情報隠蔽で「原子力マフィア」と共同謀議、共同正犯の関係にある菅政権を打倒するために(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

情報隠蔽で「原子力マフィア」と共同謀議、共同正犯の関係にある菅政権を打倒するために(中川秀直)

誰しも、メルトダウンを認めていない段階の工程表とメルトダウンを認めた後の工程表の事故収束見通しが同じというのはおかしいと思うだろう。

そんな中、村上誠一郎さん、桜内文城さん、鴨下一郎さん、竹本直一さんらが呼びかけてつくった自民党、公明党、みんなの党の議員等による「原発対策国民会議」の第二回会合が本日午後にあった。この会議では、第一回に既にメルトダウンが起きていることを指摘する講師を招いていた。

今回の講師は日本原子力技術協会の石川迪夫最高顧問だった。

石川さんは、高濃度汚染水を冷却水として循環させることの危険性を指摘し、「海のチェルノブイリを防がなければならない」との強い危機意識を持っていた。

そして、陸地で3-5キロ圏、海域はもっと広いエリアを「治外法権」とし、強力な司令官を置くことを求める一方、高汚染地区以外では希望者を帰宅させるべきとの提案だった。

そして、石川さんが指摘したのは司令塔の不在である。「原子力屋」といわれる専門家の第一世代のみなさんは、自らをA級戦犯との罪の意識を持ちつつ、何とか貢献出来ないかと思っているが、英知を結集しようという動きもないという。

なぜか。参加議員が指摘したように、「原子力マフィア」ともいうべき人々がお互いの原罪をかばい合っている。民主党政権中枢も、初動ミスを重ねる中で事故から2カ月、既に「原子力マフィア」と共同謀議、共同正犯の関係に陥ってしまった。

ゆえに、菅首相を退陣させない限り、この「原子力マフィア」の自らの責任回避のために国民と国際社会へのリスクを拡大していく流れを止められない。

有事に菅首相退陣をいうべきではない、という人は、今後の原発事故での国民と国際社会へのリスク拡大に責任を持っていただきたい。

世界史の中で、首相を代えなければ戦争が終わらないときがある。同様に、首相を代えなければ終わらない人災もある。

野党第一党の責務は、菅首相が行なっている間違った原発対策と異なるもう一つの原発対策を示すことである。いま、その責務を果たしているのか、果たす使命感があるのかが痛切に問われている。

参加議員が指摘していたように、自民党が反省すべき過去は、原発保有国との危機管理意識の違いである。それは、他国が事故が起きる前提で危機管理を考えていたのに対して、日本では事故が起きない前提で危機管理を考えていたことである。そして、石川さん曰く、学芸会のような防災訓練を繰り返していた。

その点を痛切に反省した上で、なすべきことは何か。これも参加議員が指摘していたことであるが、科学的な証拠に基づいて政策を考えることである。「原子力マフィア」の情報隠蔽に対抗するために、科学的な証拠に基づき、専門家、市民を含めた政策づくりをすることだ。

会合では、シンポジウムなどで共同アピールを出して行こうという意見になっていた。

情報隠蔽で「原子力マフィア」と共同謀議、共同正犯の関係にある菅政権を打倒するためにも、情報公開、科学的証拠、専門家・市民参加の熟議を原則として対立軸にしていくことが重要である。

菅政権の原発対応を危惧する全てのみなさんは、村上誠一郎さん、桜内文城さんらのこの会議の今後に注目し、できる限りの協力と参加をお願いしたい。

国民会議方式で流れを変えよう。

(5月18日記)中川秀直