被災者の緊急雇用対策、増税論封印、大連立論議 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

被災者の緊急雇用対策、増税論封印、大連立論議

被災者の緊急雇用対策、政府が第1弾決定
読売新聞 4月6日(水)1時41分配信

 政府の被災者就労支援・雇用創出推進会議(座長=小宮山洋子厚生労働副大臣)は5日、東日本大震災の被災者を対象とした緊急雇用対策の第1弾を取りまとめた。

 復興関連事業の発注を調整する「しごと協議会」を各都道府県に新設、被災地の地元企業を優先的に使って雇用の拡大を図ることが柱だ。

<民主党>増税論を封印…野党に配慮、歳出削減を先行
毎日新聞 4月6日(水)2時33分配信


 民主党は5日、国会内で復旧・復興検討委員会(委員長・岡田克也幹事長)を開き、子ども手当などマニフェスト政策の見直しで11年度予算を組み替え、復興のための1次補正予算案の財源を捻出する方針を確認した。補正予算編成を大連立への手がかりとしたい菅政権は与野党合意を優先し、復興税など増税構想は当面、封印する。

 政府・与党は週内にも1次補正の民主党案をまとめ、与野党協議を経て来週中にも政府案をまとめる。復興のための増税は不可避との見方も強いが、大連立を目指す菅政権は短期間で自民党を含めた野党側の賛成をとりつけたい考えだ。このためマニフェスト撤回を求める自民党を意識し、歳出削減の議論を先行させる。

 会議では歳出見直しチーム座長の城島光力政調会長代理が、(1)子ども手当(2)高速道路無料化(3)議員歳費削減(4)公務員給与カット(5)政府開発援助(ODA)(6)(従来の)原発立地交付金--の6項目を見直し対象として報告。

 ただ、6項目で捻出できるのは6000億円程度で、3兆円超を想定する1次補正の額にも及ばない。一方で「1次補正から緊急経済対策も入れるべきだ」(直嶋正行元経済産業相)と規模拡大を求める意見も出た。【野口武則】

<1次補正>規模は3兆円超…基礎年金の国負担減で財源確保
毎日新聞 4月6日(水)2時34分配信

 政府・与党は5日、東日本大震災の復旧・復興対策費を盛り込む11年度1次補正予算について、3兆円を超える規模にする方向で調整に入った。与野党間の協議を経て、4月中の国会提出を目指す。財源として、基礎年金の国庫負担の引き下げで2.5兆円を確保することなどを検討しており、新たな国債発行は極力回避する方針だ。【坂井隆之、谷川貴史】

 政府は復旧・復興に向けて、複数回にわたり補正予算を編成する。1回目の補正予算では、倒壊家屋などのがれき撤去費用や仮設住宅の設置費、道路や港の補修費、被災者の生活支援など、緊急的な復旧事業を盛り込む。95年1月に発生した阪神大震災の際は、最初に編成した補正予算の規模は約1兆円だった。今回は、津波などで被害が広範囲に及んだことで、がれき撤去や仮設住宅設置などの費用が膨らみ、1次補正の額は阪神を大きく上回る。

 財源については、基礎年金の国庫負担を現行の50%から、08年度以前の36.5%に引き下げ、約2.5兆円を確保する方向で調整する。

 国庫負担引き下げは、11年度当初予算の編成の際も財源難から検討されたが、与党内の反発などで見送られた経緯がある。

 だが、未曽有の大震災で巨額の復旧・復興費が必要になるため、政府・与党内は引き下げ容認に傾いている。このほか、子ども手当や高速道路無料化など、11年度当初予算に盛り込まれた民主党マニフェスト(政権公約)関連の施策見直しなどでも財源を捻出する方針。

 政府・与党は今週中にも規模などを含めた補正予算の骨格を野党側に提示し、来週中の合意を目指す。


大連立」小泉氏は否定的 谷垣氏「するとは一言も言ってない」
産経新聞 4月6日(水)7時57分配信

 自民党の谷垣禎一総裁は5日、都内で小泉純一郎元首相と会談し、民主党との大連立構想について意見交換した。小泉氏は「批判すべきは批判する健全な野党であるべきだ」と大連立に否定的な考えを示し、谷垣氏も「全くその通り」と応じた。ただ、党内では大連立による政権復帰への期待が高まっているのも事実。のるかそるか-。決断のタイムリミットが近づいている。(桑原雄尚)

                   ◇

 「健全な野党としての協力の仕方はいくらでもあるんじゃないか?」

 大連立への意見を求められた小泉氏は谷垣氏にこうクギを刺した。谷垣氏は会談後、記者団に「私は初めから『連立する』とは一言も言ってない」と述べた。

 しかし、そのわずか1時間半前の海部俊樹元首相との会談では全く違うニュアンスのやり取りが交わされていた。「民主党政権を追い込むという今までの基本方針ではまずい」と力説する谷垣氏に対し、海部氏は金丸信元副総裁が生前に語っていたという言葉でアドバイスした。「国のためになることなら、泥棒にだって頭を下げるよ」

 谷垣氏の気持ちは揺れている。大連立に踏み切った場合の損得勘定を図りかねているのだ。

 第一の難問は、政権入りした際の閣僚ポストだ。民主党はすでに、震災復興担当相と環境相、沖縄北方担当相の計3ポストを増やす案を自民党側に提示している。仮に、沖縄北方担当相への就任を打診されれば「米軍普天間基地移設問題の尻拭いをさせられるだけ」(閣僚経験者)との懸念がある。環境相ポストにしても「当面出番がなさそう」(中堅)で、メリットが少ない。

 大連立をいつまで維持するかも大きな課題だ。大震災の発生で衆院解散・総選挙の時期は遠のいたとはいえ、「大連立したままでは次の衆院選は戦えない」というわけだ。

 自民党内では大連立の前提として、菅直人首相の退陣は譲れないという声が大勢だ。しかし震災前に吹き荒れた民主党内の「菅おろし」の風はもはや下火。菅首相のまま大連立に踏み切るようなことがあれば谷垣氏ら党執行部に批判の矛先が向かうのは必至だ。

 公明党の山口那津男代表は5日の記者会見で「閣僚を出し合う大連立という形がベストかどうか、もう少しきちんと議論した方がいい」と述べ、大連立に慎重な姿勢を示した。

<自民党>大連立白紙…首相退陣見込めず、若手議員に慎重論
毎日新聞 4月6日(水)1時28分配信

 東日本大震災の復興対策の本格化を控え、民主、自民両党で再燃した「大連立」は、自民党の谷垣禎一総裁が5日「健全野党」を掲げたことで、実現の可能性が消えた。森喜朗元首相や古賀誠元幹事長らベテラン議員からは大連立を促す発言が相次いでいたが、党内には「菅直人首相の退陣が連立の条件」との強硬論が根強く、民主党への不信感は解消されなかった。

 谷垣氏は3月19日、菅首相からの入閣要請を「唐突だ」と断ったが、一方で「連立には政策の前さばきがなければならない」と含みを残したため、両党の間ではその後も大連立論がくすぶり続けた。だが、自民党のある閣僚経験者は「民主党は『菅首相を辞めさせ、谷垣首相、仙谷由人副総理』という案を持ちかけてきたが、首相は辞めないだろう」と語る。「谷垣首相」なら大連立に応じたが、その可能性はなくなった--という解説だ。

 一方、中堅・若手議員には大連立への慎重論が強い。若手議員は「中堅・若手は裏工作より、政策論議を重視している」と、谷垣氏の決断を評価した。

 ただ、総額で10兆円を超えるとされる数次の11年度補正予算案編成で、財源問題が焦点になるのは確実だ。自民党は11年度予算関連法案のうち、赤字国債発行を認める特例公債法案への反対方針を変えていないが、同党が「健全野党」を標ぼうすれば、いずれは政権への協力か対決かの難しい判断を迫られる。

 一方、公明党の山口那津男代表は5日の会見で「震災を乗り越えるのに、大連立が最もいい形かどうかは検討の余地がある」と慎重姿勢。同党は一貫して大連立に距離を置いてきた。今回の自民党の判断には、国会で連携してきた公明党への配慮もあるとみられる。【中田卓二、岡崎大輔】