国民総力戦:訪問看護は命に関わること。緊急車両のように給油の優先度を高めてほしい | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

国民総力戦:訪問看護は命に関わること。緊急車両のように給油の優先度を高めてほしい


燃料不足で看護・介護も影響深刻

3月18日 東奥日報

 東日本大震災による燃料不足の影響で、県内の訪問看護・訪問介護サービスが縮小している。家族に点滴の取り外しなど医療的処置を緊急依頼し、訪問回数を減らす事業所が出ているほか、食事、排せつ、清掃など、日常生活のケアを縮小する介護事業所もある。一方、「デイサービス」の相次ぐ休止で、「訪問」を求める在宅高齢者が増加。事業所はニーズに十分にこたえられない状況だ。介護現場は混乱しており、高齢者の不安と負担が増している。

 青森市の訪問看護ステーションあおい森は、週100回程度行っていた訪問回数を、震災後は3~4割減らした。

 症状が重い患者にはこれまで通りの訪問をしているが、容体が安定している患者は、毎日行っていた訪問を週3回程度に抑えている。訪問回数が減る分、点滴の取り外しなど、家族の協力を緊急避難的に依頼している。

 新規の利用申し込みは受け付けていない。

 所長の泉美紀子さんやスタッフは「訪問ルートを再編成し、効率的な訪問を心掛けている。ガソリン不足が続くと、重症の患者さんの訪問も厳しくなる」と危機感を表す。

 おいらせ町訪問看護ステーションも訪問を制限。看護師長の上野留美子さんは「例えば、おしっこの管(尿道留置カテーテル)を使っている人が5~6人いるが、週3回の膀胱(ぼうこう)洗浄を2回にして、後は水分を多く取るよう家族らに協力をお願いしている。また、床ずれについても、(状態を悪化させないため)家族の協力が必要」と話す。

 同町ではデイサービス、デイケアを提供していた9カ所のうち6カ所がサービスを休止。その影響で在宅訪問サービスを希望する高齢者は増えているが「(ガソリン不足などにより)希望に十分に応えることができない」と上野さんは悔しがる。

 看護のほか、介護の現場も状況は厳しい。青森市のある訪問介護事業所は17日、訪問介護の一時休止を決めた。ヘルパーの通勤すらできないほどガソリンが足りないという。同事業所管理者は「気になる認知症の利用者もいるのですが…」と言葉を濁した。

 県内の多くの医療・福祉関係者は「デイケア中止などによって、高齢者の不安、家族の負担は増えている」と指摘。訪問事業の必要性を強調するが「燃料がないと巡回できない」とジレンマを語る。

 健生訪問看護ステーションたまち(弘前市)の工藤千恵子所長は「訪問看護は命に関わること。緊急車両のように給油の優先度を高めてほしい」と訴えた。


東日本大震災:支援情報 県と神戸市、透析患者を受け入れへ /兵庫

毎日新聞 2011年3月18日


 県と神戸市は、東日本大震災被災地で治療が困難な状態にある人工透析患者の受け入れを決めた。透析治療が可能な医療機関や、患者と家族の宿泊施設を確保する。

 県は透析医会を通じ、患者を受け入れる医療機関の調整を進めている。15日午後5時現在で入院25人、外来475人の対応が可能という。

 神戸市は22日から、患者をしあわせの村(同市北区)など同市関連の宿泊施設で受け入れる。無料。患者と家族の最大80人の受け入れが可能だという。

 患者は、市内26カ所の医療機関で透析治療を受けられる。宿泊施設から各医療機関までは市が手配したバスで送迎する。神戸までの搬送方法については国が調整を進めている。滞在中は、市の保健師が健康相談に応じる。【米山淳、石川貴教】


震災被災地へ医薬品安定供給を
2011年3月18日 薬事日報社説

 11日の午後2時46分ごろに、東北地方太平洋沖で発生したマグニチュード9・0の東日本大震災は、岩手県沖から茨城県沖にかけて震源域約500kmに及び、東日本に甚大な被害をもたらした。

 学校などの各避難所には、約55万人が避難しているとされるが、収容人数は限界に達し、水や食料、ガソリンなどのライフラインに直結する物資も大幅に不足している。

 このような現況の中、被災地の医療機関では、医薬品不足が大きな問題になっている。医薬品を卸の物流センターから医療機関に配達する運搬車の、ガソリンが不足しているからだ。コンビナートが崩壊し、タンクローリーも入れない被災地でのガソリン不足は、日ごとに深刻さを増している。

 被災地の医療機関では、1カ月の長期処方でも、2週間の分割処方するなどの工夫により、医薬品の安定供給に努めてきた。だが、医薬品が十分に搬入されない現状では、それらの工夫も限界に近づきつつある。

 被災地での緊急用医薬品の供給は、必要な時間に、必要なところへ、必要な量を、いかにして早く届けるかが、最も重要なポイントとなる。

 人命に直結する医薬品の安定供給を保持するには、当局が早急に、医薬品運搬車にも国の緊急車両と同様に、ガソリンを優先的に回す措置を講ずる必要があるだろう。

 壊滅的な被害を受けて交通網が遮断され、車両による運搬が困難な地域への医薬品供給については、自衛隊と連携して、ヘリコプター輸送を考えねばなるまい。

 一方、医薬品の集積所や救護所など非常時の医薬品供給において、薬剤師が果たす役割は大きい。日本薬剤師会では、11日に災害対策本部を設置して、被害に遭った関係薬剤師会と連絡を取り、状況把握に努めながら、支援策を練っている。

 被災地に入る交通手段がない状況で、全国からボランティアや救援物資を募っても、被災地への的確な支援とはならない。二次被災の恐れもあるため、薬剤師は個々に動かず、政府や自治体などの方針に基づき、日薬などといった一つの組織として、有機的に活動していくことが必要ではないか。

 日薬が支援の対象としているのは、宮城県、岩手県、福島県と、原発の影響で避難者が多い茨城県内の医薬品集積所と救護所だ。

 薬剤師が救護活動に携わる場合、災害発生時からの時間経過によって、業務が変化することを認識しておかねばならない。

 初期の段階では、大量に救護所に送られてきた医薬品の整理が重要となる。第二段階では、被災地の環境に応じた解熱鎮痛剤、感冒薬、止寫薬などの対象薬の収集や医薬品情報の提供。第三段階では、慢性疾患患者に対する服薬指導などが焦点となる。

 第二・第三段階では、医師が処方したい医薬品が、救護所にない場合の代替薬の選択も、薬剤師の重要な使命となるだろう。

 また、救護活動では、どうしても現場での服薬指導などに目が奪われがちになるが、医薬品の適切な供給も、薬剤師の大きな職能の一つであることを忘れてはならない。

 被災地での医薬品安定供給の実現と共に、各医療従事者が互いの職能を発揮し合って、被災地を的確に支援する救護活動が展開されることを期待したい。


いまNHKで医療支援の指令塔がないために、①最初の医療支援チームは外科的処方担当だったから帰還、②厚生労働省は避難所で誰がどこで医療活動しているか把握していない、助けに行きたい医者は大勢いるが対応できない、③医療が必要な人を搬出して対応できる医療施設で対応することができれば現地の病院の負担が減る必要―という総括していました。

指令塔不足を克服する必要があるとのこと。

現場からの情報が入らなければ指令塔は機能しません。主要な避難所は大丈夫かもしれませんが、孤立地帯など全避難所に情報ネットワークをつくり、輸送手段を確保できるのは自衛隊しかないのではないでしょうか。

なんでもかんでも自衛隊といってはいけないのかもしれませんが、行政が破壊されている非常事態です。現場の自衛官も限界でしょう。各部隊の自衛隊の医療関係のみなさん、あるいは防衛医大の方とかで、ラインをつくて、必要な人とモノをうけいれ、必要な人を外部の医療機関に搬出する指令塔をつくらないと、いま報道されているような事態は終わらないのではないでしょうか?