天下り指定席ポスト答弁書:指定席天下りは今年の人事シーズンで全面解禁でしょう | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

天下り指定席ポスト答弁書:指定席天下りは今年の人事シーズンで全面解禁でしょう

秘書です。
天下り指定席答弁書についての記事です。


■<天下り>「指定席」答弁書を閣議決定
毎日新聞 3月4日(金)20時32分配信

 政府は4日、国家公務員OBが5代以上続けて再就職しているポストのある公益法人6団体に、2月までの過去10年間で計114人が再就職していたとする答弁書を閣議決定した。うち20人は政権交代後に再就職していた。自民党の中川秀直元幹事長の質問主意書に答えた。

 6団体は、全国二輪車安全普及協会▽日本農業研究所▽日本冷凍空調設備工業連合会▽日本海事代理士会▽日本海難防止協会▽安全保障懇話会。答弁書によると、114人のうち8人は省庁側によるあっせんがあったが、政権交代後に再就職した20人については、あっせんは確認されていないという。

 民主党は野党時代、官僚OBが続けて再就職する特定ポストを「天下り指定席」と呼び批判していたが、政権交代後は天下りについて、省庁のあっせんがある場合に限り禁止する姿勢をとっている。【吉永康朗】


→3代以上続けて同一省庁からの再就職のある天下り「指定席」ポストについては、あっせんの有無の確認が難しい「裏下り」ルートです。

①野党時代の民主党は、「指定席」ポストを問題視していました。

2009/02/27民主党ニュース
【衆院本会議】逢坂議員、平成21年度予算3案めぐり反対討論

民主党が指摘する官僚OB間で天下り団体の指定席を引き継ぐ「裏ルート」に関しては弱腰姿勢であるとして、麻生首相のもとでは天下り・わたりの根絶はできるはずがないと非難した。

②与党になってからの民主党は、「退職管理基本方針」で、同一府省退職者が何代も連続して再就職している独立行政法人、特殊法人、政府関連公益法人等におけるポストに、同一府省退職者が何代も※連続して再就職している独立行政法人、特殊法人、政府関連公益法人等における理事長等のポスト(以下「特定ポスト」という。)について、ア)当該府省の当該独立行政法人、特殊法人、政府関連公益法人等に対する行政上の権限、イ)契約・補助金等の関係、ウ)当該再就職の経緯等を精査することにしました。

※菅政権では3代以上

③2月22日の政府答弁書

菅政権は、退職管理基本方針にある「ア)当該府省の当該独立行政法人、特殊法人、政府関連公益法人等に対する行政上の権限、イ)契約・補助金等の関係、ウ)当該再就職の経緯等を精査する」としている。これらアーウの精査項目のそれぞれについて、独立行政法人、特殊法人、政府関連公益法人等における理事長等のポストに同一府省退職者が何代も連続して再就職しているにもかかわらず、退職管理基本方針に反しないと考えられるケースはどのようなものか」との問いに対して、以下のように回答しています。

「退職管理基本方針」2(3)アにおいては、特定ポストについて、事実上の再就職あっせんの慣行がある
のではないかとの疑念を解消し、適正化を図る観点から、当該府省の法人に対する行政上の権限、契約・
補助金等の関係、当該再就職の経緯等を精査することとしているものであり、例えば、行政上の権限関係及び契約・補助金等の関与が適正であると認められる場合や、公平性及び透明性が確保された手続による選任が行われている場合等には、基本的には問題ないものと考えられる。


→これは役所の天下り法人に対する行政上の権限関係及び契約・補助金等の関与があったとしても、その関与が「適正」と認められる場合であれば、「指定席ポスト」への天下りは「基本的には問題ない」といっているわけです。

そこで今回の再質問書になりました。先の自民党要請による衆議院の予備的調査で明らかになった5代続けて天下りした法人への民主党政権でさらに連続して天下りしたことについて、いかなる判断基準で「適正」なのかを聞きました。


④3月4日(本日)の指定席答弁書

まず、記事にある6法人については、役所から天下り団体への確認等だったことを明らかにしています。

お尋ねの「就任に当たっての一般職国家公務員・政務三役・元国家公務員による斡旋の有無、天下り斡
旋がなかったことを認定するに至った根拠」については、一についてで述べた六団体において三代以上連
続して国家公務員退職者が再就職している役職に職員が就任するに当たっての、一般職国家公務員、政務
三役又は元国家公務員によるあっせんについて、それぞれの団体に対し所管府省から問い合わせを行う等、各府省等において可能な範囲で確認したものである。

では、上記③の2月22日の答弁書にある「行政上の権限関係及び契約・補助金等の関与が適正であると認められる場合や、公平性及び透明性が確保された手続による選任が行われている場合等には基本的には問題ないものと考えられる。」とするその適正判断はどのように行ったのか、については、

「退職管理基本方針」において特定ポストについて講ずることとしている措置の具体的内容については、現在、政府において必要な作業及び検討を行っているところである。

と政府答弁書にあります。

つまり、指定席ポストについては、


①事実上の再就職あっせんの慣行があるのではないかとの疑念を解消し、適正化を図る観点から、当該府省の法人に対する行政上の権限、契約・補助金等の関係、当該再就職の経緯等を精査することを「退職管理基本方針」で定めているが、まだ、必要な作業と検討を行っている段階

②民主党政権下については事実上の再就職あっせんがあるとの疑いのある「指定席」ポストについては、「それぞれの団体に対し所管府省から問い合わせを行う等、各府省等において可能な範囲で確認」しているだけです。

しかし、その確認作業では裏がとれないのが「指定席」ポスト。だから精査が必要だったのに、ぐるっとまわって、また、裏がとれない確認作業をしている、ということです。


役所が天下り団体に「誰かにあっせんされたか」と聞いて「はい」と答えたら政府の方針に反し、「いいえ」と答えればおとがめなし。これは「指定席」ポストの全面解禁を意味します。

民主党政権が今年の人事のシーズンまで続いてしまったとき、全面的な「指定席」ポスト復活となっていることでしょう。