その他の国立印刷局関連資料 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

その他の国立印刷局関連資料

■自民党政権時代の国立印刷局不要資産の検討状況
第3回独立行政法人の資産債務改革に関するワーキンググループ(平成19年10月16日)議事録・資料
http://www.keizai-shimon.go.jp/special/assetsreform/independent/03/assets-s.pd

(自民党政権では、骨太の方針2006にのっとって、売却に向けて検討。しかし、政権交代で現物納付※へ)

※現物納付=出城から本丸への、不動産化した霞が関埋蔵金の埋め戻し



■平成21年11月20日衆議院内閣委員会

○中川(秀)委員 ・・・次に、副総理は、経済財政担当、つまり昔で言う経企庁長官のお仕事もしておられるわけです。そこで、幾つかのお話を伺いたいと思います。

 財政運営の中で、今、事業仕分けが行われているのは印刷局の体育館ですね。メールで来ておりますのは、今、民主党政権が行っているのは、政治主導政治ではなくて財務官僚主導政治ではないでしょうか、こういう質問が来ています。その象徴が、事業仕分けが行われている場所が、独法国立印刷局の市ケ谷センターの体育館だということです。(パネルを示す)ここですね。これが今、印刷局の本局、工場があるところ。それから、大手町に膨大な土地を持っています。東京駅からわずか一、二分のところです。空地です。更地です。

 大体、印刷局に体育館がなきゃ仕事ができないんでしょうか。私は、自民党の政調会長時代から、ここの国立印刷局の資産は処分すべきだと言ってまいりました。ホームページでもこれはオープンになっています。こういう大物が、なぜ事業仕分けの対象になっていないんでしょうか。財務省所管の独法その他は、事業仕分けの対象に一切入っていません、全く。なぜですか。そして、この印刷局は、七人の役員のうち四人が財務省OB。七人のうち四人が財務省OB。

 菅さん、鳩山政権のもとではこの印刷局の資産の売却をどうしますか。大手町のこの遊休地だけで、大体、路線価で千八百八十五億円あります。虎ノ門のここで二百五十億円ぐらい。市ケ谷センター、この体育館、今やっているところ、これで八十三億円です。何で印刷局に体育館がなきゃいけないんでしょうか。そんなことも含めまして、この資産処分をどうされますか。

 メールでも来ています。北海道の方ですね。たしか、事業仕分けをしているこの建物その他空地など大変な資産は、我々の自公政権時代に、渡辺君が行革大臣のころですが、売却する法案を提出したんです。当初は、これは資産を売却しても二分の一しか国庫に返納できない、そういうことでしたが、当時の内閣は、独法通則法改正案というのを出しまして、そして売却価格全額を国庫返納できるようにしたんです。そういう法案を出した。ところが、民主党が審議に応じず、廃案にしてしまったんです。これを北海道の方が、なぜそんなところで事業仕分けをやっているの、その前に、そういう資産をちゃんと売却できる法律を民主党が政権をとったんだからやるべきではないですか、そういうことも言ってきているんです。

 全体の御感想をどうぞ。

○菅国務大臣 ・・・その上で、国立印刷局について、なぜ事業仕分けの対象にならないのか。私も、一般的に言えば、対象からわざわざ外す必要はないと思っております。昨日の会議でもそういった議論も出ておりますので、多分近いうちには事業仕分けの対象として扱われるのではないか、このように理解しています。

○中川(秀)委員 ともかく、こういうものの資産もしっかり売却をして、それで全額国庫返納できるようにこれは通則法を改正しなきゃいかぬのです。今は二分の一しか国庫返納にならないんですから。そういう法的措置をちゃんと政府で提案して進めるべきですよ。そのことも含めて、うなずいていただいているから、今の御答弁で前向きにやっていただくと理解をいたします。



■野田財務副大臣記者会見の概要(平成21年12月10日(木曜日))
http://www.mof.go.jp/kaiken/kaiken.htm
問)  事業仕分けの結果について、大串政務官は財務省分は全面的にそのまま受け入れると言ったんですけれども、造幣局とか印刷局とかについては独法のあり方も見直すというか、そういう結果が出ていたと思うんですけれども、これはどう対応されるんでしょうか。
答)  全面的に事業仕分けの結果は受け入れるということは昨日の政策会議で申し上げさせていただきました。個別に言うと時間がありませんが、今のご指摘のところは、独法通則法の改正を前提に、来年度の歳入において保養所等の不要資産の売却のさらなる上積みに努めていきたいというふうに思っております。さらなる上積みというのは約36億円、今までの見込みですと国庫納付が253億円でしたが、さらに売却を進めまして両法人で36億円を上積みして289億円とするということと、あと不要資産の現物給付、これは簿価合計で1,000億近くでありますが、それも対応しようというふうに考えています。



■仕分けの舞台も「不要資産」、国に現物納付へ
2009年12月31日 読売新聞

行政刷新会議による「事業仕分け」の舞台となった独立行政法人・国立印刷局職員用体育館が、来年春にも「不要資産」として国へ「現物納付」されることになった。
 敷地面積は約1万5000平方メートルで、土地の簿価は97億円。政府は跡地を公共施設として活用する方針だが、建物を取り壊すかどうかも含め、使い道は決まっていない。
 印刷局を所管する財務省は、当初、独立行政法人の整理合理化の一環として売却し、収入を国庫に納付させて、政府予算の財源に充てることを検討していた。
 しかし、内閣衛星情報センターや防衛省に隣接していることから、「民間に売却してマンションなどが建つと情報管理上も好ましくない」(政府筋)として、現状のまま国へ納付させることにした



■独法に2兆円の国庫返納求める 行政刷新会議が決定
2010年11月27日5時36分朝日新聞
 政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は26日、独立行政法人(独法)の抜本見直しに向けた「独法の事務・事業の見直しの基本方針」を正式に決めた。今年度以降、独法の不要資産として少なくとも約2兆円の国庫返納を求めることを決定。返納された資産は来年度予算の財源としても活用される見通しだ。
 基本方針は同日、首相官邸で開かれた同会議で決めた。過去の「事業仕分け」の対象を含むすべての独法(104法人)の無駄な事務・事業や不要資産を洗い出し、事務・事業の廃止や予算縮減など、見直し措置は855項目に上る。すでに独法の所管省庁と折衝を終えているため、実現する方向だ。
 国庫返納として最大なのは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(国土交通省所管)の特例業務勘定剰余金の約1兆円。今年4月の事業仕分けで国庫返納を求める判定となったほか、会計検査院も9月に「1.2兆円が余分」と国交省に返納の仕組み作りを要求していた。基本方針でも来年度から返納させることを明記した。



■独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針(2010年10月26日)
http://www.cao.go.jp/sasshin/kaigi/honkaigi/d14/pdf/s2.pdf

Ⅲ 資産・運営の見直しについて
独立行政法人の資産・運営については、以下の取組を進める。また、各独立行政法人の資産・運営について個別に講ずべき措置は、別表のとおりである。
1.不要資産の国庫返納
○ 国の資産を有効かつ効率的に活用する観点から、独立行政法人の利益剰余金や保有する施設等について、そもそも当該独立行政法人が保有する必要性があるか、必要な場合でも最小限のものとなっているかについて厳しく検証し、不要と認められるものについては速やかに国庫納付を行う。
○ 不要な施設等の納付方法については、原則として現物により速やかに納付することとし、国は、納付を受けたものを含めた国有財産全体の有効活用を図る。
○ なお、本基本方針で個別に措置を講ずべきとされたもの以外のものについても、各独立行政法人は、貸付資産、知的財産権も含めた幅広い資産を対象に、自主的な見直しを不断に行う。
【資産・運営等の見直し】
○不要資産の国庫返納
・大手町敷地、市ヶ谷センター、久我山運動場
(22年度中に実施)大手町敷地、市ヶ谷センター、久我山運動場については、速やかに現物納付する。

・旧鎌倉・京都宿泊所、那須・伊東保養所等
(22年度中に実施)旧鎌倉・京都宿泊所、那須・伊東保養所等については、処分し、売却収入を国庫納付する。
○保有資産の見直し
・虎の門工場
(22年度以降実施)虎の門工場については、印刷機能を滝野川工場へ移転し、虎の門敷地を含む周辺地権者との再開発事業の進ちょく状況を踏まえつつ、移転後の資産処分について引き続き検討する。
○職員宿舎の見直し
・都内宿舎等の廃止・集約化
(22年度以降実施)山の手線内宿舎については、平成25年度末までに廃止・集約化し、あわせて、平成24年度末までに、老朽化したその他都内宿舎等の集約化等を検討する。


■朝陽会との随意契約について

平成18年度

 第3章 個別の検査結果

  第2節 団体別の検査結果

   第14 独立行政法人国立印刷局

    意見を表示し又は処置を要求した事項
http://report.jbaudit.go.jp/org/h18/2006-h18-0570-0.htm

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官報号外等製造加工請負契約において、随意契約を見直し競争性のある契約方式に移行するとともに、契約単価の積算を、業務の実態を反映したより経済的なものとするよう是正改善の処置を求めたもの

科目 経費 外注加工費
部局等 独立行政法人国立印刷局
製造加工請負契約の概要 国立印刷局工場内で、官報号外等の原稿の入力・編集から校正・版下作成までの作業を電算システムを利用して行うもの
契約名 (入力~校正)官報号外製造加工請負契約等6件(平成17年度)
(入力~校正)官報号外製造加工請負契約等6件(平成18年度)
契約の相手方 株式会社朝陽会
検査対象とした契約件数及び支払金額 6件
6件
計 12件 4億0333万余円
3億0717万余円
7億1051万余円 (平成17年度)
(平成18年度)
随意契約に係る契約単価が割高となっていた契約件数及び開差金額 6件
6件
計 12件 1億5780万円
6673万円
2億2454万円 (平成17年度)
(平成18年度)

【是正改善の処置を求めたものの全文】

 官報号外等製造加工請負契約について

(平成19年10月24日付け 独立行政法人国立印刷局理事長あて)

 標記について、会計検査院法第34条の規定により、下記のとおり是正改善の処置を求める。



1契約の概要

 貴局では、虎の門工場において、官報、国会会議録、予算・決算書等の製造を行っている。このうち官報及び国会会議録の製造は、原稿又は電子データの入力・編集から校正・版下作成を経て印刷・発送という各作業からなっており、入力から版下作成までは全面電算化されている。そして、これらの製造は、貴局の業務として行っているものであるが、製造業務量が集中して貴局職員のみでは対応できない場合に、貴局では、入力・編集から校正・版下作成までの作業を製造加工請負契約として業者に外注している。
 貴局制定の独立行政法人国立印刷局会計規則(平成15年規則第60号)及び独立行政法人国立印刷局契約事務規則(平成15年規則第61号)(以下、これらを合わせて「会計規則等」という。)によれば、売買、賃貸、請負その他の契約を締結する場合においては、原則として一般競争に付することとされている。ただし、契約の性質若しくは目的が競争を許さない場合又は緊急の必要により競争に付することができない場合には随意契約によることができるとされている。
 貴局では、製造加工請負契約の外注に当たり、上記の会計規則等に基づき、製品仕様に精通し編集体裁を熟知した者の技術と安定した労働力の確保が必要となることから、これらの品質仕様を満足する技術を保有し、その製造ノウハウを熟知し品質管理体制が確立されていることを理由として、平成17、18両年度に、株式会社朝陽会(以下「朝陽会」という。)と(入力~校正)官報号外製造加工請負契約等12件を随意契約により締結している。これらの契約は、1面当たりの単価を4,200円から13,125円とする単価契約であり、これらの契約に係る総支払額は、17年度4億0333万余円、18年度3億0717万余円、計7億1051万余円となっている。
 貴局では、上記の製造加工請負契約の締結に当たり、次のように1面当たりの単価の予定価格を積算している。

(1) 版下・組版料金等について

ア 17年度においては、積算時の物価資料(17年3月号)に掲載されている印刷料金のうち、版下・組版料金に示される電子組版の入力料(編集料を含む)1文字1.6円、校正料1文字1円を採用し、それぞれの単価に官報号外等の1面当たり標準文字数を乗じ、これにFD(フロッピー・ディスク)への変換経費を加算するなどして積算している。
イ 18年度においては、17年度の積算に使用した版下・組版料金は需要の減少により物価資料に掲載されなくなったため、積算時の物価資料(18年3月号)に掲載されている印刷料金のうち、近年広く利用されるようになってきたDTP(デスク・トップ・パブリッシング(注))による制作料金を使用するなどして積算している。

(注)  DTP(デスク・トップ・パブリッシング)  版下・組版・製版の印刷工程をパソコン上で行うこと。



 そして、物価資料の版下・組版料金やDTPによる制作料金は、受注業者が自社において業務を行うことを前提にしており、労務費以外に材料費、機械設備費、光熱水費等の製造経費及び一般管理費が含まれたものとなっている。

(2) 校正時間等の条件について

 1面当たりの単価の決定に必要な校正時間、校正回数、編集の難易度などの条件は朝陽会からの聞き取りを基に貴局が決定している。そして、18年度においては、1面当たりの校正作業に必要となる時間を2時間又は1.5時間であるとしている。

2 本院の検査結果

(検査の対象、観点、着眼点及び方法)

 本院は、前記の製造加工請負契約(契約件数12件、支払総額7億1051万余円)について貴局本局及び虎の門工場において、会計実地検査を行った。そして、合規性、経済性等の観点から、競争契約を導入することはできないか、積算が業務の実態を適切に反映したものとなっているかに着眼して、契約書等の書類を確認するなどして検査した。

(検査の結果)

 検査したところ、次のような事態が見受けられた。

(1) 朝陽会との随意契約について

 前記の製造加工請負契約について、旧大蔵省印刷局(13年1月から財務省印刷局)の職員のための福利厚生事業等を行っていた財団法人印刷局朝陽会が、2年4月以降は旧大蔵省印刷局から、15年4月以降は貴局から随意契約により請け負っていた。その後、15年7月に同財団法人が貴局向けの収益事業を朝陽会に譲渡して以降は朝陽会と随意契約を締結していた。
 しかし、前記のとおり、会計規則等によれば、貴局が売買、賃貸、請負その他の契約を締結する場合は、競争に付することを原則としており、本件製造加工請負契約に係る官報号外等の製造作業はすべて電算化されているのであるから、貴局が製品仕様や編集体裁を明確に示せば、DTP制作に熟達した印刷業者であれば、朝陽会でなくても特段の支障なくこれらの官報号外等の製造が行えると認められる。

(2) 積算方法と業務実態とのかい離について

 製造加工請負契約に係る朝陽会の業務実態をみると、次のとおり、前記の積算方法とかい離している事態が見受けられた。

ア 版下・組版料金等について

 朝陽会は、製造加工請負契約に係る作業場所として貴局虎の門工場の構内所定の作業場所を無償で貸与され、光熱水料も無償で使用していた。また、朝陽会は、12件の製造加工請負契約のうち4件の契約では、リース契約により導入した電算システム(以下「リースシステム」という。)を使用して作業を行っているが、残りの8件の契約では、貴局が開発した官報編集システムを利用するためワークステーションなどの機械器具及び事務用備品類を貴局から無償で貸与されていた。
 このような実態から、朝陽会が要する経費は、労務費、一般管理費及び4件の契約に係るリースシステム経費のみであり、材料費、機械設備費、光熱水費等の製造経費相当分は貴局が無償で提供しているものである。
 したがって、貴局において、上記の製造経費相当分を控除することなく物価資料の版下・組版料金等をそのまま使用して積算していたことは適切とは認められない。

イ 校正時間等の条件について

 18年度の積算によると18年度の総製造実績面数40,114面を校正する作業のみでも41人(1日8時間勤務、年間勤務日数244日)が必要であったことになる。
 しかし、製造加工請負契約に係る人員数を朝陽会虎ノ門事業部の名簿、タイムカード等により調査したところ、17年度が37人、18年度が35人となっていて、これらの人員により業務が処理されている状況であった。
 このように、貴局の積算を前提とした人員41人と実績人員35人との間に大きなかい離を生じており、貴局において、朝陽会から聞き取りを行った作業内容を十分検証することなく、実態を反映していない校正時間等の条件をそのまま使用して積算していたことは適切とは認められない。

 そこで、以上のような業務の実態を踏まえ、入力・編集から校正・版下作成までの作業に係る経費の主たるものは労務費(賃金)であること、校正時間等の条件は実態調査の結果の人数に基づくことなどを前提として、本院で12件の製造加工請負契約に係る所要経費について修正計算すると、17年度2億4552万余円、18年度2億4044万余円、計4億8596万余円となり、総支払額17年度4億0333万余円、18年度3億0717万余円、計7億1051万余円に比べ、17年度1億5780万余円、18年度6673万余円、計2億2454万余円の開差が生じると認められる。

(是正改善を必要とする事態) 

 上記のように、製造加工請負契約について、長年、会計規則等の原則に従うことなく競争性の要素を導入してこなかったこと、これらの契約に係る積算が業務の実態とかい離していて、契約単価が割高になっていることは適切でなく、早急に是正改善を図る要があると認められる。

(発生原因)

 このような事態が生じているのは、次のことなどによると認められる。
ア 朝陽会との随意契約が長期にわたり引き継がれていたことから、見直しを行って契約に競争性を導入する意識に欠けていたこと
イ 製造加工請負契約作業は、貴局工場内で作業が行われていて所要経費のほとんどは労務費であるのに、こうした実態を考慮することなく物価資料の単価料金をそのまま適用したり、朝陽会から聞き取りを行った作業内容を十分検証することなく校正時間等を決定したりしていて、業務の実態とかい離した積算を行っていたこと

3 本院が求める是正改善の処置

 政府は「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日閣議決定)の中で、「独立行政法人見直しの3原則」を掲げ、19年内を目途に、政府として「独立行政法人整理合理化計画」を策定するとしている。そして、上記3原則の中には、国が進めている随意契約の見直しとの整合性を確保する原則も含まれている。
 ついては、貴局において、契約事務の公正性及び透明性を確保し、これにより競争の利益を享受するとともに、実態を反映した適切な積算を行って経済性を確保することができるよう、次のとおり是正改善の処置を求める。
ア 契約に当たっては、今後の契約方式については随意契約を見直し、競争性のある方式に移行すること
イ 予定価格の積算に当たっては、貴局工場内で作業が行われていて、材料費、機械設備費、光熱水費などの製造経費相当分を貴局が負担していたり、積算における校正時間等の条件が実績とかい離したりしているなどの業務の実態を十分に踏まえて所要経費を適切に算出し、1面当たりの契約単価に反映させること


平成19年度

 第3章 個別の検査結果

  第1節 省庁別の検査結果

   第7 財務省

    平成18年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果


http://report.jbaudit.go.jp/org/h19/2007-h19-0186-0.htm
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独立行政法人国立印刷局における土地及び土地譲渡収入などによる資金について

(平成18年度決算検査報告参照)

1 本院が表示した意見

(検査結果の概要)

 財務省は、独立行政法人国立印刷局(以下「印刷局」という。)が平成15年4月に独立行政法人に移行するのに際して、印刷局特別会計から現金及び預金、本局、工場等の事業用の土地、賃貸土地等の資産を印刷局に承継させた。承継後に、印刷局は、事業用の土地、賃貸土地、宿舎用地等の一部の土地について、財務大臣の認可を受けて、一般競争入札等で譲渡して、多額の資金を得ている。
 そこで、経済性、有効性等の観点から、印刷局が国の特別会計から承継した資産を対象に、賃貸土地等を譲渡するなどして得た資金が有効に活用されているか、又は国庫に返納する必要はないかなどに着眼して検査したところ、独立行政法人に移行してから、中期計画には見込んでいなかった土地の譲渡等により多額の資金を保有しており、その相当分が長期運用に充てられている状況となっていた。
 そして、土地譲渡収入のうち土地の売却益については、中期目標期間の終了時(19年度末)の積立金に関する独立行政法人国立印刷局法(平成14年法律第41号)等の規定に基づき、その2分の1相当額は中期目標期間終了後に国庫に納付される見込みであるが、国から承継した土地の帳簿価額相当額の資金については、政府出資金を減額して国に戻入することなどを想定した規定がないために、印刷局が中期目標期間が終了した後も保有し続けることになる。
 このように、印刷局は土地譲渡による資金を保有しているのに、制度上この資金のうちの帳簿価額部分は国庫に納付させることができない状況となっている。
 さらに、印刷局は、再開発が予定されている地域に賃貸土地等を保有していることから、今後も多額の土地譲渡収入が見込まれているが、財務省において、資金の活用方針や保有させる資産の適正規模等は具体的に検討されていない状況となっていた。
 このような事態が生じているのは、印刷局が承継した賃貸土地や、その譲渡により得た多額の資金について、印刷局の本来業務への必要性を勘案した適正な規模かどうかについて十分な検討が行われなかったこと、印刷局の保有する資金については、土地の譲渡等により多額の資金が生ずることや出資そのものを回収する必要が生ずるような状況を想定した制度となっていないことによると認められた。

(検査結果により表示した意見)

 印刷局は多額の土地譲渡収入金などの資金を保有して、なお、依然として、賃貸土地等を保有しており今後も多額の譲渡収入が見込まれることから、印刷局の保有資産の適正規模について具体的に検討して、不要な資産を国庫に返納させるよう適切な制度を整備するよう、財務大臣に対して19年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局の処置状況

 本院は、財務本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、財務省は、本院指摘の趣旨に沿い、印刷局の保有資産について、政府において検討され、策定された独立行政法人整理合理化計画(平成19年12月24日閣議決定)を踏まえて、20年4月から25年3月までの期間に印刷局が達成すべき業務運営に関する目標において保有資産の見直しを定めた。また、不要な資産を国庫に返納させる制度の整備については、政府として、各独立行政法人の不要財産の国庫返納等を定めた「独立行政法人通則法の一部を改正する法律案」を第169回国会(常会)に提出している。



■株式会社朝陽会
http://www.choyokai.co.jp/