屋外活動制限の可否を判断する「年20ミリシーベルト」問題についてのニュースとモニタリング調査結果 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

屋外活動制限の可否を判断する「年20ミリシーベルト」問題についてのニュースとモニタリング調査結果

秘書です。
「疎開」のストレスと安全との比較考量なのだそうですが、その比較考量の結果責任は誰がとるのでしょうか。


子どもの屋外許容線量、緩い基準に厳しい批判
2011年5月1日 中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201105010047.html

 福島第1原発事故で、放射線が検出された学校について、文部科学省が屋外活動制限の可否を判断するのに「年20ミリシーベルト」と、一般人の年間許容限度の20倍という高さの被ばく線量を目安としたことに、激しい批判が噴出、内閣官房参与の学者の抗議の辞任にも発展した。菅直人首相は基準を妥当とした国の原子力安全委員会の見解を根拠に正当性を主張したが、民主党内からも撤回を求める声が上がり、政権にとっての「大きな爆弾」(党関係者)となる可能性も出てきた。

 ▽学者生命

 「年20ミリシーベルト近い被ばくは業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは受け入れがたく、強く抗議し見直しを求める。参与の形で容認したと言われれば学者としての生命は終わりだ」―。29日、記者会見した小佐古敏荘こさこ・としそう・東大大学院教授はあふれる涙をこらえながら、こう語った。

 同教授が問題視するのは文科省が19日、福島県の小中学校などでの屋外活動を制限する放射線量として「年間の積算放射線量20ミリシーベルト」との目安を基に「屋外で毎時3・8マイクロシーベルト」と決めたことだ。

 民主党関係者によると文科省は、厳しい基準を当てはめた場合、学校の休校や疎開が必要になることを指摘。「疎開先の学校でのいじめや放射線に対する不安など、疎開や休校で子どもたちが受けるストレスが懸念される」と説明したという

 ▽わずか2時間

 基準値の裏付けとなるのが、これを妥当とした原子力安全委の見解だ。30日の衆院予算委員会で菅首相は「安全委の助言を得ながら判断した。場当たり的ではない」と反論。高木義明文科相も「子どもの心理的なことも、安全委の助言も踏まえ取りまとめた」と述べた。

 だがその直後に、安全委員会が助言を求められてから2時間後に「政府の基準案は妥当」と回答していたことが判明。政権側の「お墨付き」は、その妥当性が厳しく問われる事態になった。

 ある民主党議員は「文科省の課長補佐が決めたことで、決め方自体がおかしい。安全委も機能しなかった」と批判。原口一博前総務相も短文投稿サイト「ツイッター」で、基準見直しの必要性を主張するなど、党内の批判も強まる一方だ。

 ▽進まぬ対策

 市川龍資いちかわ・りゅうし・放射線医学総合研究所元副所長が「できる限り現場の放射線量を下げる努力をすることが求められる。学校それぞれの事情に応じて除染や場所の移転など合理的な対応を取った上で、基準を決めるべきだ」と指摘するように、専門家の中には放射性物質を取り除くことの重要性を指摘する声が強い。

 だが、政府は25日の段階でも「除染については考えていない」(文科省学校健康教育課)と危機感が薄く、30日になってようやく「(除染など)可能なことはできるだけやりたい」(枝野幸男官房長官)、「(校庭などの)土を持っていく場所など課題があるが、しっかり取り組むよう指示している」(菅首相)と前向きの姿勢を見せた。

 しかし、同じ日に記者会見した文科省の坪井裕審議官は「(土の除去を含め)線量率が下がる取り組みはやっていきたい。ただ具体的な支援についてはまだ検討していない」とコメント。混乱が大きくなるばかりで、具体的な除染の方策は見当たらない。

 原子力資料情報室の沢井正子さんは「年20ミリシーベルトに設定した根拠と理由が示されていないし、子どもにどういう影響が出るかの説明もない。そういうところで子どもを過ごさせるというのか」と憤っている。


4児童施設が制限値上回る=環境放射線モニタリング調査-福島
(2011/04/30-23:00)時事通信
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011043000371
 福島県は30日、児童福祉施設を対象とした環境放射線モニタリング調査で、4施設が国の定める園庭の利用制限値(3.8マイクロシーベルト)を上回ったと発表した。そのうち、4.0マイクロシーベルトを記録した同県伊達市の「霊山こどもの村児童館」に対しては、園庭の利用を制限するよう要請。浪江町、飯舘村の3施設は計画的避難区域内のため、既に利用しないことになっている。
 県によると、文部科学省などが示した学校や保育所の校庭利用制限に関する放射線量の基準に基づき、福島第1原発から20キロ圏外の325施設で調査を実施した。
 制限対象となった伊達市の児童館は東日本大震災で被災したため、現在、園庭の利用を中止しているという。今後も、園庭での活動を1日約1時間に抑えるよう徹底する。


福島県環境放射線モニタリング調査(児童福祉施設等)結果(速報値)について
平成23年4月30日
原子力災害現地対策本部(放射線班)
福島県災害対策本部(原子力班)
http://www.pref.fukushima.jp/j/monitaring.jidoufukushi0430.pdf

■ 屋外活動制限7校、基準下回る
(30日21:12)MBS毎日放送
http://www.mbs.jp/news/jnn_4713567_zen.shtml
 文部科学省は、福島県内の学校の空間放射線量率を再測定した結果、7つの学校で1時間あたり3.8マイクロシーベルトの基準値を2回連続で下回ったと発表しました。

 この基準値は年間20ミリシーベルトを超えないよう設定されたもので、これにより伊達市の2つの小学校を除く福島県内全ての学校で、校庭など屋外での活動制限を解除する条件が整ったこととなります

福島県内の学校等調査の結果一覧(調査実施日: 平成23年4月29日)
文部科学省    
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/30/1305187_0430_1.pdf

→中学・高校は1メートル、小学校は50センチ基準で、1時間当たり「3」マイクロシーベルトを超えた学校は、中学校で1つ、小学校で3つあります。

福島県内の学校再調査の結果一覧(調査実施日: 平成23年4月28日)
文部科学省  
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/30/1305187_0429.pdf

→1時間当たり「3.8」マイクロシーベルトを超えた学校は、2校。

→中学・高校は1メートル、小学校は50センチ基準で、1時間当たり「1.9」マイクロシーベルトを超えた学校は、55校中、51校。

→51校が疎開するとなると大変だ、という発想がどこかになかったのか?そのことと将来のがんの発生リスクとの比較考量なのか?

→子供と親に判断する権利はないのか?



【原発】内閣参与辞任 枝野長官「誤解ある」
(04/30 16:59)テレビ朝日
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210430023.html

菅総理大臣のもとで原発事故の対応にあたっていた、小佐古内閣官房参与の辞任が波紋を広げています。小佐古氏は、「年間20ミリシーベルト近い被ばくは、原発従事者でも極めて少ない」「小学校などの校庭利用基準をその年間20ミリシーベルトとしたことに強く抗議する」と政府の対応を批判しました。

 菅総理大臣:「(小佐古前参与は)見解の相違等から辞任をされた」「大変残念ではあるが、決して場当たり的対応とは考えていない」
 菅総理は、「政府の決定は原子力安全委員会の助言に基づいたものだ」として反論しました。また、枝野官房長官も会見で、「そもそも基準の20ミリシーベルトとは、屋外に8時間いることを365日間継続した場合の限度として算出したもので、20ミリシーベルトまで被ばくしても構わないなどと言っているわけではなく、小佐古氏には誤解がある」と述べました。また、モニタリングでも実際には大幅に下回る見通しだとし、この基準に問題はないという考えを示しました。

→上記のモニタリング調査の報道ぶりをみると、20ミリシーベルト以下なら被ばくしても構わない、的なものを感じてしまいます。そして、上記のモニタリングの結果はモニタリングで大幅に下回るといえるのでしょうか?「大幅に下回る見通し」とは何を意味しているのか?

校庭利用基準を見直し=首相、原発対応「場当たり」批判に反論
2011/04/30-12:42時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2011043000109
菅直人首相は30日午前の衆院予算委員会で、福島第1原発事故に伴い、周辺の学校の校庭利用の放射線量上限を年間20ミリシーベルトとする政府の安全基準について、「子どもの健康が最優先だ。これで大丈夫というより、ここをスタートにして、線量を下げる努力をしなければならない」と述べ、基準を厳しくする方向で見直す考えを表明した。・・・

→菅首相のいう下げる努力の基準がないと、現状では20ミリシーベルトが制限解除基準として残るだけです。

【原発】計画的避難区域の住民に東電副社長が謝罪
(05/01 00:03)テレビ朝日
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210430034.html
東京電力は「計画的避難区域」に指定された福島県飯舘村で説明会を開き、鼓紀男副社長が謝罪しました。

 説明会には約1300人が出席し、東京電力側が福島第一原発の収束に向けた計画や補償の内容について説明しました。また、鼓副社長が「このような事態になったことを深くお詫びします」と謝罪しました。
 住民:「村が再生して戻る時まで、一生懸命に補償してくれることを望む。それが本当の謝罪です」
 政府は、1年間の積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れがある地域を計画的避難区域に指定していて、飯舘村では連休明けから乳幼児や妊婦などの避難を始めることにしています

→避難区域指定と同じ基準ということなのか?

辞任参与の批判に戸惑いの声
4月30日 21時43分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110430/t10015649891000.html
文部科学省などが、福島県の小学校などの校庭での活動を制限する目安を、1年間の放射線量の累積で20ミリシーベルトとしたことを、内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘氏が批判していることについて、福島県の学校関係者からは戸惑いの声が上がっています。

このうち、文部科学省の今週の調査でも目安の放射線量を上回った福島県伊達市の小国小学校では、校庭の利用の再開を目指して、30日から表面の土を取り除く作業を始めました。この小学校では、安全が確認できるまで校庭の利用を控え、今月15日の運動会も体育館で行うことにしています。小国小学校の柳沼雅俊校長は「専門的な知識がないので国の目安に基づいて対策を行っているが、その元になった専門家が目安を容認できないということだったので、非常に驚き衝撃的だった。大切な子どもの命を預かる現場としては、しっかりした基準に基づいて安全・安心に取り組みたいが、今は毎日手探りで不安と向き合わざるをえない」と話しています。また、同じく校庭の表面の土を取り除いた郡山市の薫小学校の森山道明校長は「誰にとっても全く初めてのことだと思うので、とにかく早めに対策を取っていくしかない。どうしたらいいのか分からない状況だが、放射線の状況に小まめに気をつけながら子どもたちの安全をどう守るか考えて行きたい」と話していました。


「内部被ばく長期調査を」 福島支援の朝長氏ら講演
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/239801
2011年5月1日 00:50 西日本新聞

放射線について講演する日赤長崎原爆病院の朝長万左男院長(左)と長崎大病院国際ヒバクシャ医療センターの熊谷敦史助教 震災による福島第1原発の事故を受け、市民に放射線に関する知識を深めてもらう勉強会「放射線を正しく知ろう-福島県民との連帯を」が30日、長崎市の長崎原爆資料館ホールで開かれた。

 市民団体「核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会」と長崎平和推進協会の主催。被ばく者医療の知識を生かして福島県で支援活動に携わった日赤長崎原爆病院の朝長万左男院長と、長崎大病院国際ヒバクシャ医療センターの熊谷敦史助教が講演した。

 熊谷助教は、福島県が発表した外部被ばくのスクリーニング検査では健康への悪影響がある人がゼロだったことを紹介。「住民の危険は内部被ばくで、長期的な調査が必要だ」と話した。

 朝長院長は、日常的に食事や医療機関などで放射線を摂取したり浴びたりしていることを説明。その上で、政府が定める子どもの被ばく線量基準の年20ミリシーベルトについては外国から「より厳しい基準を設けるべきだ」との批判が多いことを紹介した。

 被爆者を含む約300人が参加。「同じ放射線量を1日で浴びた場合と1年かけて浴びた場合の違いは」「内部被ばくの数値は測れるのか」などの質問が相次いだ。2人は「一度に浴びると傷ついたDNAが回復しないが、時間をかけた場合は少しずつ回復できるため影響が低くなる」などと答えた。

→20ミリシーベルトという場合、外部被ばくだけなのではないか。内部被ばくについてはどうなのか。