改革か増税か:PR技術でデフレ下の増税の合意形成ができるのか? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

改革か増税か:PR技術でデフレ下の増税の合意形成ができるのか?

秘書です。

報道によれば、5日の社会保障と税検討会議では、


①福田政権時代の社会保障国民会議、麻生政権時代の安心社会実現会議の報告書を基本に議論を進めていくことを確認

②民間委員から異口同音に「国民の理解」の必要性を強調

とのこと。


つまり、福田・麻生政権の検討内容は正しかった、広報にミスがあった、ということですね。

そして、広報のプロを幹事委員メンバー10人のうち2人をいれているわけですね。

福田・麻生政権の検討内容は正しかったとしても、問題があったとすれば、やるべきことをやっていなかったこと、それを民主党が攻撃して政権交代になった。

民主党はやるべきことをやらず、広報技術、プロパガンダの問題に矮小化しようとしてませんか?


■財政再建目標先送りせず=社会保障改革論議で-与謝野経財相
(2011/02/05-22:10)

 与謝野馨経済財政担当相は5日、社会保障改革に関する集中検討会議の開催後に記者会見し、2020年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化するとの政府の財政健全化目標について「宿題が難しいからといって提出期限をどんどん変えれば宿題をやらないことになる」と述べ、今回の一体改革論議によって目標を先送りすることはないとの考えを表明した。
 基礎的収支は、社会保障などの政策経費を借金以外の税収などでどれだけ賄えているかをみる指標。社会保障費の増え方によっては黒字化するのに大規模な増税が必要になる可能性がある。


→デフレ克服、無駄削減、政府資産売却、年金制度改革しないで増税ですね。

→しかも、財政再建のためですね。どれだけ、委員に福祉関係の人をいれても、目的は今の制度を前提とした財政再建でしょう?赤字をうめるため。それを社会保障のためというわけですね。赤字をうめるという言葉で、色々な既得権益は生き延びることになるのでしょう。

→PR技術でデフレ下の大増税の合意形成ができるのか?



■【社説】政策で選べる政治に 週のはじめに考える
2011年2月6日 中日新聞

 うんざり感が募る永田町です。国会では衆院解散・総選挙や内閣総辞職と勇ましい声が飛び交いますが、政策論議は乏しい。どうして、こうなるのか。

 焦点の一つになっていた小沢一郎元民主党代表をめぐる問題は小沢氏が強制起訴され、ひと山越えました。しかし、小沢氏をめぐるカネの問題がすっきりしたかといえば、そうとも言えません。

 法廷で決着がつくのですから、私たちは基本的に審理を見守ればいいのですが、国会における政治家としての弁明は結局、聞けないままになっています。

 国会論戦が面白くない
 では、国会の政策論戦はどうかといえば、税と社会保障問題にせよ、環太平洋連携協定(TPP)にせよ、議論を聞いていてピンとこない。核心に迫るような迫力を感じないのです。わくわく感もない。なぜ政策論戦が面白くないのでしょうか。

 その理由を根本から考えてみると「論戦が私たちの手の届かないところで繰り広げられているからである」と思います。

 言い換えると、テレビ画面の中で議員バッジをつけた人たちが声を張り上げていても「では、肝心の私たちに選択肢があるのか」と問うてみると、実は「よく分からない」ような現状なのです。

 具体的に言います。

 菅直人政権は「税と社会保障の一体改革」を掲げて六月に全体像をまとめると言っていますが、狙いは消費税引き上げで社会保障財源を賄う点にありそうです。それは分かっている。菅首相は参院選で増税を掲げたんですから。かねて増税が持論の与謝野馨氏を経済財政相に一本釣りした人事で、その意図は一層明白になりました。

 加えて、改革を議論する集中検討会議の民間委員に自民党の税制調査会会長を務めた柳沢伯夫元厚生労働相を起用しました。こうなると、改革を主導する顔触れは自民党時代と変わりません。

 自民党のような民主党
 顔触れだけでなく、政策の中身まで似てきました。民主党は二〇〇九年総選挙の政権公約(マニフェスト)で税方式による最低保障年金の創設をうたいました。ところが、いつのまにか軌道修正して「民主党も保険料方式だ」と言い出すありさまです


 一方、自民党はどうか。こちらは先の参院選で消費税10%への引き上げを公約に掲げました。つまり、消費税引き上げでは菅政権も自民党も本音で同じなのです。菅首相自身が「財政再建で掲げた目標は、ほとんど一致している」と言ったとおりです

 年金の仕組みも、民主党が保険料方式だと言うなら自民党案と変わりません。民主党は本当に当初案を修正したのかどうか、党内で本格的に議論した形跡がないので、実はあいまいですが

 それからTPP。

 菅首相は交渉参加に前向きですが、党内には反対論も根強く残っています。とくに小沢グループには反対論が強い様子で、菅首相や仙谷由人党代表代行など政権中枢との権力闘争も絡んで、最終的にどうなるか分かりません。

 自民党に至っては、いまだに党としてTPPへの賛否をあきらかにできない状況です。

 こうしてみると、社会保障や消費税引き上げ、TPPといった国のあり方を左右するような重要課題をめぐって、民主党と自民党の違いがはっきりしない。

 増税で両党が一致しているようですが、国会論議では自民党が解散を求めて、菅政権が防戦に回る構図になっています。TPPとなると、どっちの党がどうしたいのか分かりません。

 国民の側から見ると、こんな政治の構図はまったく困った状況です。私たちは、政策で政治家や政党を選択したい。増税なら増税、TPP参加なら参加と態度をはっきりさせてもらいたい。

 先に言ったように、国民はとっくに菅政権の増税志向を見透かしています。それなら、自民党は菅政権の増税路線とどう違うのか、国民がすっきり分かるように鮮明に打ち出すべきです。

 民主党と自民党の大連立がささやかれるのも、実は「増税で一致しているから」という観測が背景にあります。それならそれでかまわない。国民は「増税大連立。是か非か」を判断基準に政権を選択できるようになるからです。

 政府と官のリストラを
 ただし、両党がそんな大連立に動くなら「それはだめだ」という政治勢力も出てくるでしょう。官僚の天下りも歳出の無駄や非効率も水面下で復活しています。増税の前に、政府と官僚のリストラ大改革が必要です。「改革か増税か」を争点に政策論争が戦わされ、選択肢が示されるような永田町であってほしい。政治を国民の手に取り戻すために


→「改革か、増税か」そこですね。

→民主党は改革から逃げた。増税に逃げた。権力に居座るために。霞が関与党化(天下り全面解禁!)昔の自民党と同じなら文句ないだろうと。それは永田町目線。国民目線ではないですね。国民目線はPR技術でなんとかなるという発想が、おかしいですね。


■柳沢氏:社保財源に消費税10%超必要、与謝野氏に協力(Update2)
2月2日(ブルームバーグ):柳沢伯夫城西国際大学学長(元金融担当相)はブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、財政健全化を進めた上で、社会保障の安定財源を確保するためには年金制度で現行の社会保険方式を維持するとしても消費税率(現行5%)を10%以上に引き上げる必要があるとの認識を明らかにした。

  インタビューは1日行った。柳沢氏は自民党衆院議員時代に与謝野馨社会保障・税一体改革担当相(経済財政担当相)とともに消費税増税論議を主導。柳沢氏は与謝野氏の要請を受ける形で、菅直人政権の設置した「社会保障改革に関する集中検討会議」に有識者委員として名前を連ねており、元自民党の「財政再建派」の重鎮2人が民主党政権下での持論実現にタッグを組む形となった。

  与謝野、柳沢両氏が参加した自民党財政改革研究会は2008年6月、消費税を「社会保障税」(仮称)に改組した上で、税率を現行の5%から少なくとも10%程度にまで引き上げる必要性を訴えた提言を発表していた。

  柳沢氏は税率について「それは当時の財政事情を前提にして10%ということを打ち出した。その当時とリーマン・ショック後の財政事情は激変した」と指摘。今回の議論では「新しい状況に基づいた議論をしなければいけない。あの当時の10%ということで済むわけがない」と述べ、さらなる引き上げが必要になる可能性に言及した。

  財務省の資料によると、11年度予算案の社会保障関係費は28兆7079 憶円で一般会計歳出全体(92兆4116億円)の31.1%、地方交付税交付金などを除いた政府の支出(54兆0780億円)の53.1%を占めている。社会保障関係費の総額は2000年度と比べ60%以上増加している。

大連立

  政治評論家の浅川博忠氏は柳沢氏の起用について「与謝野氏の入閣に続いて瞬間的、表面的には自民党の神経を逆なでする人事」としながらも、「これからの流れ次第で大連立の呼び水になる可能性がある。自民党も今国会で解散に追い込めなければ与党に戻りたいという話が出てくるかもしれない」との見方を示した。

  財政改革研究会の提言は基礎年金に関しては社会保険方式の維持を前提としており、「基礎年金を全額税方式とする等の年金制度の改革を行う場合には別途、そのための財源が必要となる」と指摘している。民主党は基礎年金部分を全額税方式の「最低保障年金」に衣替えする案をこれまで主張しているが、必要な消費税率の引き上げ幅は明確にしていない。

  枝野幸男官房長官は2日午後の定例会見で、年金制度改革について「従来の民主党の考え方がベストだとは思っているが、決して無謬(むびゅう)性を持ったものだとは思っていない」と明言。今後の議論について「国民的な幅広い合意を得て改革を進めるということが何よりも一番大事なことなので、さまざまな意見には真摯(しんし)に耳を傾けながらあるべき年金の姿を目指したい」との姿勢を示した。

全額税方式

  社会保障改革に関し、菅首相は4月に政府案をまとまる考えを明らかにしている。今後の検討会議の議論では社会保険方式の維持か、全額税方式に転換するかが大きな焦点となっているが、柳沢氏は「いろいろ新しい状況に基づいた説明を聞いてからよく考えようと思っている」と述べるにとどめた。

  政府の資料によると、柳沢氏が参加する「社会保障改革に関する集中検討会議」は「社会保障・税一体改革の検討を集中的に行うとともに、国民的な議論をオープンに進めていく」ために設置。菅首相を議長に、社会保障・税一体改革を担当する与謝野馨氏や野田佳彦財務相ら関係閣僚、与党幹部、成田豊電通名誉相談役、渡辺捷昭トヨタ自動車副会長、古賀伸明連合会長ら有識者で構成する。

待ったなし

  柳沢氏は日本の財政をめぐる状況について「財政に対する世界の見る目、なかんずく市場の見る目ということから、『待ったなし』だと思っている。財政再建に具体的な手を打っていくのは。どの政権とかそういうことと関係ない」と危機感を示した。

  与謝野氏の入閣について「今回、国民の期待を担ってこういう立場に立った」と評価した上で、自らの委員就任も「重大な問題なのでお手伝いする。これまでのいきさつから今回のことをお引き受けした」として与謝野氏に協力していく姿勢を鮮明にした。

  消費税を含む税制抜本改革に関し、「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記した09年度の税制改正法附則104条の規定について「今度われわれがしくじって、先送りということになったら日本の政府の当事者能力を疑われてしまう。市場のリアクションが心配される」と述べ、その実現を市場が注視しているとの見方を示した。

  柳沢氏は、09年8月の衆院選で落選し、その後、政界を引退した。議員時代は与謝野氏が小泉純一郎内閣で党政調会長を務めた際、政調会長代理として支えたほか、その後も党税制調査会や財政改革研究会などの場を通じ、経済財政政策の立案で同氏と連携した。与謝野氏が08年の総裁選に出馬した際、選挙対策本部の中心メンバーの1人として同氏を支援した。

金融危機

  日本が金融危機にあった98年から99年にかけ、金融再生担当相(金融再生委員長)として旧日本長期信用銀行の破たん処理などにあたった。自らのキャリアについて「日本人の中では市場の厳しさに直面した最も切実な経験をした」と振り返った。旧大蔵省出身で厚生労働相なども歴任した。

  菅首相は1日夕、柳沢氏を含む検討会議メンバーの人選について「国民的な議論にしていきたい。そのために各界の皆さんに参加してもらった。国民的な議論をするとの目標の中で、議論の中身を聞いてもらって評価してもらいたい」と指摘した。官邸で記者団に語った。