの浜岡原発の停止要請は「国からの命令と同義だと重く受け止めた」と証言しました。

 中部電力・水野明久社長:「内閣総理大臣からの要請は事実上、国の指示・命令と同義と重く受け止めまして、地域や社会の皆様の信頼を得ていくことが最優先と考えた

 浜岡原発をめぐっては、法的根拠がないにもかかわらず菅総理が停止の要請に踏み切ったことに対し、野党や産業界から批判の声が上がっていました。

→東電も、もしも「首相官邸の意向」が伝わればこれは「国の指示・命令と同義と重く受け止め」ることでしょう。海水注入について、誰が、何時、どんな「首相官邸の意向」を東電に伝えたのでしょう?そのことをうやむやにしてはいけないでしょう。海水注入に関する「首相官邸の意向」をうやむやにするために、原発賠償においては・・・といった取引などをもちかけるようなことは絶対にあってはならないことですし、そのような取引はないものと信じております。