日銀法改正:日銀総裁「物価偏重の政策、金融安定を阻害」→雇用の安定を目的条項に! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日銀法改正:日銀総裁「物価偏重の政策、金融安定を阻害」→雇用の安定を目的条項に!

秘書です。

日本銀行法第2条に何と書いてあるでしょう?

(通貨及び金融の調節の理念)
第二条  日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。


昨日の衆院内閣委員会は、与謝野経財相は安定的な物価上昇を物価上昇率0%プラスと考えていること(海江田大臣はGDPデフレーターで1%以上のプラスが1年以上と昨年述べていて全く違う)がわかりましたが、フランクフルトで白川総裁は、物価偏重はダメだということです。

■日銀総裁「物価偏重の政策、金融安定を阻害」
2011.3.10 05:00 SANKEI BIZ
. 日銀の白川方明(まさあき)総裁はドイツのフランクフルト大で8日(日本時間9日未明)に講演し、「足元の物価上昇率の動きだけに過度に焦点が当たると、金融システムの安定を阻害することにもなりかねない」と述べ、資産価格やマクロ経済動向などにも十分配慮し、バランスの取れた金融政策が重要との見方を示した。

 白川氏は、2008年の世界金融危機の背景には、資産価格の上昇など金融面の不均衡があったと説明。インフレ懸念が高まらない中で先進国が金融緩和を長期間続けたことが、こうしたバブルの一因になったと指摘した。

 今後の金融政策に関しては「確率は小さいが、起きれば非常に大きな影響を及ぼすリスクへの備えがますます重要になる」と指摘。バブルが崩壊した後の政策対応だけでなく、バブルを予防する観点からのリスク管理が重要だと強調した。


→長期デフレから抜け出れない日銀総裁にいわれると、日本はバブルを20年起こしていないと、長期デフレを肯定しているように聞こえるのでは?

また「フォワードルッキング」的発想がでてきましたね。「確率は小さいが、起きれば非常に大きな影響を及ぼすリスクへの備え」として、金融政策をやる。ひょっとしたら、物価上昇率がマイナスでもインフレリスクの備えがあるといって金融を引き締めるかもしれない。

→2006-2007年はそうして失敗した。2000年もそうでしょう?失敗の原因を聞かれれば、海外要因を答えるのでしょう。だからフォワードルッキングなどできないのです。全知全能ではないのですから海外要因なんかわからない。でもフォワードルッキングの間違いの結果責任だけは絶対にとらない。責任をとらない人は根拠のないフォワードルッキングをしてはいけないのでは?

→長期デフレは、「確率は小さいが、起きれば非常に大きな影響を及ぼすリスクへの備え」として肯定されてしまうのではないですか。これはすごい論理です。100年デフレでも肯定できますね!!

→いずれにしても、日銀総裁が「物価の安定だけではだめだ」といっているのですから、それでは日銀法2条に欠陥がありますね!日銀法を改正して目的条項に「雇用の安定化」をいれましょう!


■民主議連が総合デフレ対策案を協議、超党派議論めざす
2011年 03月 9日 15:18 JST
[東京 9日 ロイター] 民主党の「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(会長:松原仁衆院議員)は9日の総会で、物価安定目標の導入など日銀法の改正を柱とする総合デフレ対策案について協議した。
 議連は今後、超党派での議論拡大をめざすとともに、事務局案を基に法案作りを進め、議員立法による国会提出を視野に入れている。

 昨年12月にまとめた日銀法改正試案に基づき、事務局が作成した総合デフレ対策案では、日銀が目指すべき物価上昇率目標を示し、達成すべき期限を明記することを盛り込んでいる。また、金融政策の目標に「雇用の安定化」を追加することや、内閣が衆参両院の同意を得て日銀総裁や副総裁、審議委員の解任権を持つことなども列挙した。財務相と日銀総裁が出席する協議の場を最低でも月に一度開催し、政府が日銀に金融政策の申し入れを行い、抜本対策を政府と日銀が連携して実行するよう求めるなど、政府・日銀の連携を緊密化させることも盛り込んだ。

 議連の池田元久特別顧問(経済産業副大臣)は総会で「国民を苦しめるデフレ(からの)脱却こそ最優先課題との認識で行動してきたが、消極的な意見の多かったインフレターゲットなど(について)少し空気が代わる芽が出てきた」と指摘。「日銀法改正という目的だけでなく、現状をしっかり把握して対応を打ち出す。党派で見解が大きく分かれることはないので、活動を強化して目標に向かって前進したい」と述べ、超党派でも議論拡大に意欲を示した。

 事務局長を務める宮崎岳志衆院議員によると、議連は今後の協議を経て議員立法に向けた法案作りを進める方針。「4月頃までには成案を得たい」としている。

→物価目標をもっているスウェーデンはなぜ物価マイナスから物価プラスになったのか。

→日銀が物価目標に反対なのは、目標を達成できなかったときに責任をとりたくないからでしょう?フォーワードルッキングに起こる可能性が極めて少ないことに備えて、長期デフレを続けて「ほらバブルがおきていないでしょう」って?

→スウェーデンをモデルに増税国家路線を推進している増税派のみなさん!ぜひ、スウェーデン国民のリスクをとる前向きの精神と、そして、スウェーデンの中央銀行の反デフレ姿勢に学んでください。大きな政府でも成長できる、というよりも、成長しているから大きな政府が支えられるのです。スウェーデンが長期デフレに陥ったら大きな政府は持続不可能でしょう?長期デフレでもスウェーデン型の福祉国家は維持できますか?スウェーデン型社会民主主義を支持されるみなさんがデフレ派と連合するのは誤りです!


→消費税率17%は政治的にこなせないという、政治的(直観的?)理由で反対する経財相のもとでは、国民に安心感のあるスウェーデン型の大きな政府はできないでしょう。スウェーデンとは似て非なる、何の安心感もないきわめて中途半端な増税になるための広告塔に終わってしまうのでは?それで大丈夫ですか?大きな政府派の戦線は?

→心ある社会民主主義者のみなさん、中途半端な財政再建と既得権益温存のための増税の広告塔で終わらないように!スウェーデンの金融政策を学習し、ともに日銀法改正の反デフレ共闘にご参加を!