OECD対日審査報告書:日銀の物価安定「理解」引き上げを→インフレ目標2%±1%ポイント | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

OECD対日審査報告書:日銀の物価安定「理解」引き上げを→インフレ目標2%±1%ポイント

秘書です
OECDの対日審査報告書2011年版(2011年4月 概観)が発表されました。

http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_pdf/20110421jpnsurvey.pdf

→報告書の増税部分が注目されていますが、それは日銀に対する要請(インフレ目標2%±1%ポイントと政府と中央銀行の協議によるインフレの範囲の設定)と一体である点をお見逃しなく!

→日本の常識は世界の非常識なのか?日銀のOECDに対する反論に注目です!


(※)OECDとは?
OECDは「Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構」の略で、本部はフランスのパリに置かれています。
 第二次大戦後、米国のマーシャル国務長官は経済的に混乱状態にあった欧州各国を救済すべきとの提案を行い、「マーシャルプラン」を発表しましたが、これを契機として、1948年4月、欧州16か国でOEEC(欧州経済協力機構)が発足しました。これがOECDの前身にあたります。その後、欧州経済の復興に伴い1961年9月、OEEC加盟国に米国及びカナダが加わり新たにOECD(経済協力開発機構)が発足しました。我が国は1964年にOECD加盟国となりました。
 OECDは、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援(これを「OECDの三大目的」といいます)に貢献することを目的としています。

OECDとは?(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/oecd/html/index.html

OECD東京センター
http://www.oecdtokyo.org/

OECDの対日審査報告書2011年版


東日本大震災後の経済見通し

(本文)

日本は戦後最悪の災害に見舞われている…

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、日本における観測史上最大の地震であり、津波を伴うとともに、膨大な数の人命の喪失と甚大な経済的損失をもたらした。地震による影響は、火力及び原子力発電所への被害により電力の発電量が著しく減少することによって深刻化している。地震による全体の影響を評価することは依然として時期尚早であるが、GDPの2%程度と見積もられている、1995年の阪神・淡路大震災による資本ストックへの損害を超えるであろう。鍵となる優先事項は、震災の結果生じた深刻な人道的ニーズに取り組むことである。

…それは、2011-12年における経済の経路を方向付けるであろう

2011-12年の間に1¼%程度と見込まれていた経済成長への影響を評価することもまた時期尚早である。2011年初、日本は、2010年の終わりに生じた経済の減速から浮上する兆しを示していた。地震による当初の影響は、その規模と期間については電力供給がどれだけ早期に回復されるかといったことなどに依存するが、経済活動を落ち込ませるであろう。さらに、被災地における負の影響は、世界的なサプライチェーンの混乱などを通じて国内の他の地域や海外に広がるかもしれない。過去の災害における場合と同様、経済活動への下押しの影響は、復興策が民間及び公的部門における投資を押し上げることによって反転するであろう。その結果、長期にわたる経済の低迷は起こりそうにない。地震を原因とする不確実性に加え、世界経済の動向や為替、商品価格に関連して著しい下方リスクが存在する。しかしながら、最も重要なことは、先例のない水準の公的債務残高が、長期金利の上昇に対して日本を脆弱にしていることである。

デフレの圧力は続くであろう

地震による負の供給効果により生じる不確実性や地震に続く復興に向けた支出にもかかわらず、経済成長のペースは、2012年の終わりまでに需給ギャップを解消させるほど十分には早くないかもしれない。その結果、デフレの圧力は持続しそうである。消費者物価指数(総合)(CPI)により計測される物価上昇率は、2010年最終四半期にプラスに転じたが、これは主にタバコへの大幅な増税と食料価格の高騰によるものであった。他方、コアCPIについては、以前よりも緩やかなペースであるが、前年比で0.8%下落した。慢性的なデフレは、2002年から2007年の間の日本における戦後最長の景気拡大にも関わらず、1998年以来、GDPデフレーターを14%程度減少させている。デフレは、実質金利を高止まりさせ企業収益を圧迫し、その結果、賃金や雇用への下方圧力を生むことで成長の足かせとなっている

金融政策

(要旨)

震災による損害の全容を評価することは依然として時期尚早であるが、その当初の影響としては、生産を低下させることが見込まれ、その後、復興策によりそうした影響は反転されるであろう。デフレの圧力は、成長への逆風であり続けるであろう。このため、日本銀行は、下方リスクに注意を払いつつ、デフレが克服されるまで緩和的なスタンスを維持すべきである。金融政策の枠組みは、デフレに対する更なるバッファーを保証するため、物価安定の「理解」を引き上げることなどにより改善されうるであろう

(本文)

・・・他方で、金融政策の枠組みを改善する

金融政策の枠組みについても改善の余地がある。2009年12月、金融政策委員会は、ゼロ%の下限を除くことにより、0 から2%程度とする物価安定の「理解」を改定した。この措置は依然として物価安定の理解を非常に低いままに留めている。なぜなら、この範囲のインフレが展望できる情勢になった時には、原則的に物価安定の理解が満たされることになるからである。より高いインフレの目標は、デフレに対して更なるバッファーを提供するであろう加えて、仮に1つの値を中心とした範囲により表される場合、日本銀行の政策意図はより明らかになり、その結果より信認のおけるものとなるであろう。1つの典型的な目標は2%、プラス、マイナス1パーセントポイントといったものである。物価安定の理解を設定する際のメカニズムを改定するといったこともなされうる。いくつかのOECD加盟国では、インフレの範囲は中央銀行により独立的に設定されるというよりは、政府もしくは政府と中央銀行による協議によって設定されている。そうした取組みは、インフレ目標に対する政府の支援を促し、中央銀行がより独立してその目標を達成することを認めることになるかもしれない。枠組みの変化は、信頼性をさらに高めるとともに物価安定の実現に向けた力強い取組みを確かなものとすることを助け、それ故、今後長期間にわたる財政健全化の過程で経済を下支えすることになるであろう

いくつかの選択されたOECD加盟国・地域におけるインフレ目標

インフレ目標導入国名・インフレ目標導入年・現在のインフレ目標
New Zealand・1990・1 – 3
Canada・1991・2 +/- 1
United Kingdom・1992・2 +/- 1
Sweden・1993・2 +/- 1
Australia・1993・2 – 3
Czech Republic・2010・2 +/- 1
Israel・1997・2 +/- 1
Poland・1998・2.5 +/- 1
Chile・1999・3 +/- 1
Korea・2001・3 +/- 1
Mexico・2001・3 +/- 1
Iceland・2001・2.5 +/- 1.5
Norway・2001・2.5 +/- 1
Hungary・2001・3 +/- 1

Other central banks with a numerical inflation objective
European Central Bank・2003・Below but close to 2%
Switzerland・2000・Not more than 2%

財政政策

(財政の持続可能性を達成するための提言の概要)

• 歳出の組み換えや、日本の人々の連帯感に訴えかけ、歳入の短期的な増加によって、震災関連の復興支出を賄うことにより、財政赤字と債務残高の増加を抑制する。
• 社会保障支出の増加を相殺するために、公務員人件費や中期的には公共投資といった分野において歳出削減を行う。
• 優先度が低く効果的でない歳出プログラムを削減する方法を見つけるために、仕分けプロセスを継続する。
• 歳出の増加を抑制し、年金のための健全な財源を提供するために社会保障の改革を行う。
• 東日本大震災により被害を受けた地域における復興の必要性を考慮しつつ、税制改革を速やかに実施する。
• 歳入増加のために、主として消費税や環境関連税といった他の間接税に依拠する一方、その逆進性を相殺するために勤労所得控除といったような措置を導入する。
• グロスの政府債務残高対GDP比を安定化させることを保証するために、2020年度の基礎的財政収支の黒字を約3%といったような十分に高い水準に設定する。
• 信認を維持し、金利の急騰を防ぐことを助けるために、財政運営戦略における中期財政フレームの改定において、詳細かつ信頼に値する分野別の歳出目標と税率引上げのタイムテーブルを盛り込む。
• 複数年の財政計画、財政目標に関するより強固な法的根拠、そして財政健全化計画の実施状況を監視・評価するための政策策定過程から一定の距離を置いて客観的な機能を果たす会議体を通じて、財政政策の枠組みの改革を行う。

新成長戦略

(要旨)

より力強い成長は、債務残高比率を安定化させる上でも重要である。4つの分野 -グリーン・イノベーション、医療・介護、アジアとの経済連携、地域活性化-において需要を増加させるといった新成長戦略の目標は、費用を要する財政政策よりは主に規制改革に依存すべきである。加えて、新成長戦略は、特定の分野に焦点を当てるよりはむしろ経済全体の改革を重視すべきである。

(本文)

持続的な財政健全化は、政府が推計する½パーセントといった既に低い潜在成長率から経済成長を押し下げる傾向があり、経済成長を支える政策が不可欠となっている。政府の新成長戦略は、グリーン・イノベーション、医療・介護の拡大、アジアとの経済連携、そして地域活性化を通じ新たな需要を創出することにより、2010年代に実質成長率を2%まで加速させることを目標としている。需要は、財政支出、税制、公的金融を含む財政政策や、規制や制度の枠組みの改革により刺激される。しかしながら、厳しい予算事情に鑑みれば、財政政策よりも規制改革を重視し、いかなる支出の増加も財政健全化の求めと整合的となることを保証することが重要となる。加えて、改革は特定の分野に限られるべきではなく、生産性を高めるため経済全体に広げられるべきである。2020年までに生産年齢人口が10%程度縮小すると見込んだ場合、2%の実質成長率目標を達成することは、生産性上昇率が過去10年間の年平均である1%から大きく上昇しなければならないことを示唆している。優先すべき事項は、新たに会社を設立する際の費用を減らし、また競争政策やイノベーションを強化することにより、起業家精神と新規事業を促進することを含む。ベンチャー事業を活性化させること、また日本郵政の計画された民営化を遂行することは、民間部門の活力を育てることにも役立つかもしれない。

日本における多くのかつ増加する高齢者の数や比較的低い医療・介護支出を考慮する場合、医療・介護もまた潜在的な成長源となる。しかしながら、医療費等の86%が公的部門により賄われていることを踏まえれば、現行の枠組みのもとで支出を増やすことは財政状況を悪化させるであろう。公的保険の対象とならない診療をより安価で利用可能なものとするため混合診療の範囲を拡大する一方で、全ての必要な診療を対象とするといった公的医療保険の目標は少しその野心を抑えなくてはならないかもしれない


(日本の新成長戦略に対する提言の概要)

新成長戦略の全体の枠組みの改善

• 長期にわたる財政健全化の必要性や財政運営戦略との一貫性、整合性を保証するために、新成長戦略の財政的なインプリケーションに注視する。
• 民間投資を促すために、特にサービス分野における規制改革を加速させることに焦点を当てる。
• 特に新規事業にかかる行政上の負担を減らすことにより、起業家精神とよりビジネスに配慮した環境を促進する。
• 独占禁止法違反への過料・課徴金の引き上げ、中小企業に対する特例的な措置を含む独占禁止法上の適用除外を減らすことにより、競争政策を強化する。

新たな需要の創造

グリーン成長
• 望ましくは義務的かつ包括的なキャップ・アンド・トレードに基づくETSといった市場ベースの手段を導入することにより、炭素への価格を設定し、グリーン成長投資を促進するための明確な価格シグナルを提供する。
• 税制の枠組の予見性と信頼性を保証する一方、特にETSが対象としない分野において炭素税を導入することにより、環境関連税を一層活用する。
• 非経済的な障壁を取り除き、予見可能かつ透明性のある支援の枠組み構築することにより、再生可能エネルギー資源の開発を促進する。最良な選択肢は、時間とともに減少するインセンティブを伴う電力証書制度であろう。
• 炭素に対する適切な価格を保証するために、G20イニシアティブに基づき非効率的な化石燃料への補助金を段階的に廃止する。

医療・介護の改革
• 日本における臨床実験費用の削減、海外の結果の一層の受入れ、そして適切な償還水準を保証することにより、新薬及び医療機器にかかる承認の遅れを短縮する。
• 公的医療保険の適用を受けない診療をより利用可能なものとするために、混合診療の範囲を拡大する。
• 報酬体系の活用や入院患者医療区分のより厳密な監視により、病院からより適切な施設や在宅介護へと介護サービスのシフトを促す。

アジア経済連携
• 主要な貿易相手国との包括的なEPA交渉を加速し、またTPPに参加する。
• 地域経済連携を促進するために、農業保護の高い水準を引き下げ、その構成を価格支援から農家への直接支援にシフトさせる。
• 貿易の更なる自由化、投資や所有にかかる障壁の引き下げ、行政手続の改革の加速、そして労働規制の緩和により、FDIの流入に向けた環境を改善する。
• 日本におけるより多くの外国人学生と高度な技術を有する外国人労働者を認めるために、入国管理に関する規制を自由化する。

地域の活性化
• 全国的な規制改革に焦点を当て構造改革特区の利用を促進し、また新しい特区が国全体にとって大きな利益となることを保証する。
• イノベーション・クラスターの創設を含む地域活性化の促進のために、一層の財政資金を提供するとともに地方政府にさらなる自治を認める。

金融部門の改革
• R&Dや革新的な新規事業に対して、日本では比較的機能していないこうした市場を刺激する政策手段を通じて、ベンチャー・キャピタルといったリスク・マネーの供給を促進する。
• 公的金融機関の規模を縮減し、公的部門への貯蓄の流れを減らすとともに、ベンチャー事業や新規事業のための資金の利用可能性を高める。
日本郵政の民営化を遂行する
• 経済の回復とともに信用保証を縮小し、金融機関に対して中小企業向け貸出の増加を促す政府の政策を緩和する。

教育システム

(本文)

…それは、幼児教育・保育へのより多くの投資を通じて改善されるかもしれない…

日本では、幼児教育・保育への公的支出が低い。リターンが大きく、また低所得世帯の子供の不利益を軽減するであろうことからも、この分野へより多くの投資を行うことは是認される。現在、6歳未満の子供の約3分の1は、厚生労働省の管轄のもとにある認可保育所に通い、別の3分の1は、文部科学省の管轄のもとにある幼稚園に通っている。新成長戦略の目標である幼稚園と保育所の一体化は、2つの平行した制度をまとめることによる費用の節約を可能とする一方で、保育所における子供への教育の質を高めるであろう。一体化のもう1つの利点は、幼稚園における余剰収容能力を活用することによって保育所不足を減少させるであろうことである。政府による支出が60%とその大部分が助成される認可保育所において待機児童が生じている。利用可能かつ質の高い保育所の不足は、日本の比較的低い女性の労働参加率を上昇させるための主要な障害として挙げられている。政府は、今後5年間で受入児童数を26万人増やすことを計画しているが、これは女性の労働参加には限られた影響しか与えないであろう。現在、上限価格を含め管理の対象となっている民間事業者により大きな役割を許すことは、保育所不足への取組みに役立つであろう。より長期の観点からは、日本は、親が求めるサービスを提供するといった点について事業者による競争を促進するバウチャー制への移行を考慮しうるであろう

(教育システムの改善のための提言の概要)

教育成果を改善する

幼児教育・保育
• 質及び量を拡大するため幼児教育・保育(ECEC)へより多く投資する。
• ECECの質を高めるため、新成長戦略の中で述べられているように、保育所と幼稚園を一体化する。
• 家庭へ直接的に給付を行うことなどにより、ECECの民間提供主体の役割を拡大する。

初等・中等教育
• ゆとり教育の利点を維持する一方、計画されているカリキュラムや授業時数の増加を効果的に実施する。
• 学校の自主性を高める。
• 実績に関する情報を増やす一方、より優れたものとなるよう学校を促すために、学校選択を拡大する。

高等教育
• 競争を強化するために、卒業生の労働市場での成果を含む実績に関する透明性を高める。
• 外国人学生の数を増やすことにより、国際化を促進する。
• 日本におけるより多くの外国高等教育機関の設立を促進する。

費用対効果(value for money)を高める

幼児教育・保育
• 保育所と幼稚園の一体化により費用を削減する。

初等・中等教育
• 学校統合に対処するため効率的な枠組みを支援する。
• 教師の時間をより有効に用いる。

高等教育
• 高等教育部門の統合を促進する。
• 公平性と質を保証する一方、授業料、学生数の上限、そしてプログラムの変更を含む規制を自由化する。

家計負担を減らす

幼児教育・保育
• ECECへの支出の公的割合を高める。

初等・中等教育
• 塾への依存を減らす。
• 低い費用による代替策を構築することにより、課外教育の負担を減らす。

高等教育
• より多くの割合の学生を対象とするために、高等教育向けの公的奨学金を拡大する。


不平等の拡大傾向を反転させる

幼児教育・保育
• 低所得世帯の子供の不利な状況を軽減するため、ECECへより多く投資する。

初等・中等教育
• 塾への依存を減らす。
• 特に低所得世帯の生徒に対して、塾の恩恵をより広く、そして安く利用可能とする。

高等教育
• より多くの割合の学生を対象とするために、高等教育向けの公的奨学金を拡大する。
• 奨学金の返済を所得に応じたものとする。

労働市場と教育の結びつきを促進する

初等・中等教育
• 新成長戦略の中で計画されているように、企業に評価される職業能力認定を創設する。

高等教育
• 増加する割合の若者を教育する大学における職業訓練の役割を拡大する。
イノベーションに対する高等教育部門の貢献を拡大する
• 大学の研究と産業との連携を推進する。
• 優れた大学を創るため公的投資を増やす。
• 競争的に配分される大学向けの公的な研究資金の割合を高める

労働市場

(労働市場改革のための提言の概要)

労働市場における二極化の克服

• 非正規労働者の費用上の利点を減らし、また非正規労働者に対する保障を改善するために、特にコンプライアンスの改善により、職場をベースとした非正規労働者への社会保険制度の適用範囲を拡大する。
• 非正規労働者の人的資本や雇用可能性を高めるとともに、その正規雇用への移行を促すために、訓練と職業相談を増やす。これにより、日本の潜在成長が高まる。
• 非正規労働者に対する差別を防止する。
• 増加する数の非正規労働者を雇うことなく、企業が適切な雇用柔軟性を実現することができるように、正規労働者に対する実効的な雇用保護を減らす。
• 硬直性の費用を高め、全体として雇用を減らすかもしれないため、短期的な派遣労働者の利用を法的に制限することには慎重でありたい。

女性、高齢者、そして若者の労働市場への参加の促進

• 第二の稼ぎ手の就業意欲を減らすような税や社会保障制度の側面を改革する。
• 育児・介護休業法をより適切に施行することなどを通じて、よりよいワーク・ライフ・バランスを促進する。
• 就業意欲を弱めるかもしれない寛容な子供関連の移転を避ける一方、手ごろな価格で、かつ高い質の保育所の利用可能性を高める。
• 高齢労働者の就業環境を改善するために、60歳での義務的な退職を廃止することなどにより、柔軟な雇用及び賃金制度の一層の活用を促進する。
• 労働市場において求められる技能を若者が身に付けるために、ジョブ・カードの拡大などにより、実習と座学を組み合わせた実践的な訓練を重視する。
• 効果的な訓練を保障するため、職業能力の認定に関する標準的制度の構築を促進する。