予備的調査に対する政府の虚偽回答の証拠①:衆院内閣委2010年4月28日の平井たくや代議士質問 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

予備的調査に対する政府の虚偽回答の証拠①:衆院内閣委2010年4月28日の平井たくや代議士質問

平成22年4月28日衆議院内閣委員会における平井たくや代議士の質問より。

ポイント1=官僚OBの坂さん本人が斡旋を認めている(官房長官ら出席の委員会にて)
ポイント2=官房長官は本事案は「疑わしい事案」と認識



○平井委員・・・まず、田村政務官、おいでですね。お聞きしたいんですが、日本損保協会に、坂前副会長が協会に対して牧野氏を推薦し、協会として検討した結果、牧野氏を選任したという経緯、この間の質疑でありましたけれども、金融庁の担当課から損保協会に、三月下旬というような話があったと思いますが、改めて確認をします。

 確認をしたのは三月下旬ですか。

○田村大臣政務官 お答えいたします。

 中川委員から御質問をいただいて、その後確認をいたしました。

 三月二十三日に再就職等監視担当室からの依頼がありまして、その日に、金融庁の監督局保険課の担当者から損保協会の窓口担当者に対しまして、電話及びメールによりまして確認すべき事項を伝達したということです。

○平井委員 そして、さっきの配付資料で説明したとおり、二月八日の予算委員会で仙谷大臣は、「厳しく調査をしてみたい」、松井長官は、「しっかりと事実関係を精査し、判断していきたい」と答弁して、その後一カ月以上も調査をせずに放置した理由は何ですか、田村政務官。

○田村大臣政務官 先日の中川委員に対する答弁でも若干申し上げましたけれども、金融庁としましては、その公益法人を所管する立場として、今回、再就職等監視担当室からの依頼がありましたので、その依頼を受けて損保協会に対して事実関係の確認を行ったということでございます。

○平井委員 いつ、だれから依頼があったか、お答えください。

○田村大臣政務官 先ほども申し上げましたように、三月二十三日に再就職等監視の担当室から金融庁に依頼がありまして、その同じ日に金融庁の監督局保険課の担当者から損保協会の窓口担当者に対して確認すべき事項を伝達したということでございます。

○平井委員 これは、一体だれの責任で、そんなふうに遅くなったというのは、では金融庁の責任ではないということですね。

○田村大臣政務官 責任逃れをするつもりは毛頭ございませんけれども、金融庁としては、もともと調査権限があるというわけではございませんので、あくまで協会を所管する立場で、再就職等監視担当室から依頼があって、その依頼にこたえたということでございます。

○平井委員 それでは、担当室はサボっていたということを認めるわけですね。

○田村大臣政務官 いえ、決してそのように考えているわけではございません。

○平井委員 それでは、要するに、今回、だれが責任者かよくわからないんですけれども、さっき、この調査は官僚にお願いしてやりとりをしたという報告がありましたけれども、この裏下りの調査を官僚にやらせるという判断はどなたがなさいましたか。

○田村大臣政務官 そこは私は存じ上げておりませんけれども、あくまでも依頼を受けて確認した、特に官僚が確認をするようにという依頼を受けたわけではなくて、協会に確認をしてくれという依頼があったので、担当者がそれに対応したということです。

○平井委員 政治主導をやるんでしょう。これは、はっきり言って、いつ、だれが保険課に指示を出したかと。

 そして、もう一つ聞くと、何でそれを自分でやらないんだという話ですよ。政治主導を本当にうたいながら、それも、要するに官僚が官僚を調べるなんということはできないでしょう。そんなときには自分がみずからやらないと。これは、忙しかったなんという理由は言えないと思いますよ。だって、この問題は民主党のマニフェストの一丁目一番地じゃないですか。ですから、本当にやる気があるのかどうなのか、そのことが私は大変疑問に思います。

 これ以上、田村政務官にいろいろ言っても、同情する点もありますからやめておきますけれども、本当にこれは政治主導でやるべきだと私は思うんですよ。こういう問題については、大ペテンを今民主党はやろうとしているわけですから、それぞれ立場のある人はちゃんとやってほしいですよ。このまま行っちゃうと、これは詐欺法案と言われますよ、後々。(発言する者あり)大うそつき法案ということになると思います。

 それで、きょう、せっかく、すったもんだのあげく坂副社長に来ていただいておりますので、坂さんにお聞きしたいと思います。

 まず、坂副社長、郵政の副社長、代表権つきで、御就任おめでとうございます。心から祝意を表したいと思います。

 郵政の今回の副社長就任に当たり、どなたから連絡があり、あっせんがあったかどうか、亀井大臣からどのような連絡があったか、そのあたりをまずお聞きしたいと思います。

○坂参考人 どういう経緯で私が選ばれたかというのは実は私はわかりませんで、十月の二十八日に株主である国が、亀井大臣が来られていましたけれども、株主総会をなさって、それで私を取締役に、ほかの方たちと一緒に選任をしていただいた、そういうことでございます。

 亀井大臣から事前に何か御連絡があったかということでございますが、ございませんでした。

 ただ、会社から、二十八日の何日か前になるんですけれども、ちょっと覚えていませんが、二十八日の何時だったかにちゃんと出頭せよという連絡がございまして、そのころに何か新聞にもいっぱい出ていましたから当然わかりましたけれども、ということでございます。

○平井委員 昨日は、私の部屋までごあいさつに来ていただきまして敬意を表していただきましたので、この一問でお帰りいただくと失礼だと思いますので、今からちゃんと質問させていただきたいと思います。

 まず、きょうは、金融庁が確認したところ、これは田村政務官の答弁でもあったんですけれども、坂さんが牧野さんを推薦したということになっていますが、それは間違いないですか。前職のことですが。

○坂参考人 お答え申し上げます。

 推薦と申しますか、私が、先ほど申し上げたように、割合急に損保協会の副会長をやめるということになりましたので、急にやめて大変申しわけないんだけれどもということを、専務理事とか、半田さんとおっしゃいますけれども、それからあと、当時の会長でありまして、今もそうかな、佐藤会長にごあいさつに行って、それで、ところで坂さんやめちゃうけれども後どうするのみたいな話に当然なりまして、そのときに、実は牧野さんは損害保険料率算出機構、つまり保険業界の中にいたわけで、当然社長さんたちも牧野さんのことは御存じでございますが、手近に牧野さんがおられますよねなんという話で、ああ、そうですねというふうになった、そういう経緯でございます。
 


○平井委員 大体こういうときには、有能な人とか知識があるとか適材適所だというようなことが言いわけになってどんどん天下りが進んでいくんですけれども、要するに、坂さんのいた損保協会副会長というポストのうちの一つのこの常勤ポストは、何代にわたって大蔵省、財務省のOBが務めてきたか御存じですか。

○坂参考人 お答え申し上げます。

 随分何人もおられたということは知っていますが、正確に何人かということは存じ上げておりません。

○平井委員 さっき質問していた後藤議員にも聞いていただきたいんですが、これは七代連続なんですよ。どうですか、七代。さっきは三代、五代で問題になっていたんだけれども、これは、私の知る範囲で少なくとも七代連続なんですね。

 国会審議などで、こんなに委員会なんかで所管OBの固定的な指定ポストが問題になっているのに、なぜ牧野さんを選んだか、これは非常に私は疑問に思うんですが、そういうことが問題になっていたことを御存じなかったんですか。

○坂参考人 私は、当時民間人でございますので、どういうふうになっているかは余りよく存じませんでした。ただ、選ばれたのは、私がそういうふうに申し上げたのは先ほど申し上げたとおりでございますが、最終的に決めてお選びになったのは協会の方々でございまして、会長や専務理事ほか、いろいろな方が相談されてお決めになったものだというふうに思っております。(発言する者あり)

○平井委員 かつての同僚の塩崎先生、やじらないようにしてください。一緒に働いていた過去、いろいろなあれがあると思いますが。

 結局、今回の人事について後ろめたい思いが本当にないのかということなんです。さっきのようにすっすっといろいろな答弁をされますとやはりあれですけれども。

 坂さん、よくよく考えてみると、今回、今までの経歴を考えてみると、二〇〇五年に退官して農林漁業金融公庫副総裁、それから内閣官房副長官補、これは安倍内閣と福田内閣でやっていました。私も一緒に仕事させていただきました。その後は損保協会副会長。これはもう天下り、財務省の指定席をすっすっすっと。

 これは、私は計算していないです、だれかに計算してほしいですけれども、これで生涯の収入は一体幾らになるんだと。これで無事に郵政の副社長をお務めになって、要するに、おやめになる日がいつ来るかわかりませんよ、しかし、幾ら常識で考えたって、坂さんほどの資産家が余りにも国費から給与を取り過ぎなんですよ。こんなのはあり得ない。だから、いいかげんにしなきゃいけないんですよ。

 我々は、与党じゃなくなって野党になりました。しがらみを断ち切るから、私はこのような立場でこのような質問をしているんです。民主党は、天下り根絶、やめると言った。だから、我々がしがらみを断ち切って本気でやろうと言えば全部なくなるはずなんですよ。それがなくならないというのが一番の問題だ。皆さん、そう思いませんか。そう思いませんか、本当に。ですから、今回の、天下りとかこんな裏下りというのはやめなきゃいけない。

 ところが、なぜこれがやめられなくなったか。皆さん、考えてみてください。これは、役所の職員があっせんすると皆さん懲戒処分になるんですよ。ところが、上司の特別職、政務三役、この場合は亀井大臣かもわかりません、部下がやったらアウトで上司がやったらセーフ、これでたがが外れたんです。だから、きょうの公述人も泥を塗ったと言ったんですよ。

 これは、皆さん、本当に考えてください。我々がこのスタンスで公務員制度改革に取り組んでいるから、かつての自民党だとできなかったんですよ。認めます。今は野党になって、こっぴどくたたかれて、そして新たな自民党として生まれ変わろうとして、民主党、やろうよと言っているんですよ。それなのに、どうですか。坂さんがここに出席するということに関して、民主党の議員が、やめてくれ、こんなことはできないと。逆じゃないですか。皆さん方が呼んでやらなきゃいけない立場じゃないですか、本当は。そのことをぜひ考えていただきたいと思います。

 坂さん、私は個人的な恨みがあるわけじゃないですから。ただ、これから、要するに政府の出資した会社、また国費が入っている会社、そんなところに行くと、こういうところに来て顔をさらして、そして皆さん方の前で、これは裏下りではないとか天下りはないというような言いわけをしなきゃいけなくなる。そういう覚悟を持って、国民から白い目で見られない、そういう自信のある方しかつけなくしなきゃいけないんですよ。私はそのように思っています。

 これは、さっき言いましたけれども、予算委員会の議事録にもう一回返ってみましたら、「役所のあっせんにかわってOBがかわりにあっせんをしているようなケースであれば、それは我々がこれからとる措置に対する脱法的な措置」だと言っている。これはちゃんと議事録に残っています。

 このことに対して、田村政務官、どのように取り組まれますか。

○田村大臣政務官 そこは政府全体の問題だと。そこは委員の御指摘のとおりでございますので、金融庁としてももちろんでありますけれども、政府全体として、そこは仙谷大臣も先日もお答えになっていましたように、新しい委員会ができたらそこでしっかり調査をするとか、そういったことも含めて取り組んでいくというふうに考えています。

○平井委員 仙谷大臣が答弁するのは、嫌なのは答弁が長いから。

 一つだけお答えください。イエスかノーかでお答えください。今回の牧野さんの人事は裏下りか裏下りじゃないか、イエスかノーかだけでお答えください。

○仙谷国務大臣 その前に、坂さんが損保協会の副会長になったのは自民党政権時代だということだけは確認をしていただきたいと思います。(平井委員「だから、後任の話をしているんです」と呼ぶ)

 牧野さんがその後任になられているというのは、損保協会の歴史的な実情から見て、私どもがこれは少々問題があるなと疑わしい事案にかかわる、そういうふうに私は考えております

○平井委員 疑わしいというふうに言われますと、いすに座っていてもけつがこそばゆいですよ、これは。

 ですから、大臣、ちゃんとやりませんか。徹底的に我々はこの天下りとか裏下りという問題には全力で取り組みたいと思っているんですよ。そういう意味で、本当に、きょう坂さんに来ていただいたことがある意味で一つの転機になって、民主党の方々も本気で取り組む姿勢に転じていただくことを私は心から願いたいと思います。・・・