80年代にも90年代にもやっていた国債整理基金特別会計への定率繰り入れをなぜ停止しない? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

80年代にも90年代にもやっていた国債整理基金特別会計への定率繰り入れをなぜ停止しない?

秘書です。
高橋洋一さんの
国債整理基金から10兆円を復興に回しても支障はない 財務省の言い分は間違いだより。
2011.04.21 ZAKZAK 高橋洋一 連載:2011「日本」の解き方
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110421/plt1104211621002-n1.htm
 日曜日(17日)朝のフジテレビ報道番組で、江田憲司みんなの党幹事長が、「国債整理基金の余りカネ10兆円を大震災復興のためにあてよ」と発言した。これに対して、岡田克也民主党幹事長は「国債整理基金への繰入があるから国債の信認が保たれているのでできない」と言った。

 この言い分は財務省そのままだ。もちろん正しいなら問題ないが、間違った意見をそのまま鵜呑みにするのは政治家としてまずい。

 まず国債整理基金の仕組みを整理しよう。国債整理基金(特別会計)は国債の償還や利払いを行うための区分整理会計である。この特別会計は、いろいろな特別会計からの繰入が多く、特別会計の間の「結節点」になっているもので複雑だが、国債の償還・利払いだけに着目すれば、構造は簡単だ。

 その歳入は、借換債発行による収入、一般会計からの繰入、前年度からの剰余金で、歳出は国債の償還、利払いとなる。借換債発行によって国債の償還をするということからわかるように、満期が到来した国債はロールオーバーされている。

 一般に国債発行というと、今年度予算では44兆円といわれるが、これは新規国債というもので、ロールオーバーのための借換債が110兆円発行される。このほかにも財投債14兆円が発行され、総計169兆円発行される。

 新規債、借換債、財投債といっても、マーケットではまったく同じ条件なので、マーケットの人はそもそもどれを扱っているかさえもわからない。

 国債整理基金の国債償還の部分は、おおざっぱに言えば、借換債110兆円、一般会計から20兆円、前年度からの剰余金10兆円が収入で、償還120兆円、利払い10兆円が支出になって、次年度への剰余金が10兆円となる

 だから、国債整理基金の収入のうち10兆円を震災復興に回しても、次年度への剰余金がなくなるだけで、国債償還には支障ない

 問題は、岡田幹事長のいうように、10兆円を回したら国債の信認が失われるかだ。このように国債整理基金を作り一般会計から一定額を繰り入れる仕組みを減債制度というが、この仕組みは日本だけのもので海外にはない。だから、この仕組みによって国債の信認を得ているという説明は海外ではまったく通用しない

 国債の信認は日本経済の実力やマクロ経済運営の巧拙などから出てくるのだ。このような奇妙な日本の仕組みを説明すると、日本はマクロ経済運営で重大なミスをしてそれを隠蔽するために、変な口実をしていると勘ぐられるのがオチだ

 民主党は、さっそく復興増税を言い出すなど財務省に完全に操られている。


(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


→過去、国債整理基金への定率繰り入れを停止して、日本の信認は失われたのでしょうか?聞いたことありませんね。

→日本への信認というならば、OECDはインフレ目標を持ったほうが信認のおけるものになる、といっています。

より高いインフレの目標は、デフレに対して更なるバッファーを提供するであろう。加えて、仮に1つの値を中心とした範囲により表される場合、日本銀行の政策意図はより明らかになり、その結果より信認のおけるものとなるであろう。1つの典型的な目標は2%、プラス、マイナス1パーセントポイントといったものである。物価安定の理解を設定する際のメカニズムを改定するといったこともなされうる。いくつかのOECD加盟国では、インフレの範囲は中央銀行により独立的に設定されるというよりは、政府もしくは政府と中央銀行による協議によって設定されている。そうした取組みは、インフレ目標に対する政府の支援を促し、中央銀行がより独立してその目標を達成することを認めることになるかもしれない。枠組みの変化は、信頼性をさらに高めるとともに物価安定の実現に向けた力強い取組みを確かなものとすることを助け、それ故、今後長期間にわたる財政健全化の過程で経済を下支えすることになるであろう

2011-04-21 17:31:31
OECD対日審査報告書:日銀の物価安定「理解」引き上げを→インフレ目標2%±1%ポイント
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10868178787.html