「「電力料金は値上げ、二次補正予算は先送り」などとんでもない」(高橋洋一氏) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「「電力料金は値上げ、二次補正予算は先送り」などとんでもない」(高橋洋一氏)

秘書です。
民主党は誰の利益を優先しているのでしょう?
ちなみに、現時点において、民主党公式HPのニュースでは、「国民の生活が第一。」という言葉が最後に使われたのは震災直前の2011年3月7日が最後です。震災以後、「国民の生活が第一。」は何処へ?本当は、民主党は何が第一なのでしょう?

そんなことを考えながら、月曜の朝恒例、高橋洋一さんの現代ビジネスに目をとおしましょう。

「東電を解体、電力業界に新規参入」で電気料金を値下げし、国際競争力アップを図れ
「電力料金は値上げ、二次補正予算は先送り」などとんでもない(抄)

2011年05月09日(月)現代ビジネス 高橋 洋一
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/4082

・今週10日にも閣議決定しようと、東電を温存する賠償スキームが急ピッチで進められている。17日に予定されている東電の決算に間に合わせるためといわれている。さすがに、政府内でもそのようなスケジュールありきの賠償スキーム作りに異論が出てきている。

・東電の賠償スキームそのものは単純だ。賠償は原子力損害賠償法に基づいて行われるが、これまで政府が明言しているように、同法3条但し書きによる免責が東電に適用されないので、東電が責任をもって行うこととなる。一方、東電の責任を超える部分は政府、つまり国民が負担することになるだろう。
ということは、「賠償額=東電負担分+国民負担分」という公式が成り立つ。ここで、東電負担分は、東電のステークホルダーである株主、債権者、経営者・従業員のいずれかが負担する。また、国民負担分は、税負担か電力料金値上げになる

東電の企業年金カットで国民負担を数千億円減らせる

・これまで報道されているものを見ると、東電負担はほとんどない。世間が求める経営者・従業員のリストラは当人たちにとっては厳しくても、その金額はそれほど大きくない。もっとも企業年金までカットできれば、東電負担を数千億程度増やすことができる。その場合、その分国民負担が減ることになるが、企業年金の話はでていない

・海江田万里経済相は、東電株主を救済する意向を示している。もし株主に本来の役割を持たせるなら、例えば100%減資すれば、2.5兆円程度も国民負担は減少する。逆に今の政府案のようにすれば、その分国民負担が増えることになる政府が株主を救済するのであれば、当然債権者も保護されるだろう。もし債権をカットすれば、その分国民負担は減る

被災者より債権者を優先するのはおかしい

・もっとも債権のカットには技術上の問題がある。電気事業法37条に基づく一般担保による優先弁済だ。金融機関関係者はこれを主張し、被災者への賠償より自らの債権を優先弁済すべきという。まず担保でカバーされている東電の債務は、負債計10.7兆円のうち5.2兆円しかない。しかも、カバーされていても、もし人道上の理由により被災者への賠償を先に実施して東電資産が目減りすれば、その範囲で担保権を行使するしかない。

被災者への賠償は人道上の問題である。その点を絶対考慮すべきであり、通常の求償権と同列に扱って、被災者より債権者を優先すべきというのはいかがなものか。今の政府案は、株主と債権者を先に保護するが被災者の救済は後回しにして人間的な配慮が欠けているといわざるをえない実際に債権カットがどこまでできるか確定的なことは言いにくいが、今報道されている補償額4兆円ということであれば、100%減資による株主負担2.5兆円の他に、1.5兆円カットすれば届く

電力関係の埋蔵金を利用することも検討して良い。しばしば指摘されているのは公益法人原子力環境整備促進・資金管理センターにある積立金2.9兆円だ。これは、原発の使用済燃料の再処理と最終処分に係るコストに備えたものだ
再処理の政策が見直されるならば、その積立金を取り崩して賠償にまわすという政策論はありえる。ただし、再処理をしなくても核廃棄物は生じるわけで、その処理コスト分は当然残しておかなければいけない、

ただでさえ高い電気料金の値上げは国際競争力をそぐ

今の政府案のように、株主、債権者を守って東電を温存すると、その分国民負担にはね返ってくる。さすがに、東電の不始末のために増税は言えないので、国民負担は電力料金の値上げである。

・この値上げは、日本の産業力を大きくそぐことになる。ちなみに、今でも日本の電力料金は高い。それが数%から2割程度さらに高くなる。

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・一方、株主・債権者に負担を負わし、電力事業を継続しながら東電を解体すると、電力料金の引き上げではなく、逆に電力事業への新規参入によって電力料金の引き下げることも可能だ。ピンチをチャンスに変える政策だ。

・電力が地域独占というのは経済学の教科書にもあるが、それは電力事業のためには巨額な設備投資が必要だから自然独占になると説明されてきた。ところが、電力事業を発電と送電に分けると、そのロジックは送電に当てはまるが、発電は最近の技術進歩によって当てはまらなくなった。

ということは、電話では電話網を開放していろいろな事業者を新規参入させ電話料金が低下したように、送電と発電を分離し、送電網を開放し発電では新規参入させたほうがいい

エネルギー関係や他の公益事業など多くの業者が新規参入を考えている。また、省エネに役立つスマートグリッドが日本で進んでいないのは、送電網が開放されていないからだ

政権延命のために復興を後回しにするな

・東電温存で電力料金引き上げか、東電解体で新規参入させ電力料金引き下げのいずれの政策をとるかで、日本の産業界は大きく変わるだろう。

・電力問題で日本経済は岐路に立っているが、今国会で審議可能な第2次補正を夏以降に先送りするというのもわからない。菅政権の延命のためであるといわれている。

国債整理基金への定率繰入停止と日銀引受増額(これは今年度予算で既に認められている日銀引受の範囲内で新たな国会議決は必要ない!)ですぐに30兆円規模の補正予算を組めるのに、被災者の復興を後回しにしている。

・菅総理の浜岡原発の判断はいいかもしれないが、その裏で、東電温存で電力料金引き上げや補正先送りで被災者無視が行われているのを見逃してはいけない


→ほんとうに、民主党政権は何の利益を代表しているのか?誰のための政治をしているのか?なぜ、二次補正を先延ばしできるのか?何が彼らをそうさせているのか?

→震災以後、政権から明確に伝わるメッセージは「電力料金をあげたい、増税をしたい」ということ。そうした勢力の先兵となることでエスタブリッシュメントに同化し、権力の1日でも長い延命を図っているのか?それが3月7日以来、民主党HPのニュースから「国民の生活が第一。」が消えた理由か。つまり、「政権の延命が第一」なのか?