国民総力戦:ガソリン不足危機突破!沖縄からも被災者受け入れの声! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

国民総力戦:ガソリン不足危機突破!沖縄からも被災者受け入れの声!



東日本大震災:停滞続く物資輸送 人手、燃料が不足 インフラは復旧進む

毎日新聞 2011年3月18日

 「入院患者の食料は来週分まで。脳外科手術用ドレーン(管)は残り四つ。このままでは診療が破綻してしまう」。会津中央病院救命救急センター(福島県会津若松市)の研修医、川上裕さん(30)は、切迫し始めた院内の状況を訴えた。比較的被害の少なかった会津地方の病院ですら悩まされる深刻な物資不足。モノ余りといわれるこの国でなぜ、こんな事態に陥っているのか。【石原聖、樋岡徹也、福永方人、堀智行】

 川上さんによると、入院患者の食料や薬などを発注しても、流通業者はガソリン不足で輸送できない。一時は入院患者の食料が残り2日分になったが、事務職員や看護師がコンビニやスーパーで総菜などを買い集め、持ち寄った米でしのいだ。川上さんは「スーパーの食料も底を突きかけている。残った食料も菓子パンなど非常食ばかり。栄養がとても足りない」と話す。

 道路などのインフラ自体は復旧が進んでいる。国土交通省によると、17日までに幹線道路で94%、空港で100%が復旧し、港湾でも60%が使えるめどが立った。

 大津波に襲われた太平洋岸を南北に結ぶ国道45号は9カ所で落橋したため、救援物資は東北道や並行する国道4号で輸送される。この2本の道路と、太平洋側の被災地をあばら骨のように結ぶ16本の国道は、福島第1原発付近を通る国道288号を除く15本が復旧した。

 国交省は全日本トラック協会を通じ、救援物資の輸送を要請。トラック2000台超が緊急車両として、物資の搬送を始めている。

 ただ、避難所につながる市町村道までは手が回らず、寸断されている地点も多い。

 ◇自治体、苦悩抱え「届ける態勢整わず、被災者の手に渡らない」

 ◇自衛隊の運搬作業本格化

 >「救援物資が不足しているわけではなく、避難所に届ける態勢が整っていない地域があるため、なかなか被災者の手に渡らない」。宮城県災害対策本部の担当者は苦悩している現状を説明する。

 県内の被災地への物資の供給拠点である同県石巻市の公園などには、水や食料、薬などが全国各地から次々と集まっている。だが、津波被害が大きい自治体を中心に、人手や燃料が足りず、避難所に思うように配送できていないのが現状だ。

 県の担当者は「自治体によっては職員も被災し、マンパワーが確保できていない。被災範囲が広いほか、がれきや泥で車両が入れない場所もあり、輸送に時間がかかっている」と嘆いた

 こうした事態を受け防衛省は16日、救援物資輸送の手順を決め、物資の収集、運搬作業を本格化させた。全国の自治体や企業など提供希望者は、種類や数量を都道府県に連絡。都道府県と自衛隊が調整し、提供者に救援物資を受け入れる駐屯地や基地を連絡し、提供者は指定の日時に運び込む。救援物資は自衛隊の輸送機で空輸し、車両やヘリで避難所などに運ぶ

 被災直後は救援物資を集積する場所や方法が決まっておらず、輸送が滞るケースが見られた。

 自衛隊が物資収集・運搬を一元化するのは、道路事情が劣悪な被災地でも自衛隊であれば迅速に大量の輸送が可能なためだ。

 仙台市の担当者は「燃料が足りないため市では運べず、自衛隊にお願いした」と話す。ただ、行方不明者の捜索や孤立した被災者の救助を続ける自衛隊の輸送能力にも限度がある。初めての取り組みのため、順調に物資が輸送されるようになるまでには1週間程度かかる見込みという。

 また、福島第1原発から半径30キロ圏内の避難住民からは、救援物資が届かないとの声が上がっている。救援物資を搬送する運転手が「被ばくするのでは」と思い込んで敬遠していると見られる。

 ◇増産、物流網再構築急ぐ 被災の工場も一部再開
 生産は間に合っているのか。食品、日用品メーカー、小売り各社は増産や物流網再構築を急いでいる。【井出晋平、小倉祥徳、太田圭介、谷多由】

 「必要度の高い製品の生産を優先する」。ハウス食品は19日から、子会社のサンハウス食品(愛知県江南市)で、デザート製品を減産し、レトルトカレーの増産を決めた。

 ハウスの静岡工場(静岡県袋井市)も休日稼働させ、合計で約2割増産する計画。担当者は「お湯で温めれば食べられるので、役立つと思う」と話す。

 キユーピーも、レトルトおかゆの約5割増産を決定。震災で関東工場(茨城県取手市)の設備が一部損壊した日清食品ホールディングスは、西日本などの3工場の生産量を引き上げ供給量の維持に努める。山崎製パンも被災した仙台工場(宮城県柴田町)を除く全国24工場をフル稼働。アサヒ飲料も、西日本の2工場を水と茶類の優先生産に切り替えた。

 被災地では、日用品も不足。ユニ・チャームは、四国工場(香川県観音寺市)など2工場で、12日から24時間体制で紙おむつや生理用品を増産。日本製紙クレシア、大王製紙、王子ネピアも、西日本の工場でトイレットペーパーやティッシュなどをフル生産している。

 パナソニックは、大阪府内の工場で乾電池の増産を始めたほか、タイなど海外工場からの輸入を拡大。日立マクセルも14日から、同茨木市の大阪事業所で24時間のフル生産で乾電池の増産を始めた。岩谷産業も、関東地区の3工場でカセットコンロとカセットボンベの増産準備を進める。

 東北地方約800店舗のうち、一時は約8割が営業中止したローソンは、17日までに約9割が営業を再開した。宮城県内の配送センターが被災したため、13日から埼玉県内の配送センターからの発送に切り替え、毎日10トントラック3~5台で食料品などを東北地方の店舗に配送。「早く届けられるよう最善を尽くしている」(広報)という。

 東北地区のほとんどの店舗が休業したイオンは17日現在、9割以上の店舗が再開。宮城県内の物流センターの物資不足を補うため、千葉県や北海道から東北への配送を始めた。福島県内の物流センターが被災して使用不能となった医薬品卸の東邦ホールディングスも、関東地区の2拠点から東北の営業拠点に直接輸送する体制に切り替えた。

 被災した製造拠点の復旧も始まっている。ローソンは15日から、電力が復旧し操業再開した東北地方の4カ所の弁当工場へ、東京から米やのりなどの供給を開始。現地でおにぎりなど1日計約2万個の製造を始めた。ハウス食品も、製造設備が損壊した関東工場(栃木県佐野市)を復旧し、17日からカレールーやシチューなどの生産を再開した。ただ、「被害がひどく再開の見通しが立たない」(江崎グリコ)という工場もある。

 また「増産しているが、東京電力の計画停電時間中は操業を停止せざるを得ない」(日本製紙クレシア)という企業もあり、停電も足かせになっている。

 ガソリン不足も被災地への供給を阻む。「18日の配送分でガソリンが尽きるところだったが、各地からかき集めて配送できることになった」(大手コンビニ)という企業もあり、各社はガソリン確保に頭を悩ませる。



被災者支援大震災 沖縄へ「疎開」受け入れを
2011年3月18日 琉球新報社説
 人気アニメ「それいけ!アンパンマン」の主題歌がラジオを通じて東日本大震災の被災地に向け、繰り返し流れている。まったく頼りない政府に代わって人々を勇気づけている。
 改善しない支援物資の輸送、原発事故をめぐる情報混乱。菅政権の対応は後手後手に回り、司令塔不在で混乱は深まるばかりだ。
 特に外国政府との対応の違いは鮮明だ。米国や韓国など各国は、福島第1原発の半径80キロ以内に住む自国民に対し避難するよう勧告した。
 日本政府が住民に指示した範囲より4倍広いのは、より深刻に受け止めているからだろう。
 国際原子力機関(IAEA)加盟各国から、日本の情報提供不足や情報発信の遅れに批判が集まっている。
 菅直人首相や枝野幸男官房長官、東京電力などの会見を聞くと、リスクを過小評価しているようにみえてならない。
 原発事故で高濃度の放射性物質が既に風に乗って拡散した。まだ封じ込めは成功していない。災害時には過大といわれるくらい大胆な手を打つ必要がある

 沖縄にいる私たちにできることは何だろう。
 まず急を要する支援として、県と市町村が実施中の人命救助をはじめ、救援物資の輸送、募金活動などがあるだろう。
 もう一つ、疎開者の受け入れ態勢を整えることではないか。
 被災地の東北地方は寒波が到来し、真冬並みの寒さの中で被災者は肩を寄せ合って避難生活に耐えている。完全復旧までには相当の時間がかかるだろう。
 県や市町村の公営住宅への入居や仮設住宅の建設、学校の体育館の開放、国の宿泊研修施設も利用できるのではないか。
 思いやり予算で建設された米軍住宅で空き部屋があるなら、この際提供を検討してもらいたい。観光業界も動いている。民泊なら一般家庭でも可能だ。
 かつて沖縄は沖縄戦を避けてお年寄りや児童を九州や台湾に集団疎開させた経験がある。沖縄戦直後は家に戻れず、しばらく米軍収容所での生活を余儀なくされた。
 県民は激烈な沖縄戦で肉親を失ったつらさに耐え、支え合って困難を乗り越えてきた。私たちにとって被災者の痛みは人ごとではない。まずお年寄りや子どもたちなど弱者の疎開受け入れを急ぎたい。