原発関連―原発難民、農家憤慨、そして、17-19日に避難所から原発に赴いた東電下請け社員もいた | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

原発関連―原発難民、農家憤慨、そして、17-19日に避難所から原発に赴いた東電下請け社員もいた

原発難民、怒り心頭 福島・浜通り地方住民各地に

2011年03月23日 福島民報


 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故で、避難生活を送っている福島県浜通り地方の住民。目に見えぬ放射線の恐怖から、住み慣れた地を離れ、帰宅のめどさえ立たない。不自由な避難所生活の中で、住民は事故の終息を願いながら、東電や原発へ怒りのまなざしを向ける。
 約1300人が避難する福島市のあづま総合体育館。駐車場には「いわき」ナンバーの車が目立つ。第1原発から20~30キロ圏の屋内退避指示区域となっている葛尾村の大工松本凡彦(くにひこ)さん(58)は14日夜、一家11人で避難してきた。
 「原発が怖くてこのままでは戻れない。孫が元気なのが幸いだが、いつまで続くのか。地震の前は東電さまさまだったが…」と力なくつぶやく。
 「今から考えると、県や地元は原発立地の恩恵に目がくらんだのかもしれない」。南相馬市小高区の無職松本忠雄さん(81)はこう語った。家族4人で避難したが、海岸から約100メートルの自宅は津波で損壊、妻正子さん(74)は行方不明だ。「年寄りに避難所はつらい」と松本さんはこぼす。
 家族6人で避難している南相馬市原町区の会社員男性(66)は「原発を恨む。南相馬には恩恵なんかなかった」と語気を強めた。
 郡山市の「ビッグパレットふくしま」にも、浜通りからの脱出組が目立つ。第1原発から10キロ圏内の避難指示区域がほとんどの富岡町から約1300人、20~30キロ圏内の川内村から約530人が避難している。
 家族ら7人で避難している富岡町の自営業岡田好秀さん(55)は「事故が落ち着いても、土壌の放射性物質をすべて除去できるのか。『絶対に大丈夫だ』と国に誓約書を書いてほしいくらいだ」と話した。
 山形市の市総合スポーツセンターも、県境を越えた浜通り地方の住民でごった返している。一様に見えるのは、不安と疲れた表情だ。
 浪江町のスポーツクラブ経営石川信勝さん(68)は「浪江にはもう人が住めないとみんなうわさしている。家に戻るのは諦めた」と話す。福島市を経て山形市へ。避難後、徐々に東電への怒りがこみ上げてきたという。「原発事故は人災。長年住んだ町を捨てなきゃいけないのが悔しい」
 南相馬市の会社員原舞さん(31)は自宅から原発まで約21キロ。長男(10)、両親、姉夫婦らとセンターへ来たが、夫は秋田県の実家に行き、離れ離れの生活だ。「東電には、私たちの今までの生活を返してほしい」と怒りを込める。


「原発被害の補償を」農家憤慨 福島で農協組合長会議
2011年03月23日 福島民報

 東京電力福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)の事故を受け、福島県農協中央会は22日、福島市で緊急組合長・経営管理委員会会長会議を開いた。出席者からは解除の見通しが立たない原乳、露地物野菜の出荷自粛や広がる風評被害に対し、「原発事故は人災だ」「早く補償を」などと怒りの声が次々と上がった。深刻度を増す状況に、会場は悲壮感に包まれた。

 「毎日、原乳や野菜を廃棄している。命を捨てているのと同じ。生産意欲を失っている」「地震は天災だが、原発事故は人災。土壌への被害が心配だ」
 17農協の組合長は、農家約8万戸の思いをぶちまけた。
 県農協中央会は20日、県の要請で県内全域で生産する露地物野菜と原乳の出荷自粛を決めた。県は21日、国が出荷制限を決めたホウレンソウとカキナを除く露地物野菜については自粛要請を撤回したが、中央会は「指示を日替わりで変えれば農家は混乱する」として、22日現在は出荷自粛を継続している。
 管内8町村のほとんどが避難、屋内退避区域に入っているふたば農協(大熊町)は状況が深刻。志賀秀栄組合長は「コメや野菜は種まきの時期が来ている。ことしの作付けができるのか。早く戻って再生に取り組みたい」と憔悴(しょうすい)しきった様子で話した。そうま農協(南相馬市)では、水田約8400ヘクタールのうち約半分がいまも海水に漬かっている。
 懸念された風評被害も現実となった。首都圏の市場では規制対象外のハウス野菜や畜肉が買いたたかれ、値がつかないケースもあることが報告された。昨年収穫された米にまでも、買い控えの傾向が出ているという。
 組合長らは「国は風評被害対策を強力に推進しなければならない」「東電と国は速やかに損害補償をすべきだ。生活を守るために緊急融資制度も必要だ」と悲痛な声を上げた。
 同席した全国農業協同組合中央会の茂木守会長は「国と東電に連日働き掛ける。全中グループの総力を尽くす」と支援を約束した。
 県農協中央会の庄条徳一会長は会議後の取材に対し、「福島県の農家は安心安全な農作物を今後も作り続ける。消費者には冷静な対応をお願いしたい。農家は被災者のためにも、前向きに食料生産に取り組んでほしい」と話した。


海水に基準値超ヨウ素 福島第1原発排水口付近で検出
2011年03月23日河北新報

 東京電力は22日午後、福島第1原発の排水口付近で22日午前6時半に採取した海水から、法令が定める濃度限度の29.8倍の放射性ヨウ素を検出したと発表した。21日午後2時半にほぼ同じ場所で採取した海水の126.7倍から約4分の1に低下した。
 一方で21日深夜から未明にかけ、第1原発の南約16キロの範囲で採取した3カ所の海水から高濃度のヨウ素を検出。第1原発に近いほど濃度が高く、海水汚染が広がっていることが確認された。
 経済産業省原子力安全・保安院は「量は減っている。原発の半径20キロは避難指示が出ており、ただちに健康に影響を与えるものではない」と評価した。
 第1原発の排水口付近で、ヨウ素以外の放射性物質の21日と22日のデータを比較すると、半減期が比較的短いセシウム134が24.8倍から2.5倍に急減。半減期の長いセシウム137は16.5倍から1.7倍に減少した。もともと微量だったコバルトは検出限界以下になった。
 ヨウ素濃度を場所別にみると、第1原発の南約8キロの河口付近で22日0時半に80.3倍、南約10キロの第2原発排水口付近で21日午後11時15分に27.1倍、南約16キロの海岸付近で21日午後11時45分に16.4倍と、第1原発から遠ざかるほど数値が低くなっていた。ヨウ素以外の物質は、ほぼ法定限度かそれを下回る濃度だった。
 濃度限度は、仮に海水を毎日飲んだ場合、1年間で被ばく線量限度の1ミリシーベルトに達する値。海水0.5リットルを採取し、含まれる放射性物質の量を分析した。


「周辺住民に影響なし」=原子力安全委が回答-海水から高濃度ヨウ素・保安院
(2011/03/23-00:52)時事通信

 経済産業省原子力・安全保安院は22日、福島第1原発の放水口付近の海水から規制値の100倍を超える濃度の放射性物質、ヨウ素131が検出されたことについて、原子力安全委員会から「周辺住民に直ちに影響はない」と回答があったことを明らかにした。
 会見した西山英彦審議官によると、第1原発の半径20キロが避難区域に指定されていることや、ヨウ素の半減期が8日間と短く、魚などに取り込まれても、人が食べるまでには濃度が低くなることなどを理由としている。
 西山審議官は「まずは原発の各号機を安定させ、放射性物質が出ないようにすることが重要。その上で水の処理を考える」とした。


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安全性に問題…保安院検査官、原発から一時撤退
(2011年3月23日01時34分 読売新聞)

 東京電力福島第一原子力発電所の事故に絡み、経済産業省原子力安全・保安院の検査官が事故発生後に約1週間、同原発を離れていたことが分かった。


 西山英彦審議官は22日の記者会見で、一時撤退した理由について「安全性に問題があり、人間が暮らすには不便が多かった」と述べた。

 検査官は各地の原発に赴いて、原発の運営を監督している。保安院によると、今回の事故では検査官7人が同原発で業務に当たっていたが、15日に現地本部が福島県庁に移った際、ともに県庁へ移動。22日に、検査官2人が同原発内の施設に戻った

 西山審議官は、「食料をどう運ぶかという問題もある。組織的な後方支援体制が取れなかった」と説明。「最前線で実態を見ずに東電側にアドバイスできるのか」と問われると、「そこは選択の問題。色んな困難を考えて当時は出たが、再配置した」と答えた。


→安全性に問題があるから保安院の判断が必要なのでは


福島第1原発:保安検査官2人戻る 敷地内で情報収集

毎日新聞 2011年3月23日 1時25分

 経済産業省原子力安全・保安院は22日、東京電力福島第1原発から福島県庁に避難していた保安検査官のうち2人が同日、同原発に戻ったことを明らかにした。検査官は通常7人が原発周辺に常駐しているが、15日に現地対策本部が同原発周辺から県庁内に避難したのに合わせて拠点を移していた。

 西山英彦審議官が22日の会見で明らかにした。2人は今後、東電が敷地内に設置した緊急対策本部に泊まり込み、情報収集に当たるという。

 15日に2人を避難させた理由を西山審議官は「(原発周辺に)残した方が良かったという考え方もあったと思うが、常駐させるのは生活上の不便や、(食料を運ぶなど)後方支援の問題もあった」と説明した。

 2人が避難したことで、保安院は作業の進捗(しんちょく)状況など現場の情報を東電から聞き取るしかなく、敷地内の放射線量のモニタリング(監視)業務も東電に指示していた。避難指示の適切さについて西山審議官は「巨大なプラントなので、国が逐一見るのは不可能。現場にいなくても規制はできる」と釈明した。【日野行介、関東晋慈】

→保安院は、15-22日に原発から県庁へ
→その間、例えば下記の記事の東電の下請け社員は、17-19日に避難所から原発へ


避難所から原発へ
「温度下げるのが使命」 5,6号機の作業員

3月23日 読売新聞

・・・作業員は東電の下請け会社に勤務する50代の男性。地震発生時は原発敷地内の事務所におり、強い揺れを感じた。自宅が避難指示区域にあったため、家族とともに福島市内の避難所に身を寄せていたが、会社からの呼び出しを受け、17-19日、現場に出向いた・・・


東電、役員の報酬カット検討…原発事故で
2011年3月22日23時51分 読売新聞
東京電力は22日、福島第一原子力発電所の事故を受け、清水正孝社長ら役員の報酬カットを検討すると発表した。

 東電では、柏崎刈羽原発(新潟県)の運転停止などで業績が悪化した2007年度以降、役員の報酬を10~20%カットしており、削減幅をさらに拡大する方針だ。

→東電のみなさんも必死だと思いますが、先ず、何よりも、避難所からでも命がけで現地に赴いた、東電下請けのみなさんほか、関係者にはしっかりと報いてください。最も危険をおかした人が最も報われるべき。

→有事において世の中のために最も危険を冒す人を社会が尊敬し、みんなで報いる社会をつくろう!