旧・自民低成長派に乗った菅政権の3大欠陥政策:低成長の焼け石に水の消費税! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

旧・自民低成長派に乗った菅政権の3大欠陥政策:低成長の焼け石に水の消費税!

秘書です。

「前回消費税を引き上げた1997年、税収は増加して54兆円になった。しかし、以来、今日まで、それを上回った年は1年もない。いくら消費税を増税しても、マクロの成長とデフレ克服がないかぎり、税収は低下するのである」

という竹中平蔵先生の主張に、デフレ増税派のみなさんはどう反論されますか?


■慶応大学教授・竹中平蔵 社保・税改革に3つの欠陥あり
2011.2.23 02:56 産経新聞

 菅直人首相は1月の内閣改造に当たり、「税と社会保障の一体改革」を目玉政策に掲げ、担当者として、「たちあがれ日本」を離党した与謝野馨氏を閣内に招き入れた。しかし与謝野氏を中心とする現状の議論は3つの致命的欠陥を持つ。これは財政至上主義を前面に打ち出した危険な政策であり、弱体化した日本経済に決定的なダメージを与えかねない。

 ◆一体改革すべきは経済・財政

 第一の欠陥はマクロ経済運営の視点が欠如していること。具体的には、デフレ克服と経済成長に向けた姿勢が欠如していることだ。本来必要なのは、税・社会保障の一体改革ではなく「経済・財政の一体改革」だ。税と社会保障は財政の一部分でしかない。

 重要な事実がある。2003~07年の4年間に、基礎的財政赤字は22兆円改善した。小泉純一郎政権が歳出を増加させない政策をとる一方、経済を活性化して税の自然増収を実現できたからだ。つまり財政健全化の王道は、増税ではなく、経済をよくすることである。ちなみに22兆円の財政収支改善を消費税増税で行おうとすれば、税率を9%引き上げねばならない。いかに経済活性化による増収が重要か、である

 現状のようにデフレを容認したままで名目成長率1、2%程度の低位が続くなら、消費税率を上げても税収は確保できない。これに関しても重要な事実がある。前回消費税を引き上げた1997年、税収は増加して54兆円になった。しかし、以来、今日まで、それを上回った年は1年もない。いくら消費税を増税しても、マクロの成長とデフレ克服がないかぎり、税収は低下するのである

 ◆低成長の焼け石に水の消費税

 第二の欠陥は歳出削減のシナリオがないことだ。ハーバード大学のアレシナ教授の研究では、歳出削減をせずまず増税を行った政府は、財政再建に失敗すると結論付けられている。しかし民主党政権は、2006年骨太方針で決めた社会保障の伸びの抑制をすでに放棄してしまった。旧社会保険庁の例にみられるように、社会保障予算は決して削れない聖域ではない。高額所得者への給付制限や、混合診療など規制緩和による医療費の効率化について、やれることは幅広いのに、大きな政府を容認する現政権の議論はこうした点を無視して、まず社会保障の財源確保ありきで進んでいる。

 第三は、以上とも関連するが、最終的に消費税が何%になるか全体像が見えないことだ。

 そもそも消費税を引き上げるとして、使い道は大きく4つ考えられる。(1)財政赤字を減らす(2)高齢化による年金・医療費増加を賄う(3)年金・医療内容を強化する(4)子ども手当・高速無料化など新規の政策費に充てる-である。

 問題は、マクロ経済の大幅改善と歳出削減なくして以上の4項目を消費税増税で賄おうとすれば、北欧を超えるような「重税国家」になってしまうことだ。消費税引き上げの根拠としてしばしば「不安の解消」があげられる。国民の本当の不安はしかし、消費税はどこまで上がるのかという不安だ。25年には広義の団塊世代が全員後期高齢者になる。この時点で消費税が一体何%になるのか、明確に示すことが求められる。

 先のダボス会議で、キャメロン英首相は、財政赤字の削減を5年で実現、4分の3は歳出削減で賄い、4分の1を増税で賄うという方針を明快に述べた。こうした大方針を打ち出すことこそ、政治指導者の真の役割である

 ◆自民低成長派に乗った菅政権

 マクロ経済の視点がいかに重要かは、小泉政権の経済財政諮問会議の議論で決着ずみだ。財政だけを優先させる与謝野氏の姿勢はその時点で否定された。しかしその後、自民党内で「低成長・財政至上派」が主流となり、まず消費税引き上げありきの提案が示されるようになった。菅政権は自民党低成長派の路線に抱きつくように与謝野氏を閣内に入れ、増税ありきの政策を志向している

 民主党の政策はいくつかの点で適切さを欠いてきたが、日本経済は、その地力の強さに救われて決定的な悪化を避けられてきた。しかし、デフレと低成長を放置し、将来どこまで消費税を引き上げるのかという展望のないままに安易に消費税引き上げを行えば、日本経済は決定的に悪くなってしまうだろう。日本の経済運営はいま大きな分かれ道にある

 消費税の引き上げはやがて必要になろう。その前にデフレ・低成長を克服することが必要条件だ。また、最低限公務員給与の2割削減や議員定員削減など、霞が関と永田町の縮小が求められる。マクロ経済を正常化し歳出を削減すれば、消費税の引き上げは極めて小幅で済む。名古屋・愛知の首長選挙で、河村たかし氏らは歳出カットと減税を掲げ、圧勝した。この点にこそ、増税問題に対する国民の心情が示されている

 税と社会保障の一体改革という財政至上主義の立場を改め、経済と財政の一体改革という原点に戻ることが強く求められる。(たけなか へいぞう)


→「経済・財政一体改革」の旗を堂々と掲げ、与謝野デフレ増税路線を粉砕し、自国民窮乏化政策、国民生活焦土化政策、既得権益者の勤労大衆収奪政策を阻止しよう!