経済運営をまず間違いなくやっていって、そして徐々に徐々に財政の弾力性を回復する(宮沢喜一蔵相) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

経済運営をまず間違いなくやっていって、そして徐々に徐々に財政の弾力性を回復する(宮沢喜一蔵相)

秘書です。
引き続き、80年代後半の国会における国債整理基金の定率繰り入れ廃止についての議論より。
宮沢大臣の発言が多いです。昭和63年11月07日の衆議院税制問題等に関する調査会の、

宮沢大蔵大臣の「片一方で歳出を厳に切っていきながら歳入を、それはつまり一言で申せば経済運営ということにもなるわけでございますけれども、ある程度の、毎年のわずかながらの弾性値はございますわけですから、経済運営をまず間違いなくやっていって、そして徐々に徐々に財政の弾力性を回復する」という発言、

竹下首相の「経済運営よろしきを得ながら、弾性値が上がってくるような形の中で念入りに時間をかけながら百五十八兆プラス、今おっしゃったもろもろのものを含めまして返していかなければならぬ課題」という発言、

震災後の今こそ注目すべきでは?震災復興のときの「弾性値」は?

そしてもう一つ。昭和63年12月15日の参議院税制問題等に関する調査会の篠沢さんの発言からは、民営化が国債償還の財源として重要だということ。残念ですが今の政権ではこれはできません。


参 - 税制問題等に関する調査会-昭和63年12月15日

○政府委員(篠沢恭助君) お答えいたします。
 株式売却の具体的な計画はどうかというお尋ねでございます。
 NTTにつきましては、一般会計から現在国債整理基金特別会計に対しまして定率繰り入れを停止せざるを得ないというような厳しい財政事情のもとにありましては、先生御承知のとおりこのNTTの売却代金というのは公債償還のためのかけがえのない財源というふうに現在なっておるわけでございます。
 そこで、これまで御承知のとおり六十一、六十二の両年度は百九十五万株ずつ、それから当年度六十三年度におきましては百五十万株の売却を行ってまいったわけでございます。この収入につきましては、今申しましたように国債の償還財源それから御承知のとおり社会資本整備のいわゆるNTTの活用ということで行っておるわけでございます。
 これから具体的にどうするかということでございますが、私どもとしましてはこのNTT株式の売却につきましては、予算に計上の上逐次計画的に進めていくことになろうかと思いますが、例えば六十四年度来年度の予算編成で具体的にそれでは何株どうするかということを現在ちょっとまだ即答できる状態ではございません。この辺につきましては逐次予算編成の中で計画的に進めてまいりたいということでございます。
 したがいまして、全くまだわかっておりませんのは日本たばこということになりますが、日本たばこの株式につきましても、これは国債整理基金特別会計に売り払い可能分が帰属しております。一部産役特別会計に帰属している分がございますが、売り払い可能分が大体国債整理基金特別会計に帰属をしておるわけでございまして、一つの心強い支えになるわけでございますけれども、ただ、日本たばこの売却につきましては、御承知のとおりの会社の経営のこれからの実態、たばこ事
業のこれからの推移といったことを見ながら慎重に検討をさせていただきたいというふうに考えます。全体といたしまして会社の経営実態とか金融証券市場のそのときの動向といったものもこれは勘案要素になりますものですから、あらかじめ何年に幾らずつという放出計画を簡単に策定し得ないという点については御理解を賜れればありがたいと思います。
 それからJRの株式でございますが、これは国債償還と申しますよりは一義的には御承知のとおり国鉄清算事業団の抱えております国鉄長期債務の処理との関係で考えていかなければならないと思います。できる限り早期かつ適切な処分に努める必要があろうかと存じますが、当面、今後のJR各社の経営動向等を十分見きわめる必要がございまして、現段階においてまだ確たることは申し上げかねておるわけでございます。例えば留保しておる資本の額等につきましても、まだその基準を満たし得ない。一年経営して黒字が出てきたという段階でございますので、若干時間を要するものというふうに考えておるわけでございます。
 それから、特殊法人で民営化した場合の株の売却ということにつきましては、先ほど総務庁長官がお答えになっておられるわけでございますけれども、近年の例だけを申し上げますと、やっぱり日本航空の民営化に伴いますいわゆる株の全額放出がございました。それから東北開発株式会社の民営化に伴う株式の放出がございました。NTTの民営化に伴う株式放出については御承知のとおりでございます。それから、一番新しい例といたしましては沖縄電力株式会社、これがいよいよ民営化ということで株式の全体の放出が間もなく行われると。一部一般競争入札だけは終わっておりますが、いわゆる完全な放出は来春行われるということであると考えております。

衆 - 税制問題等に関する調査会- 昭和63年11月07日

○玉置委員 それでは、消費税関連の質問に入りたいと思います。・・・
中期的な仮定計算でございますが、これでいきましても、法律で決められました国債整理基金への定率繰り入れ、これを今現在は停止をしておりまして、これで辛うじて助かってきているということでございますから、少なくとも将来にわたって返済に必要な資金の基金でございます国債整理基金特別会計、この残高が、今は幸いNTT株で穴埋めをしておりますけれども、これも底をつくということになりますと、まさに今の財政運営のような手法では将来にわたって安定していけるというふうに私は考えないわけでございまして、そういう意味でこれからの財政再建の計画をより具体的に総理の方からお示しをいただきたい、かように思います。

○宮澤国務大臣 ただいま御指摘になられました諸点は、実は私自身が同じような心配をしております一人でございますけれども、しかし、何と申しましてもまず利払い、国債費が一般会計の二割を占めているという現状を改めていきますためには、もう新しく特例債は出さないということから始める、これ以外には方法がないように存じますもので、まずそれを六十五年度にはやらしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。それでもまだ、何度もお話がございますように、いろいろ今までにあっちこっちへお願いをした負担、あるいは国鉄の清算事業団とかいろいろございまして、問題はたくさんございますのですが、まず赤字借金をするのをやめることから始めさせていただきたいと思っております。
 それで、NTTもそれは確かに有限な財源でございますが、これは理屈だけで申しますと、国債償還した残りを社会資本整備勘定で使っておりますが、これは時間はかかりますが返ってくる金として仕組んであることは御承知のとおりでございます。ですから、これだけ国債費がございますとなかなか一般会計が楽にならないということはもう当分覚悟をしなければなりませんが、そうかといって消費税のようなものをこれ以上税率を上げるということは、何度も申し上げますとおり全く考えておりませんので、結局、片一方で歳出を厳に切っていきながら歳入を、それはつまり一言で申せば経済運営ということにもなるわけでございますけれども、ある程度の、毎年のわずかながらの弾性値はございますわけですから、経済運営をまず間違いなくやっていって、そして徐々に徐々に財政の弾力性を回復する、そういう長い努力を必要とする闘いであるというふうに考えております

○竹下内閣総理大臣 大蔵大臣からお答えのあったとおりでございます。
 考えてみますと、玉置さんと五十四年から議論しておりますことを反復したような感じもいたします。その間、お許しをいただいて国債整理基金に入れることをストップさせてもらった、それから借りかえを許容してもらった、そういう苦心をしながら今日に至ったわけでございますが、NTT株、これも今宮澤大臣からお話がありましたとおり、国債整理基金に入れた残りは運用しておるわけでございますので、いずれは国債整理基金へ入ってくる原資にはなるというふうに思います。
 それからもう一つは、法律がたしか三分の二でございましたかが当面半分ということになっておりますが、そういう問題も将来の課題としては考えられるだろうというようなことを苦心しながら、それこそ好景気に支えられてという言葉でございましたが、この六十五年度脱却、非常に苦しいが不可能ではないという感じのところまでは持ってきた、まずはこの第一段階だけやり遂げて、そして基本的には経済運営よろしきを得て、これは国際的な経済社会でございますから単独でなかなかそういうことを断言するわけにもいきませんが、経済運営よろしきを得ながら、弾性値が上がってくるような形の中で念入りに時間をかけながら百五十八兆プラス、今おっしゃったもろもろのものを含めまして返していかなければならぬ課題だというふうに長いこと肝に銘じておる問題でございます。

参 - 本会議 - 昭和63年05月18日

○国務大臣(竹下登君) ・・・定率繰り入れをどうするか、こういうことでございました。
 定率繰り入れというものは五十七年度以降停止されておりますが、六十三年度も同じような考え方で停止しております。六十四年度以降の取り扱いにつきましては、そのときどきの歳入歳出等の動向、そして国債整理基金の資金繰り状況、これを見ながら毎年度予算編成の中で決めるべきものであるというふうに考えております。

参 - 大蔵委員会 - 昭和63年05月11日


○参考人(館龍一郎君) ただいま御紹介いただきました館でございます。・・・
さらに、整理基金には幸いにして国債整理基金特別会計に帰属しておりますNTT株の売却収入が六十三年度も三兆八千五百億円強見込まれるので、その残高は五兆円を超えまして、償還に支障を来すおそれがないというように考えるわけであります。そこで定率繰り入れを六十三年度も停止するということを提案されておるわけであります。
 また、一般会計から厚生保険の健康勘定への繰り入れについても、これも六十三年度も一般会計、特別会計の現状を勘案して六百五十億円を減額して繰り入れるということとされているわけで
ありまして、これらの措置は、財政の現状を考えた場合、やむを得ない措置であるというように考える次第でございます。

○参考人(藏原千秋君) ただいま委員長から御指名をいただきました全国銀行協会連合会の藏原でございます。・・・
第二には、定率繰り入れの停止であります。昭和六十三年度におきましても国債整理基金特別会計への定率繰り入れは引き続き停止されるということでございます。同会計の保有するNTT株の売却収入によりまして、今回繰り入れを停止いたしましても現行の償還ルールに基づいた償還計画には支障が生じないということでございますので、特例公債発行の縮減を第一とする見地からは、やむを得ない措置であろうかと考えております。
 ただ、NTT株式の売却収入は、恒常的な財源ではございませんので、財政の健全性並びに財政負担の世代間平準化という観点から申しましても、やはり将来の国債償還のための財源をあらかじめ積み立てて確保するという減債基金制度の趣旨が尊重されていくことが望ましいと思う次第でございます。こうしたことから、定率繰り入れの停止につきましては、現財政事情下のあくまでも暫定措置とすべきであるというふうに受けとめております。


参 - 大蔵委員会 - 昭和63年04月28日

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。・・・

 しかしながら、昭和六十三年度におきましては、なお財源が不足するため、特例公債の発行を行うこととするほか、国債費定率繰り入れの停止などの措置をとらざるを得ない状況にあります。
 本法律案は、以上申し述べましたうち、特例公債の発行等、昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置を定めるものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、特例公債の発行であります。
 昭和六十三年度の一般会計の歳出の財源に充て
るため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行できることとしております。
 第二は、国債費定率繰り入れ等の停止であります。
 昭和六十三年度における国債の元金の償還に充てるべき資金の一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、国債総額の百分の一・六に相当する金額の繰り入れ及び割引国債に係る発行価格差減額の年割り額に相当する金額の繰り入れは、行わないこととしております。
 第三は、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。
 昭和六十三年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に規定する国庫補助に係る額から六百五十億円を控除して繰り入れるものとするなどの措置を講ずることとしております。

参 - 本会議 - 昭和63年04月27日

○国務大臣(宮澤喜一君)・・・
やはり今後とも節減合理化を図っていかなければならないと思っておりますが、その中で定率繰り入れをその一つに数えるかどうかということにつきましては、これは法律でもって停止をさせていただいておりますが、国債の償還には国債整理基金は資金繰り上も支障がなく動いておりますので、繰り入れを停止しました分何年間かを今後国債整理基金に返さなければならないという関係にはない、このことは和田議員もよく御承知のことと存じます。


衆 - 大蔵委員会 -昭和63年04月20日

○斎藤(次)政府委員 定率繰り入れの停止は、毎年財確法でお願いをしておるわけでございます。その総計は約十三兆円弱になっておりますけれども、この額は他の借入金とやや性格を異にしております。いわば国債の六十年償還ということで毎年六十分の一ずつお返しする、実際には十年債の場合に六分の一を現金償還するという国債の償還ルールはきちんと守っておりまして、国債整理基金においてそういう償還をきちんとやっておって、国債管理政策については支障がないということで実は定率繰り入れを停止しておるものですから、今後将来にわたって国債をお約束したことできちんと返していくということは当然やらなければならないわけですが、今まで停止した額をそのまま将来また戻していくという必要はないというぐあいに私ども考えております。

衆 - 大蔵委員会 - 昭和63年04月19日

○斎藤(次)政府委員 今までの定率繰り入れについては既に御承知であろうかと思いますけれども、六十四年度、六十五年度仮に定率繰り入れを停止いたしますということになりますと、六十四年度の定率繰り入れの見込みは二兆六千四百億、これはもちろん今後の公債発行にもよりますけれども、先般国会に提出いたしました「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」によりますと、六十四年度で二兆六千四百億、六十五年度が二兆七千三百億ということになります。


参 - 大蔵委員会 - 昭和63年03月28日

○政府委員(斎藤次郎君) いわゆる定率繰り入れの停止というものにつきましては、実は毎年度財確法というものの審議で毎年度御承認をいただいて、定率繰り入れを停止しているわけでございます。
 停止いたしますのは、定率繰り入れを行わなくても現行の六十年償還ルールによる償還にまず支障を生じないという、そういう整理基金の状況、それから定率繰り入れを行おうとしますと、その分の見合いの財源として特例公債に依存せざるを得ない、特例公債を別途発行せざるを得ないという財政状況、その両方を踏まえまして五十七年度以降、実は停止されて今日に至ったわけでございます。
 したがいまして六十四年度以降につきましては、以上申し上げた二点を踏まえまして、毎年度予算編成の過程で決定をし、もし定率繰り入れをストップせざるを得ないという状況が続きますれば、また法律で毎年度国会の御審議をお願いするということで、毎年度そのときどきの状況を考えて決定していくというのが私どもの考え方でございます。


衆 - 大蔵委員会 -昭和63年03月25日

○宮澤国務大臣 第一は、特例公債の発行であります。
 昭和六十三年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行できることとしております。
 第二は、国債費定率繰り入れ等の停止であります。
 昭和六十三年度における国債の元金の償還に充てるべき資金の一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、国債総額の百分の一・六に相当する金額の繰り入れ及び割引国債に係る発行価格差減額の年割り額に相当する金額の繰り入れは、行わないこととしております。
 第三は、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。
 昭和六十三年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に規定する国庫補助に係る額から六百五十億円を控除して繰り入れるものとするなどの措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

参 - 大蔵委員会 - 昭和62年08月25日

○国務大臣(宮澤喜一君) 赤桐委員の御指摘は、このNTTの株式というものはいわば本来予定し
ていなかったところの、何と申しますか、降ってわいたようなそういう財源であって、それを国債償還に使うのならば、従来やっていることはちゃんとやって、その上でその上乗せ分にこれを使うのが本当だと、こういうことを言っていらっしゃるわけでありまして、私はそのお考えそのものを決して間違っておるというふうに考えておりません。
 ただ、事実は、従来やっておりました、仮に特例公債の今度の借りかえの制度にしましても、あるいは定率繰り入れ停止にいたしましても、もちろん好んでこれをいたしたわけではありませんで、申すまでもないことでありますが、財政状況からどうもこうせざるを得なかった、現実の問題といたしまして片方で新規国債を発行しておるわけでございますから。そうであるとすれば、これらのことはいわば従来どおりやろうとすればそれだけ国債発行をふやさなければならないという、そういう財政の現実の事情から考えまして、やむを得ないことであるが特例公債についても借りかえをする、あるいは定率繰り入九も停止をする。それが大変にいいことである、あるいは好きこのんでやったと申しますよりは、そのような財政の現状に五十九年の段階でなってまいったということが現実であろうと思います。
 したがいまして、NTTの株式につきましても、本来上乗せの償還分に用いるべきではないかという御指摘は御指摘として、そのような財政の状況の中から本来的に償還すべきものの償還財源に充てざるを得なかった。このような現実の財政のいわば窮状からのやむを得ない措置として御理解をお願いいたしたいと思うのであります。

参 - 本会議 - 昭和62年07月29日

それから、定率繰り入れについてお尋ねがございました。ただいま国債整理基金は、NTTの売却代金もございまして、一応国債のルールどおりの償還をいたすことに整理基金としては支障のない状況でございます。したがいまして、定率繰り入れを停止しておりますが、六十三年度以降どうするかということにつきましては、年度年度の予算編成の段階で判断をしてまいりたいと思います。
 ただ、そのような状況でございますので、現行の償還ルールを上回りますところのいわゆる上乗せ償還を行うかどうかということは、片方で特例公債を発行していることでもございますので、実際問題としてそれは困難な事情にあるということを御理解をいただきたいと思います。

衆 - 大蔵委員会 - 昭和62年07月29日

○宮澤国務大臣 いわゆる六十年規則によりまして国債の一部を、俗語で申します現金償還するということでございますが、従来国債整理基金特別
会計が、昔で申しますと定率繰り入れをやっておったわけでございますが、それを停止いたしまして、いわゆる予算繰り入れでやってまいりました。整理基金に多少のオペレーションの余裕もありましてやってまいりましたが、それは予算繰り入れでつないでまいりましたわけで、ここでNTTの株式を国債整理基金特別会計に帰属させることができまして、しかもそれがそこそこの値段で売れたということで、国債整理基金特別会計はいわば幾らか運営が楽になった。したがいまして、今回は予算繰り入れをいたさずに済んでおるということでございます。
 そういう状況でございますから、これを取ってしまいますと、もう一遍国債整理基金特別会計に少なくとも予算繰り入れをしなければ国債の償還ができない、オペレーションができないということになりますので、それだけのものはどうしても国債整理基金特別会計が持っていなければならない、ただいまNTTの売上代金がその機能をしている、こういうのがいきさつでございます。


参 - 大蔵委員会 -昭和62年05月26日

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました昭和六十二年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
  ・・・しかしながら、昭和六十二年度におきましては、なお財源が不足するため、特例公債の発行を行うこととするほか、国債費定率繰り入れ等の停止などの措置をとらざるを得ない状況にあります。
 本法律案は、以上申し述べましたうち、特例公債の発行等、昭和六十二年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置を定めるものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、特例公債の発行であります。
 昭和六十二年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行できることとしております。
 第二は、国債費定率繰り入れ等の停止であります。
 昭和六十二年度における国債の元金の償還に充てるべき資金の一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、国債総額の百分の一・六に相当する金額の繰り入れ及び割引国債に係る発行価格差減額の年割額に相当する金額の繰り入れは、行わないこととしております。
 第三は、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。
 昭和六十二年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に規定する国庫補助に係る額から千三百五十億円を控除して繰り入れるものとするなどの措置を講ずることとしております。・・・


衆 - 大蔵委員会 - 昭和61年11月05日

○角谷政府委員 確かに委員御指摘のように、今回昭和六十一年度当初予算におきまして償還財源繰り入れを予定しておりました四千百億の予算繰り入れ、これを停止させていただきました。これにつきましては、先ほどから補正予算に関してるる御説明申し上げておりますように、大幅な税収不足がある、あるいは給与改善費初め多額の財政需要がある、その中でぎりぎり特例公債の増発を回避するといった措置の一環として行ったものでございますが、これにつきましては、委員御指摘のように国債整理基金に帰属しておりますNTT株の売却収入が、その入札状況を見ますとかなり当初予算を上回っているということが確実であるということから、これを繰り入れなくても当面国債整理基金の運営には支障がないといった状況を見きわめた上で、そういった中で、本年度の補正予算をめぐる極めて厳しい財源事情の中で特例公債の増発を回避するための臨時異例の措置として予算繰り入れを行わない、こういったことにしたものでございます。
 したがいまして、当面そういった意味では、NTT株の売却収入といったものによりまして、現在の国債整理基金の運営に支障がないということを見きわめた上での措置であるということについて御理解いただきたいと思います。
 他方、定率繰入れにつきましては、御指摘のように昭和五十七年以降停止いたしておりまして、今回の六十一年度当初予算におきましてもそれを継続しているわけでございますが、これもまた御承知のような厳しい財政事情の中で特例公債の増発を可能な限り抑制するというために、やむを得ず定率繰り入れを停止しているわけでございますが、これにつきましても国債整理基金の残高を見きわめながら、六十年償還ルールに従いました減債制度の維持といったものには支障がないといったことを踏まえつつ行ったということでございます。
 そういったことで、定率繰り入れあるいは今回の剰余金繰り入れあるいは予算繰り入れといったことについては、それぞれ現在の段階においてはこれを停止せざるを得ないという財政事情の中でございますけれども、幸いにいたしましてNTT株の売却収入といったこともございまして、このNTT株の売却収入は、いわば現在六十一年度以降公債の償還ルールに従った償還を進めていく上でのかけがえのない財源であるといった中でございますので、六十一年償還ルールに従いまして今後ともできるだけ維持するような方向で考えていきたいというふうに思います。
 そういった中で、国債償還財源をめぐる事情は極めて厳しい事情にあることは御指摘のとおりでございますが、こういった問題につきましては、今後の歳入歳出をめぐる動向を見きわめながら、何とか現在の減債制度の基本を維持できる方途がないかどうか、中長期的な観点から引き続き慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。