第2回東日本大震災復興構想会議(平成23年4月23日)配布資料を学習しよう | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

第2回東日本大震災復興構想会議(平成23年4月23日)配布資料を学習しよう

秘書です。

復興構想会議は、一方で、梅原猛さんの「文明災」という大きな視点。


「原発の事故は、近代文明の悪をあぶりだした。これは天災であり、人災であり、「文明災」でもある。」
「今こそ、経済力だけでなく、新しい価値観で世界に範を垂れる国をつくるときだ。」


梅原猛・哲学者――原発事故は「文明災」、復興を通じて新文明を築き世界の模範に
2011/04/05 12:18 東洋経済オンライン
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/14e6e18a6d22fe5395a8e2fb0784fdcd/

復興構想会議は、他方で、震災復興税の議論。

はじめに増税ありきということは「増税で確保できる予算の範囲内でやりましょう」ということになるでしょう。

福島原発事故の原因の一つに、1000年に一度の津波に備えるにはおカネがかかる、だからそんなことは「想定外」にしておきましょう、という発想があったんじゃないですか。この「想定外」こそ文明災の原点のはず。地元では生きるために1000年に一度の津波に備える知恵が伝承されていたにもかかわらず、近代的組織に科学技術の知見が結集したところでは、「想定外」として見て見ぬふりをした。400年に一度に備えるという基準をつくり1000年に一度を「想定外」にした。

はじめに増税ありき、の議論は、また同じ「想定外」を繰り返します。そういう構想は理想ですね、でもおカネがかかる。だからそんな構想は「想定外」にしておきましょう、と。増税で確保できる予算の範囲内でやりましょう、と。きっと、理想とはほど遠い町づくりが進むことになる。そして、いつか「想定外」のことがまたおきる・・・

こんなことで、文明史的転換ができるのでしょうか。

近代的組織の意思決定の闇、ガダルカナルの兵力の逐次投入の愚。同じことを、何度も何度も繰り返す日本。最初から全力投入する決断力のない政策プランナー。

その犠牲者は・・・


さて、第2回東日本大震災復興構想会議(平成23年4月23日)提出資料を学習しましょう。とりあえず、何点かを抜粋してみました。

http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/#03

■達増委員提出資料

「今後の復興構想会議の議論の方向性や検討の柱建てなど」について
岩 手 県

平成23 年4 月16 日
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou2/tasso.pdf

震災復興税については、岩手県は反対である
2 そもそも、震災復興税等復興財源については、政府で検討すべきであり、当会議において、その議論をするのが、適当かどうか疑問である。
もし、議論をするのであれば、日本政府の財政に関する詳細なデータや特定のマクロ経済政策が日本経済にどのような影響を及ぼすかといった検討が必要である。

→この資料は、岩手県名で提出されています。そして、「震災復興税については、岩手県は反対である」と明記されているところに注目。

■玄侑委員提出資料①
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou2/genyu.pdf
追加意見(抜粋)
玄侑宗久


2,確認しておきますが、福島県の「復興」は、原発被災地の問題を抜いては考えられない状況です。当然これも含めて議論していただきたいと思います。

7,どう考えても、今回の復興は、長期に亘る事業になるでしょう。しかし一方で国は、日常的な業務も山積しているわけですし、首相や官房長官という立場の方々が、この問題にかかりきるわけにもいかないはずです。そうであるなら、いっそ「復興庁」そのものを仙台辺りに構え、10年なら10年、この問題にかかりきってくれるスタッフを置けないものでしょうか。関東大震災からの復興がある程度スムースに行ったのは、一貫して指揮を執り続けた後藤新平の存在、そして指揮官が東京という復興すべき現場にいたことに依ると思われます。思い切って「東日本復興庁」を被災地に設置することを提案いたします。

8,復興に係る財源についてもこの会議の議事範疇なのかどうか、明確ではありませんが、「復興税」の創設については慎重な議論を踏まえていただきたいと思います。多くの寄付や義援金をいただいている挙げ句のことですし、実際、消費税のように商取引全般に被せるやり方では、税負担を被災者にも被せることになります。

■橋本委員提出資料

「復興構想会議」メモ(2)
読売新聞特別編集委員 橋本 五郎

http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou2/hashimoto.pdf
【確認すべき事項】
・「検討部会」の役割について再確認したい。検討部会は、復興構想会議の議論を具体化したり、補強したりする下支えの組織と理解していたが、第1回会合で復興財源の論議をするなど、独立した組織として、構想会議本体とは関わりなく、議論が先行しているかのような印象を受ける。検討部会には、議長、議長代理も参加し、その内容を構想会議でも紹介されるだろうが、改めて復興構想会議と検討部会の関係について確認したい。


■第1回 東日本大震災復興構想会議 検討部会における部会長提出資料

平成23 年4 月20 日
東日本大震災 復興構想会議 検討部会発足にあたって
部会長 飯尾 潤


(2)検討部会における作業の位置づけ

議論して結論を出すのではなく、作業によって復興構想会議(親会議)を支援。
親会議の議論に必要な広範な専門的知見を提供する役割を果たす。
親会議の指示によって検討をすることもあれば、課題を自ら発掘して検討することもある。
党派を超え、国内外から、さまざまな提言を受け入れて検討する窓口となる。
構想の実施に必要な条件を、政府部内各部局と連携して確認する(各省庁との連携)
検討課題における総合性を確保する。


→「課題を自ら発掘して検討することもある」ということが、上記の橋本委員が懸念する「第1回会合で復興財源の論議をするなど、独立した組織として、構想会議本体とは関わりなく、議論が先行しているかのような印象を受ける」という部分にあたりますね。


■達増委員発表資料
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou2/siryou2.pdf

■村井委員発表資料
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou2/siryou3.pdf

■佐藤委員発表資料

http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou2/siryou4.pdf

→デフレ、震災、原発事故・・・それに加えて増税をして日本経済が底割れしたとき、生活保護をはじめとする社会政策費用の激増にどう対応するのでしょう?

→復興需要という再生のチャンスを増税で自らつぶそうとする日本!