「国会で通る、通らないは考えなくていい。政治が判断する」(2002年の小泉首相の言葉) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「国会で通る、通らないは考えなくていい。政治が判断する」(2002年の小泉首相の言葉)

秘書です。
復興会議メンバーの意見を国会が聴くというのはありでしょう。
公聴会で自由討議するのもいいでしょう。参考人で来ていただいてもいいでしょう。
しかし、公党の意見、野党第一党の意見を首相の私的諮問機関たる復興会議に呼んで聴く、それを一つの権威として何事かを決めるというのはいかがなものでしょうか?


自民にも復興会議出席を打診…五百旗頭議長
読売新聞 5月8日(日)18時9分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110508-00000460-yom-pol
 菅首相の私的諮問機関「東日本大震災復興構想会議」議長の五百旗頭(いおきべ)真防衛大学校長が自民党に対し、復興策に関する党の見解を聞くため、会議への出席を打診していたことが8日、分かった。自民党側は「党内で検討する」として回答を留保している。

 政府関係者によると、打診は五百旗頭氏から自民党の谷垣総裁や石破政調会長に最近、行われた。福山哲郎官房副長官も石破氏に電話し、自民党の意向を尋ねたという。

 自民党幹部は8日、回答留保の理由について、「復興構想会議は首相の私的諮問機関で、権限があいまいだ」と述べ、構想会議の位置づけが不明確である点を挙げた。

 構想会議のメンバーからは「提言をまとめても野党が反対すれば、実現しない恐れがある」との声が出ており、五百旗頭氏も当初から、野党側の意見を聞く意向を示していた。

→国会審議がどうなるかを構想会議メンバーが考えるのはいかがなものでしょうか?そういう発想をすると事務局主導になっちゃいますよ!事務局が「先生、ごもっともですがそれでは国会が通りません」と国会情勢や与党情勢で、先生の提案は無理ですといってきたときには、本当にそうなのか、事実関係の確認をしてくださいね。政治家が悪役になっているとき、けっこう、そうでもないときがよくありますから。官僚主導の古典的戦術の一つですから。直接確認すればどってことないことがありますので必ず裏とりして確認を。だから国会情勢など関係なく筋論を出されてはいかがですか?

→私的諮問機関の事務局が野党第一党の意見を聞きおいて鉛筆をなめて加筆修正されて提言がつくられてしまうのか。有識者が自民党の提案を拒否する権限はどこに発生しているのか?

→歴史ある日本の第一党の傀儡政党化の危機です。


(参考)道路公団民営化プロセス

2002年12月4日、小泉首相は道路関係四公団民営化推進委員会の今井委員長に対して、「国会で通る、通らないは考えなくていい。政治が判断する」と述べたそうです。

これに対して、12月10日に扇国交相は「与党とも調整していかなければならない。可能性のない法案をつくってもしょうがない」と発言したそうです。

(『日本経済新聞』2002年12月10日付夕刊)

→従来であれば、与党がどうだ、国会がどうだというのは、有識者の皆さんの意見を牽制するための戦術の一つでした。

そもそも、構想会議発足当時からねじれ国会でした。最初からねじれ国会は承知のうえではないですか?