メルトダウンについて学習しましょう~1万トン以上の水はどこへ? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

メルトダウンについて学習しましょう~1万トン以上の水はどこへ?

秘書です。
メルトダウン(あるいはチャイナシンドローム)について学習しましょう。
(図表については、NHK「かぶん」ブログをごらんください)

【解説】 メルトダウンで1号機の状態は? 作業工程の行方は?
2011年05月13日 (金)NHK「かぶん」ブログ
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/600/81772.html

"メルトダウン"で、1号機は今どのような状態になっているのか?
6~9か月を目処にしている福島第一原子力発電所の作業工程は、今後どうなるのか?
13日の「おはよう日本」で放送した山崎淑行記者の解説です。

Q 1号機はこれまで一番作業が順調に進むと見られていましたが、燃料や原子炉に破損があるということですね?

A この燃料の状態は、もともと指摘はされていました。ただ今回、原子炉建屋に作業員が入ることができて計器の修理が行われ、原子炉の水位や圧力の正確な状況が少しずつ見えてきました。その結果、指摘されていたとおり、燃料は溶けていると見られるということです。

核燃料は、(原発の運転による)核分裂が終わった後も熱を出し続けます。そのため常に水に浸しておく必要がありますが、今回の計測結果を見ると本来核燃料があるところには水がない。燃料の(底の部分の)1メートルくらい下までしか水がないことが分かりました。このため、核燃料がかなりの高温になって溶け、原子炉の下の部分に溶けた状態で溜まっていると見られています。いわゆるメルトダウンです。メルトダウンしたときは高温になるので、原子炉そのものにも破損がおよび、原子炉に穴や亀裂ができて水が漏れだしたとみられています。



Q気になるのは、これまで注入した1万トン以上の水がどこへ行ったのか、ですね。



▼原子炉の外側にあるのがフラスコ状の格納容器。東京電力は今回、この格納容器にどんどん水を入れていき、燃料の高さまで入れようとしていました。

▼これまでの注水で、格納容器の半分くらいまで、すでに水がたまっているだろうと考えられていましたが、今回の計測結果をみると、殆どたまっていないことが分かってきました。

▼これはどういうことかというと、どこかで漏れているということです。では、どこから漏れているのか?これから調査しなければいけないわけですが、大きく言って3つの可能性があります。

▼一つは、燃料の熱で熱せられて蒸気となり、配管を通してタービン建屋の中に流れ、冷やされて水となって溜まっている可能性。

▼また、格納容器の底や圧力抑制室(の配管の隙間や溶接部分など)に穴が空いていて、そこから出た水が原子炉建屋へ流れたり、場合によっては地下に漏れ出していることも考えられます。

一刻も早く、どこから漏れ出しているか解明する必要があります。



Q深刻な損傷が判明したことで、東京電力は「収束までの工程表」の見直しが避けられないとしています。今後、どのように作業が進められるのでしょうか?。





▼1号機から4号機のうち、当初は1号機のダメージが最も少ないと考えられていました。このため、格納容器に水をいれる冠水措置や冷却装置の設置も準備など、1号機の作業が最も進んでいました。2号機、3号機はダメージが大きいので、どういう形で冷却するのがよいか調査が行われていました。一方、4号機は、燃料プールが余震で壊れないように補強工事の準備が進められています。

▼しかし、もっとも進んでいた1号機(2号機3号機のモデルになると期待されていた1号機)が、予想以上に損傷があることがわかったことで、損傷の再調査が必要となってきました。しかも、損傷の度合いによっては、違う復旧方法も検討しないといけないかも知れません。たとえば、格納容器を冠水させることをあきらめてタービン建屋に漏れた水をくみ出し浄化して圧力容器にもどすようなシステムなど。当然当初の見通しよりは時間がかかると思われます。

▼東京電力と国では(月一回、工程の見直しをして発表する予定ですが)、1号機から3号機の核燃料の冷却に半年から9か月という見通しは厳しくなっていると言えそうです。


Q山崎記者でした。