【お知らせ】所得税法等の一部を改正する法律附則第百四条に関する政府答弁書 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

【お知らせ】所得税法等の一部を改正する法律附則第百四条に関する政府答弁書

【お知らせ】所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条に関する政府答弁書
 
本日2月25日に「所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条に関する質問に対する答弁書」が閣議決定されました。

増税派のみなさんが根拠としている附則104条についての解釈です。ポイントは、税制改革の前提である「経済状況の好転」の解釈です。

この答弁をみる限り、デフレ下では増税はしませんとは言っていませんね。やはりデフレ下での増税路線なのでしょうか?


内容は下記のPDFファイルです。

http://dex-s.sakura.ne.jp/n_contents/n_topics/wp-content/uploads/2011/02/shotoku225.pdf

→質問内容は下記の通りです。

所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条に関する質問主意書

財政再建は経済再生と一体的に行われる必要がある。よって、所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条の解釈について下記の質問をする。

一、所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条第一項は「政府は、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げのための財源措置並びに年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用の見通しを踏まえつつ、平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。この場合において、当該改革は、二千十年代(平成二十二年から平成三十一年までの期間をいう。)の半ばまでに持続可能な財政構造を確立することを旨とするものとする。」としているが、本条文の解釈について以下の項目について回答されたい。

(一)「平成二十年度を含む三年以内」とは具体的にいつからいつまでを指すのか。平成何年何月から平成何年何月までと具体的に明記されたい。

(二)「景気回復に向けた集中的な取組」とは何か。

(三)「経済状況を好転させること」とは具体的にどの様な状況を意味するのか。景気の谷を越えれば経済状況好転と言えるのか。

(四)菅総理は二〇〇九年十一月にデフレ宣言をしたが、「経済状況を好転させること」には、デフレ脱却が含まれるのか。また、デフレはいつまでに脱却できるのか。

(五)二月十四日にGDP統計が内閣府から公表されたが、公表された日本経済の状態は「経済状況の好転」にあたるのか。
(六) 段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うことは「経済状況を好転させることを前提」としているが、前提とはどのような意味か。税制改革が景気の二番底に向かうリスク回避の意味が含まれるか。

(七)「平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする」とは、「講じなればいけない」のか、それとも努力目標なのか。もし「講じない」場合、罰則はあるのか、その場合の責任はどうなるのか。


二、所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条第二項は「前項の改革を具体的に実施するための施行期日等を法制上定めるに当たっては、景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極め、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとするものとし、当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行われるものとする。」としているが、本条文の解釈について以下の項目について回答されたい。

(一)「景気回復過程の状況」とは何か。

(二)「国際経済の動向」とは何か。

(三)「予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組み」とは、具体的にはどういう仕組みか。

(四)「不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底すること」とは何か。今行っていることを例示されたい。

(五)「一段と注力して」とは何か。何と比べて「一段と」なのか。

右質問する。


→ポイントは、

一の(一)について

「平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行う」とにある「平成二十年度を含む三年以内」とは、平成23年(2011年)3月末までの期間とのこと。


一の(三)の「「経済状況を好転させること」とは具体的にどの様な状況を意味するのか。景気の谷を越えれば経済状況好転と言えるのか。」との問に、答えていませんね。

「「経済状況を好転させることを前提」とは、・・・総合的に判断して、消費税を含む税制の抜本的な改革を実施できる状況とすることを示すものと考えている」とありますが、その状況を聞いているのです。

経済状況の好転とは、「潜在成長率到達点」からをいうのではないか。これはGDPギャップがマイナスのときのこと。

2008年の与謝野経済財政政策担当大臣時代の、下記の経済財政諮問会議資料の26ページに「潜在成長率の発揮が見込まれる段階から、税制抜本改革の施行開始」と書いてありますが、28ページの「景気の局面に関する概念図」では、景気の底を越えた直後のマイナスのGDPギャップがある段階から、増税ができるとの解釈になっています。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/minutes/2008/1216/item3.pdf

景気の底を越えていれば即増税?

菅民主党も、景気の底を越えていれば即増税ですか?

一の(四)の「菅総理は二〇〇九年十一月にデフレ宣言をしたが、「経済状況を好転させること」には、デフレ脱却が含まれるのか。また、デフレはいつまでに脱却できるのか。」にも答えていませんね。

デフレについては、政府答弁書では、新成長戦略で「2011年度中には・・・デフレを終結させることを目指す」こととしている、としています。では、デフレを終結できなかったらどうするのか、「安定的な物価上昇」とは一体何なのか。

これでは、やはり、「デフレ下の増税」も念頭に置いているといわざるをえません。GDPギャップがマイナスでも増税をやる、ということで、本当に経済界も労働界もいいのでしょうか。うちは外需依存だから関係ない、などということはないとは思いますが・・・