「石碑」-「小さすぎて、遅すぎる」補正予算の原因となる「石碑」はどこにある? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「石碑」-「小さすぎて、遅すぎる」補正予算の原因となる「石碑」はどこにある?

今朝の読売新聞の29面より。

重茂半島の姉吉地区(12世帯40名)では、全ての家屋が被害を免れた。
1933年の昭和三陸大津波の後、海抜約60メートルの場所に、

 「高き住居は児孫の和楽 想え惨禍の大津波 此処より下に家を建てるな」 

との戒めの石碑が。

集落のみなさんは「幼いころから『石碑の教えを破るな』と言い聞かされてきた。先人の教訓のおかげで集落は生き残った」とのこと。

先人の知恵が命を救います。


ところが、政策決定の中枢では、「誤った石碑」があるようです。



【地震】「震災復興予算は現在の歳入内で検討」
(03/30 05:50) テレビ朝日
 野田財務大臣は震災復興に向けた補正予算案の財源について、安易に国債発行に頼るのではなく、まずは現在の歳入のなかで検討すべきだという考えを示しました。

 野田財務大臣:「安易に国債発行に依存するのでなく、基本的には『自賄い』で準備することが大事だろう」
 野田大臣はこのように述べたうえで、震災復興に充てる財源として、予備費や自衛隊関連費用などで4兆円以上のねん出が可能との考えを明らかにしました。また、今後の財政運営に関しては、震災復興の対応が最優先としたうえで、「必要な対策が判明すれば、予備費や補正予算で間断なく対応する」と強調しました。


→必要な対策がまだ判明していないのでしょうか?わかるでしょう?わからないなら、野党に聞いてください。

→小出しにすることで犠牲になる避難所生活がどれだけあるか、想像力を働かせましょう。


復興予算、財源カギに-子ども手当て増見直しも
2011年03月30日 日刊工業新聞
 2011年度予算の成立を受けて政府は、4月中に国会に提出する同年度補正予算の編成作業を本格化する。数次に渡って組む震災関連予算の第1弾となる。
 当面、がれきの撤去や仮設住宅の建設などの復旧作業に重点を置く。併せて法人税の繰り戻し還付など阪神・淡路大震災の時と同様な税制特例措置も講じる方針だ。一方では財源を確保するため、11年度に予定していた法人実効税率の引き下げを見送る公算が大きくなった。
 4月中にまとめる第1次補正予算では、日常生活に必要なインフラを確保するための復旧作業に重点を置く方針。特に大規模な津波で大量に発生したがれきの撤去を急ぐ。阪神・淡路大震災では災害廃棄物の処理に約3500億円かかったが、今回はこの数倍になると見られ、さらに政府は処理費用の全額国庫負担を表明している。このため1次補正は真水で1兆円を超す見通し。


→1次補正は1兆円を超す?10兆円の間違えでは?

→「小さすぎて、遅すぎる」補正予算が、多くの災難を国民の生活復興、希望復興の妨げになるでしょう。

→そして、原発対応も、被災者救済も、関東の停電対策も、東北復興も、全てが「小さすぎて、遅すぎる」決定しか下せない日本が、世界経済に大きなリスクとなり、また、世界の人道主義者から批判の声を受けることになるでしょう。

→増税できる範囲で復興予算、という発想を変えるべきです。GDPの落ち込みは増税で賄えるような規模ではありません。20兆円増税しますか?


→先の大戦におけるガダルカナルへの兵力の逐次投入の決定から何も学習していないのか・・・

→浜口内閣における井上準之助の大恐慌化の金解禁の大失敗とその後の高橋是清の日銀引き受け政策についての歴史から何も学習していないのか・・・

→失敗から教訓を学ぶことができない民族は、何度も同じ過ちをおかします。

→霞が関、日本橋本石町に、日本が失敗を繰り返す原因となる「誤った石碑」があるのではないか。本人たちはその誤りに気付かない。なぜならその「石碑」の教えを守ると組織内では人事評価されるからです。そこに、被災地のことを思う想像力が消えて「兵力の逐次投入」が繰り返される原因があるのではないか。

→国民は、児孫の和楽のための「石碑」を今回の悲劇から残して、国民の教養として後世に伝えましょう。