「復旧・復興・改革」の三位一体:「改革」がないということは国民負担による解決ということ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「復旧・復興・改革」の三位一体:「改革」がないということは国民負担による解決ということ

秘書です。

「復旧、復興、そして改革を一体化して、同時にシームレスに行う必要がある」(竹中平蔵(2011)『日本経済こうすれば復興する!』アスコム、p.18)

東京電力の問題も、「改革」の要素が入るのかどうか、それが国民負担に直結しそうです。注目です。


福島第1原発事故 海江田経産相、東電の損害賠償金について「上限設けるべきでない」
(04/27 22:28)FNN
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00198298.html
海江田経済産業相は、衆議院の経済産業委員会で、福島第1原発の事故にともなう東京電力の損害賠償金について、上限を設けるべきではないとの考えを明らかにした。
海江田経済産業相は「今の時点では、上限を設けるということは考えておりません」と述べ、その理由として、「国が前面に出て負担すると、国民負担になり、電気料金に第一義的にはね返ってくる」と説明した。
これに先立ち枝野官房長官も、27日朝の会見で、東京電力の賠償金額に上限を設けることについて、「考えられないし、許されない」と強く否定した。
政府は、東京電力の損害賠償支払いを支援するために、公的資金を投入する新しい機構をつくることを検討しており、早ければ来週中にも骨格を決めたいとしている

→改革の要素は?

東電賠償負担案に「当惑」 立法措置必要と九電社長
2011.4.27 19:25 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110427/dst11042719270026-n1.htm
 九州電力の真部利応社長は27日、福岡市で記者会見し、東京電力福島第1原発事故に伴う賠償問題で、電力各社に負担を求める案が検討されていることについて「負担額が見えない中で受け止めようがない。当惑している」と警戒感を示した
 一方で真部社長は「将来の保険という形で一定額をあらかじめ払っておくことは一つの案」と指摘。原子力損害賠償法は十分に機能していないとした上で「支払い義務などが法律で規定されれば、国民のコンセンサスが得られたことになる」と述べ、電力各社の負担には新たな立法措置が必要との認識を示した。
 定期検査中の佐賀・玄海原発2、3号機の営業運転の再開時期については「5月はかなり厳しい。安全と供給責任の両立を理解いただきたい」と説明。再開は早くても6月以降にずれ込む可能性を示唆した。

→新しい機構=「奉加帳方式」?東電の問題を東電以外の地域の電力料金負担で解決する?奉加帳方式?どこかで聞いたことのあるような。不良債権問題?

東京電力の一時国有化
4月15日 ポリシーウォッチ 竹中平蔵慶応義塾大学教授
http://policywatch.jp/topics/136

・金融の例を参考にし、足利銀行の様な対応をとることが重要である。

・デューデリを行って極めて厳しい状況であるということが明らかになったなら、それを一時国有化し、原子力を中心とした部分は国が管理し、それ以外、市場の採算に乗るものについては民間の別の企業に払い下げるということが重要なのではないか。

・そしてその際にイギリスの例などでもあるような、思い切った相当大幅な人員削減が可能であると思う。

・電力は供給されるが、その会社は東京電力ではなくて民間の別の企業、新しい主体であり、東電の生き残りとは根本的に違う政策になる

・関西電力が引き受けても構わないし、別の商社の様なところが引き受けても構わない。

・私たちに電力は供給されるが、それは生まれ変わった会社である。このように、一時国有化による足利銀行方式のような政策でけじめをつけることが大変重要である

→誰が負担をするのか?改革がないと奉加帳方式を含めた国民負担ということですね。

東電改革の要は電力自由化「発送電分離」し送電網開放 新規参入増やす競争政策を
2011.04.27 ZAKZAK 高橋洋一 連載:2011「日本」の解き方
東京電力の改革案がいろいろと出ている。官邸が20以上の会議で指揮命令系統がスパゲティ状態で機能不全に陥っているので、既成事実化を狙って官僚などからリークが相次いでいるのだ。

 それをどう見るかは、夕刊フジ18日付掲載の本コラムで書いたように、表面的なスキームの違いではなく、東電の補償額について誰がどのように負担するかを着目すべきである。

 関係会社を含めた東電資産が売却され、それが補償に回される場合、一方で東電の負債サイドで東電株主、東電社債権者などは損失になるはずだ。逆にいえば、株主などに損失が出ない場合は、その分が国民負担となって出てくる

 その改革案を見るときのポイントの一つとして、電力自由化、特に「発電と送電の分離」や「送電網の開放」が含まれているかどうかも重要だ。それらがないと、東電の独占利益は確保され、将来の電力料金で補償するという場合、それらは国民負担になるからだ。

 経済学の教科書では、電力は自然独占の例になっている。というのは、電力事業は巨額の投資が必要で、しかも規模が大きいほど平均費用が低くなる(規模の経済性)ので、市場メカニズムでは最初に電力事業を始めた企業しか生き残れず自然独占になるからである。

 この教科書の説明は、最近の技術革新を考えると修正したほうがいい。電力事業を発電部門と送電部門に分けて考えると、発電部門での規模の経済性は技術進歩によってなくなりつつある

 やや突飛な話に聞こえるかもしれないが、各家庭で太陽光パネルを設置して、家庭によっては自家消費以上に発電して近隣家庭に余剰電力を供給するという考えもある。

 しかし、送電部門ではまだ規模の経済性が残っている。自家発電を増強して発電を事業化するのは容易になっても、送電は既存の電力会社の送電線を借用せねばならなくなる。

 となると、既存の電力会社について、発電と送電に分離し、同時に送電網を開放して、発電分野で新規参入を促し競争するのが国民にとって望ましい。これは電話について、電話回線網を開放して、いろいろな電話会社を参入させたことと同じ理屈だ、

 これまで、電力の自由化は発電業者の新規参入という形で段階的に行われてきたが、送電網の開放が十分に行われなかった。その結果、発電の新規参入業者も価格決定力がなく、大規模な工場など極めて限定的な地域にとどまっている。

 こうした電力の自由化について既存電力会社は電力の品質などを理由として反対してきた。無計画な「計画停電」をやったので、もはや新規参入者の「品質」は批判できる資格はない

(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


大増税路線に騙されるな!東電を潰さない政府案では国民負担10兆円、解体すれば0.9兆円で済む
遅れる復興の裏で補償問題だけが進む不思議

2011年04月25日(月) 高橋 洋一(ニュースの深層)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2761