原発事故収束見通し先送り・生活の中のリスク・政変リスク | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

原発事故収束見通し先送り・生活の中のリスク・政変リスク

秘書です。
原発事故の収束の見通しはどんどん先のばしされています。そして、実はリスクは3月の爆発の段階で東北南部と関東に飛び散った放射性物質にあるのでは・・・?


内閣不信任案賛成を働きかけ
5月15日 4時4分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110515/t10015894991000.html

民主党の小沢元代表が、政府の原発事故への対応などを理由に、菅総理大臣の自発的な退陣を求めているなか、小沢氏に近い議員は、野党側から菅内閣に対する内閣不信任決議案が提出されれば賛成に回るよう、党内で働きかけを強めています。
民主党の小沢元代表は、政府の東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応について、「今のような対応を続ければ、被害は拡大し、取り返しのつかないことになる」と批判を強め、菅総理大臣の自発的な退陣を求めています。こうしたなかで、小沢氏に近い議員は、菅総理大臣の政権運営や党執行部に批判的な議員を中心に、野党側から、原発事故の対応などを理由に内閣不信任決議案が出された場合に、賛成に回るよう求める署名活動を行うなど、党内で働きかけを強めています。また、自民党に対しても、不信任決議案を早期に提出するよう促すなど、接触を続けています。一方、働きかけを受けた議員には、不信任決議案に賛成することを決めている議員もいますが、「菅総理大臣の対応がベストだとは思っていないが、原発事故の収束の見通しがたたないなかで政局を起こすべきではない」という指摘も出ています。

→この最後の指摘の政局観に立った場合、「原発事故の収束が先送りされるほど政局は安定する」という不気味な政治になってしまいます。その間に、初期の政権の判断ミスにより真のリスクが国民生活の中に拡大しているのでは?

事故収束への作業遅れ不可避
5月15日 4時4分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110515/k10015895101000.html
核燃料が溶け落ちる、いわゆる「メルトダウン」が起きていたとみられる東京電力の福島第一原子力発電所1号機で、原子炉建屋の地下から大量の水が見つかったことを受け、東京電力は「冠水措置」の見直しを検討するなど、事故の収束に向けた作業の遅れが避けられない状況となっています。
福島第一原発の1号機では、原子炉建屋の地下に大量の水がたまっているのが見つかり、東京電力は、水の量は推定でおよそ3000トンとしたうえで、燃料が溶けて落ちる「メルトダウン」が起きて原子炉に穴が開き、さらに格納容器も損傷して漏れ出した高濃度の汚染水が流れ込んだとみています。これまで1号機では、格納容器を水で満たす「冠水措置」を行うとともに、この水を格納容器から熱交換器に引き込んで冷やし、原子炉の中に戻す循環型の冷却システムをつくる計画でした。東京電力は、原子炉建屋の地下から大量の水が見つかったことは、作業が遅れる要因の一つになるとしたうえで、格納容器からではなく地下にたまった水を引き、放射性物質を取り除いて原子炉に戻す方式に変更することも検討することにしています。さらに、1号機の原子炉建屋では1時間当たり2000ミリシーベルトという極めて高いレベルの放射線が新たに検出されていて、今月17日に予定されている工程表の見直しを前に、事故の収束に向けた作業の遅れが避けられない状況となっています。

→1号機の収束の見通しは?「少なくとも数年以上」。スリーマイル事件は10年。その間、菅政権で安泰?

1号機 燃料取り出しまで数年以上
5月15日 4時4分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110515/t10015895111000.html
核燃料が溶け落ちる、いわゆる「メルトダウン」が起きていたとみられる東京電力の福島第一原子力発電所1号機について、東京電力は、燃料の形が変わっていることから、燃料の取り出しまで数年以上かかる見通しを明らかにし、原子炉が安定して冷却された後も作業が長期化するという見方を示しました。
福島第一原発1号機では、核燃料の大半が溶け落ちる「メルトダウン」が起きて、燃料は、原子炉の底の部分で水に浸った状態にあるとみられています。こうした燃料の取り出しについて、東京電力は14日の会見の中で、燃料の形が大きく変わっていることから、「少なくとも今後数年以上かかる」と述べ、作業が長期化する見通しを示しました。メルトダウンは、32年前のアメリカのスリーマイル島原発の事故でも起きていますが、このときは、燃料は溶岩が固まったような形で原子炉の底にたまってしまい、最終的に外に取り出すまでにおよそ10年かかりました。先月発表された福島第一原発の事故の収束に向けた工程表では、原子炉が安定して冷却されるまで6か月から9か月程度を目指すとされ、その後の作業となる燃料の取り出しについてはまだ示されていません。東京電力は、メルトダウンしたあとの燃料の取り出しについて、スリーマイル島原発の事故後の対応をもとに、原子炉から取り出すための特殊な工具などの使用も含め対策を検討することにしていますが、原子炉が安定して冷却されたあとも作業は長期化することが予想されます。

→そして、2,3号機もメルトダウンの可能性。

2、3号機もメルトダウンの可能性…東電認める
(2011年5月14日22時34分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110514-OYT1T00824.htm?from=main4
 東京電力は14日の記者会見で、2、3号機の原子炉について「最悪の場合、1号機と同様のケースが想定できる」と説明し、核燃料全体の溶融(メルトダウン)の可能性を初めて認めた。
 1号機では、11日に水位計を調整した結果、炉内の水位が低く、燃料が冷却水から露出して溶けたことが確実となった。2、3号機の水位計はまだ調整していないが、1号機と同じ仕組みのうえ、もともと1号機より低い水位を示している。
 ただ、東電は炉内の温度などから、2、3号機は1号機より燃料の損傷が少ないと推定している。

→震災直後にメルトダウンしていたとすれば、初期の爆発の段階で放射性物質は大量に飛び散った、原発本体以上に、大量に飛び散った放射性物質のほうに気をつけるべきとの指摘もあります。

1号機と「メルトダウン」
武田邦彦
http://takedanet.com/2011/05/post_f026.html

「被曝場」と化した学校・幼稚園
武田邦彦
http://takedanet.com/2011/05/post_268d.html

→リスクは3月以後の対応によって、関東や東北南部の生活の現場にひろがっています。このリスクの原因は政府の判断ミスでしょう(もっとも大切なときにパニックをおそれて意図的に情報をふせていたことも含めて問題です)。一所懸命やっています、国の決定には間違いがありません、何も変える必要はありません、という政府の姿勢がリスクを拡大している可能性があります。(校庭安全基準20ミリシーベルトなど)

→政権批判リスクをおそれ、震災直後以後の対応に問題はない、という政権のもとではどんどん国民生活のリスクが拡大し、原発事故の収束はどんどん先延ばしになっていくのでは?これは金融不良債権処理のときに、いったん、問題ないと判断したら途中で判断を変えられずにどんどん不良債権が拡大していったのと同じではないでしょうか。政権担当者が過去の判断ミスを認められないとき、どうすれば政策の軌道修正ができるのか?政治はそのことを考えなければなりません。

→国家存亡の危機において、政権が変わることはなかったでしょうか。むしろ、過去の方針を修正できない硬直性に対応するため、局面打開のために政権を変えるのではないでしょうか?先の大戦で開戦した内閣と終戦を迎えた内閣は同じではありません。

→また、先の大戦末期、イタリアでもバドリオ政権ができています。