愛知の反乱:この2年で「変節」したのは「庶民革命」の河村たかしさん?それとも、民主党? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

愛知の反乱:この2年で「変節」したのは「庶民革命」の河村たかしさん?それとも、民主党?

秘書です。
河村たかし名古屋市長が誕生したのは2009年春。
河村旋風から2009年夏の政権交代へムードが一気に加速。
そして、2011年、再び、河村旋風は国政激変の予兆なのか。
それにしても、河村さんと民主党、この2年で変ってしまったのは、どっち?


■民主・愛知「信じられないこんな厳しい負け方」
読売新聞 2月7日(月)10時15分配信

 「1か月後には出直し市議選。戦略を見直す時間もない」。
 知事、市長選で惨敗した民主、自民両党の幹部らは声を失った。
 民主党などが推した知事選候補の元総務省官房審議官・御園慎一郎さん(57)と、市長選候補の前衆院議員・石田芳弘さん(65)はそれぞれ名古屋市内の事務所で、「党への逆風というよりも私の力不足」「主張は受け入れられたと思うが、残念な結果だ」とうなだれた。
 同党の地方組織の中で随一の強さを誇る“王国愛知”。
 「信じられない。こんな厳しい負け方は、愛知民主史上、初めてだ」などと県連幹部らは青ざめた。
 地方選で敗北続きの同党は、「愛知で負ければ国政にも影響する」として、岡田幹事長ら党幹部や閣僚が続々と応援に入ったが、菅内閣の支持率が低迷し、党内対立が激化する中、最後まで苦しい戦いを強いられた。


→「変節」したのは、河村さんでしょうか?民主党でしょうか?


■減税・小さな政府を掲げた「愛知の反乱」は「平成の薩長連合」になれるか 「増税=大きな政府」の菅政権を揺さぶる/長谷川 幸洋
現代ビジネス 2月4日(金)7時5分配信

 菅直人政権が日を追うごとに、かつての自民党のようになってきた。国会論戦を聞けば聞くほど「いったい民主党は何をしたかったのか」とあきれてしまう。

 たとえば年金改革だ。

 菅首相は2日の衆院予算委員会で、4月にまとめる社会保障制度案について「民主党案をベースにするが、民主党案が4月に提示するものにスライドするわけではない」と述べた。ようするに、2009年総選挙の政権公約(マニフェスト)で示した税方式による月額7万円の最低保証年金案にはこだわらず「4月には修正しますよ」と言っている。

 玄葉光一郎国家戦略相にいたっては「民主党の考え方はかつては基礎年金を全額税とする方式だったが、数年前からは社会保険料の所得比例年金を軸に『補足年金』として最低保証年金をつけるもので『社会保険料方式』と呼んだほうが正しい」とまで述べている。

 こうなると、いまや税方式による最低保証年金案は事実上、撤回したも同然だこんな重大な政策路線をろくな党内論議もしないで、首相や閣僚が勝手に変えてしまう政党とは、いったいなんなのか。自民党でも(と言ったら失礼だが)、こんなことが起きたら、党内政局で大騒ぎになっていた。

 消費税引き上げも、菅首相は先の参院選で独断専行のように打ち出した経緯がある。今度は年金である。この党の政策論議はどこまで本気なのか、まったくあてにならない。

 筋金入りの増税論者である与謝野馨を経済財政相に起用した時点で、菅政権の増税路線はあきらかだった。そこへ今度は自民党で税制調査会会長を務めた柳沢伯夫元厚生労働相を政府の社会保障改革に関する「集中検討会議」の民間委員に任命した。

 消費税は引き上げ、年金も保険料方式でOK、細かい制度設計は与謝野・柳沢ラインでとなると、これはもう完全にかつての自民党路線である

 その一方、政権交代の立役者だった小沢一郎元代表に対しては、強制起訴されたとはいえ党員資格停止やら離党勧告を検討とあっては、菅政権はようするに「自民党と一緒になりたい」とみるべきだ。

 事実上、自民党に「大連立ラブコール」を送っているのである。

 相手の自民党はと言えば「ばらまきマニフェストを見直さずに増税を」と言っても受け入れられるわけがない、という姿勢である。逆に言えば、ばらまきマニフェストを見直せば、大連立を受け入れる可能性があることになる。

 では、菅政権はマニフェストを大胆に見直すだろうか。私は「見直す」とみる。

 なぜなら、菅首相が「政策に生きる政治家」とは、とうてい思えないからだ。自分が生き残るためなら、政策路線の変更だろうがなんだろうが、なんでもする。これまでの政治活動から判断すれば、菅はそういう政治家なのではないか

 少なくとも理屈の上では、菅政権がマニフェストを含め政策路線を大胆に変更して、自民党との大連立に動く可能性がある。そう見ておいたほうがいい

 そんな永田町の一方、地方の動きも目を離せない展開になっている。


*** 市民税、県民税10%削減を掲げる ***
 愛知県では県知事選、名古屋市長選、さらに市議会解散の是非をめぐる住民投票の「トリプル選」が2月6日に迫っている。この選挙結果は統一地方選を待たずに愛知県のみならず、中央政界にも大きな影響を与えそうだ。

 優勢と伝えられる市長選の河村たかし候補(前市長)、県知事選の大村秀章候補(前衆院議員)はそれぞれ、市民税と県民税の10%減税を訴えている。

 加えて、河村は元民主党、大村は元自民党と出身政党がそれぞれ異なっているにもかかわらず、既成政党の枠組みにとらわれない固い連携を掲げた。

 河村と大村の「減税公約と出身党派を超えた連携」という点が、新しい政治の発想と枠組みを連想させるのである。

 永田町では、民主党の菅政権と自民党がともに増税に傾いて連携する可能性が出ているのと好対照だ。河村と大村が勝利すれば、2人が作り出す「減税を軸にした新しい政治潮流」が永田町にも押し寄せる可能性がある。

 大阪でも、橋下徹知事が「大阪維新の会」をつくり、市と府を再編して新しい大阪府創設を唱えている。橋下は河村と大村のタッグにエールを送った。みんなの党が公認した薬師寺道代候補は知事給与や議員報酬の3割カットに加え、県公務員の人件費2割カットで総額1500億円の歳出削減を打ち出した。

 河村や大村の減税も薬師寺の歳出削減も自治体行政のサイズを小さくする方向への改革である。永田町で議論されている増税=政府を大きくする方向とは正反対だ。

 民主党政権の変節がだれの目にもあきらかになって、いまや永田町政治に対する「うんざり感」は高まるばかりだ。薩摩と長州の連携が徳川幕府を倒した明治維新のように、愛知と大阪の連携が永田町にも波乱を呼び起こすかもしれない。
 (文中敬称略)


→では、民主党は河村さんをどう評価してきたのか?民主党公式ホームページのニュースで時系列でみてみましょう。まずは昨日の談話から。


■2011/02/06愛知県知事選挙・名古屋市長選挙の結果を受けて(談話)


民主党選挙対策委員長  石井 一

 本日、愛知県知事選挙・名古屋市長選挙が実施されました。

 民主党・国民新党・社民党が推薦する、みその慎一郎愛知県知事候補、石田よしひろ名古屋市長候補ともに、残念ながら当選に至りませんでした。出馬表明以来ご支持をいただいた愛知県民・名古屋市民の皆様、応援をいただいた全国の皆様に御礼を申し上げますとともに、候補者推薦政党として力が 及ばなかったことをお詫び申し上げます。

 河村たかし氏が、自らの公約である「市民税減税」を金科玉条とし、名古屋市の財政状況が悪化し地方交付税交付団体に転落した後も「減税」を叫び続ける状況を危惧する市議会を「抵抗勢力」とする戦略の前に、「愛知県知事選挙」「名古屋市長選挙」、名古屋市議会解散を問う「住民投票」のすべ てが絡め取られてしまったことが最大の敗因と言わざるを得ません。

 県民・市民が投票によって選択された結果は、正面から受け止めなければなりません。しかし、河村氏のいう減税が「富裕層減税」に過ぎず、多くの住民にとっては、名古屋市・愛知県のサービス機能の低下を招くものであることは一目瞭然です。その流れを厳しくチェックすることが私たち民主党に 求められており、重大な責任を負わなければならないと考えています

 民主党は、選挙戦を通じていただいた県民・市民の皆様の数多くの激励を胸に、初心を忘れず「国民の生活が第一」の政治を着実に実行するために、今後とも全力で邁進して参ります。 ご支援、誠に有り難うございました。

以上

→しかし、河村さんの減税の主張は一貫していたのではないでしょうか?

■2009/06/04意義のある会談を行ってきたい 鳩山代表、訪韓の意義込みを表明

名古屋市長となった河村たかし前衆議院議員の就任後の活躍ぶりに言及した記者から「地方の首長に民主統系の人物が就くことの効果」を問われた鳩山代表は、「河村市長はよくやっているのではないかと思う」とまず表明。「今までの首長にありがちな、結局は太いものに巻かれろではなくて彼自身の考え方、官僚まかせの政治がこのような日本を、あるいは市町村を作り出してしまったという反省のなかで、官僚機構、あるいは官僚的意識と戦っている姿は大いに評価をするべきではないか」と評した。「したがって彼が、千葉の市長選など、私ども(民主党)の地域での戦いや来たるべき解散・総選挙での戦いで応援していただけるのは非常心強い話」と述べ、同時に「地域で古い体質と戦っている。新しい首長を作り上げていく。市民の皆さんがそのことに対して熱望している姿を見て、この国はこれから地域から大きく変わるなと期待感をもってみている」とも語った。


■2009/04/28「総選挙で勝てる」小沢代表が見通しを強調 会見で

 小沢一郎代表は28日夕、党本部で定例記者会見し、代表続投について「政権交代できるかを基準に判断する」と指摘したことに関連し、「現時点においては、衆議院総選挙で国民の支持を得られると思っている。(民主党は)勝てると思っている。国民の信頼を必ず獲得できると現時点では思っている」と述べ、総選挙での勝利と政権交代の実現に自信を示した。

 名古屋市長選挙での河村たかし前衆議院議員の当選について「皆さんのお力添えとご本人の努力によって圧勝することができ、大変喜ばしい」と表明。結果がイコール衆院総選挙というわけではないので、各候補者が努力を続けていかなければならないと述べ、同市長選での勝利をバネに、総選挙への取り組みを強化すべきだとの考えを強調した。党独自の世論調査については「もっとも客観的に公正な結果が得られると思う時期に行う」とした。

■2009/04/26 河村たかしさん、圧倒的な大差で初当選。名古屋から庶民革命を起こす

 任期満了に伴う名古屋市長選挙の投票が26日行われ、即日開票の結果、新人で民主党が推薦した前衆議院議員の河村たかしさんが514514票も獲得し、自民・公明が支持した候補者らを圧倒的な大差で破り、見事初当選を果たした。
 有権者の皆さんとのふれあいを重視した河村さんは自転車街宣を中心に選挙戦を展開し、自転車で走破した距離は延べ315、57キロにのぼった。
 約500人のスタッフや支持者らが事務所の内外に集まり、21時15分過ぎに、NHKで当選確実のニュースが流れると、事務所は喜びの渦に包まれた。それからまもなく、待機していた河村たかしさんが「おめでとう」の掛け声や、握手でもみくちゃにされながら現れ、後援会長の音頭で大歓声とともに万歳三唱が行われた。
 次に、伴野豊民主党愛知県連代表が挨拶し、「今日、河村たかしさんは日本一の市長になる資格を得た。本物の日本一の市長になるために、皆さん一緒に河村さんをすばらしい市長にしよう」とこれからの河村市政へ更なる協力を求めた。
 続いてすぐに報道陣による共同のインタビューに移り、有権者の声をどのように受け止めたのかとの質問に、「どえりゃーうれしい」としたうえで、「『河村さん、期待しとるでよ』という声がどえりゃー多かった」と述べ、閉塞したこの状態を変えてほしいという期待として受け止めたと答えた。
 またこれからどんな政策を真っ先に行うかとの問いに、「庶民革命。市民税10%減税を行う。皆さんのところにお金を戻し、生活の糧にしてもらう。そしてこの生きたお金で福祉とか医療をみんなで充実させていく」と答え、日本ではどこもやっていないが、世界ではこれは当たり前のことだとも話し、この名古屋から庶民革命が始まるとの決意を改めて強調した。

→2009年の民主党は、減税は庶民革命だと認識していたのではないでしょうか?

■2009/04/26名古屋市長選結果を受けて(談話)

民主党幹事長
鳩山由紀夫

 本日実施された名古屋市長選挙において、わが党が推薦する河村たかし候補が当選を果たしました。ご支持いただきました名古屋市民の皆さまに深くお礼を申し上げ、応援いただきました多くの皆さまに心から感謝申し上げます。

 西松問題の影響も懸念しましたが、河村候補、支持者の皆さまのご奮闘と、民主党を支えていただいている皆さまの力によって、はね返していただきました。河村新市長が市民のための市政に尽力されることを期待します。

 総選挙を間近に控えたこの時期に、政令市長選挙において自公候補に圧勝した意義は大きく、有権者にいただいたこの勝利を糧として、国政においても党の政策をしっかりと訴え、政権交代に向けた総選挙準備に万全を期して参ります。

 この間のミニ統一自治体選挙において、民主党は国民の多くの皆さまから応援をいただき、政権奪取に向けた叱咤と激励をいただきました。今後も皆さまの声を噛みしめ、困難を乗り越え、必ず皆さまのご期待に応えて参ります。

 ご支援ありがとうございました。

以上

■2009/04/08小沢代表が経済対策を本日の閣議で発表する 輿石会長参院議員総会で 河村前衆院議員もあいさつ

・・・また、衆院議員を辞し、名古屋市長選挙に出馬する河村たかし前議員が挨拶に来ていることを紹介した。

 これを受けて、河村前議員が、お世話になったお礼を述べ、「名古屋で庶民革命を実現する」と力強く決意を表明した。

 さらに、大塚耕平愛知県連選対委員長が、「愛知県連が名古屋市長選挙の選対事務所です」と報告した。


■2009/04/03名古屋市長選勝利に向け河村議員が代議士会で決意表明

 民主党は3日昼、本会議を前に国会内で代議士会を開催。4月12日告示、26日投票で行われる名古屋市長選挙に出馬するため議員辞職する河村たかし議員が挨拶に立ち、お礼と決意を表明した。

 河村たかし議員は、これまでお世話になったと感謝の言葉を述べ、「総理を狙う男、名古屋の総理を狙う」と決意を表明。菅代表代行が代表就任当時、事務局長として小沢一郎代表との初顔合わせの実現に尽力したエピソードを紹介し、「民主党の基軸をつくれたのではないか。ちいとはいいこともやっております」と振り返った。

 河村議員は、中小企業の息子として「庶民革命」をモットーにこれまで政治活動を展開してきたとし、「名古屋の皆さんのおかげでここまで来られた」と述べるとともに、「自民党貴族に対して庶民のための政党であることをはっきりと打ち出し、庶民政党として(みなさん)仲ようやってください」と民主党へのエールを送り、挨拶を締めくくった。

 議員からは「二度と戻って来ないように頑張れ」などと声援が飛び交い、会場は笑いと盛大な拍手に包まれた。

■2009/03/24名古屋市長選挙で河村たかし衆院議員の推薦を決定 常任幹事会
 常任幹事会で24日午前、4月12日告示、26日投票で行われる名古屋市長選挙に河村たかし衆院議員(60歳・衆院愛知県1区選出・当選5回)を推薦することを決定した。
 河村議員は、常任幹事会で「長い間お世話になりました。ぜひとも市長に当選して恩返しをしたい」と語った。


→河村さんの主張は変っていませんね。民主党が増税政党に「変節」してしまった、庶民政党ではなくなった(あるいはもとからそうではなかった)、何とか貴族の党になってしまった(あるいはもとから何とか貴族の党だった)、ということなのでしょうか?