日銀と改造内閣は?:98年日銀法改正と2006年量的緩和解除を結ぶ線、そして、改造内閣で! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日銀と改造内閣は?:98年日銀法改正と2006年量的緩和解除を結ぶ線、そして、改造内閣で!

秘書です。
2006年3月27日「週刊アエラ」にこんな記事をみつけました。この先のマクロ経済政策がどうなっていくのか、予測できますね。



「日銀復権への1086日 量的緩和解除した総裁の長い日々」

 「デフレと闘う総裁」として日銀に戻った福井俊彦は二つの使命を負っていた。
 地に落ちた日銀の信用を回復すること、失った金利機能を取り戻すこと。
 就任して3年、難関を一つこじ開けた。
 (編集委員 山田厚史)

…(2005年)12月8日、名古屋で講演した福井は、
 「金融政策の枠組みを変更する可能性は、2006年度にかけて高まっていく」
 婉曲表現ながら旗を掲げた。
 想定外の事態が起きない限り、経済は改善に向かう。06年には回復を裏付ける強い数字が出てくる。だが景気重視の政府・与党がスンナリ受け入れるとは思えない。
 予想通り、決定会合の直前になって首相官邸や自民党から牽制する声がわき上がった。安倍晋三官房長官は3日、定例会見の後、取り巻く記者に「3月にやるのは早すぎる」と語り、6日には小泉が国会で福井の前で露骨な牽制球を投げた。
 「デフレが終わったとは思えない。私は(解除に)慎重だ。聡明な日銀総裁は、私の意見をくみ取って判断すると思う」
 官房長官に続き、首相自ら「ダメ」というのなら日銀は動けまい、と市場は受け取った。だが、
 「一連の政治家発言が福井さんの退路を断った」
 そう見る関係者は少なくない。政治への遠慮が失敗につながる。手痛い経験は日銀の歴史にいくらでもある。

・・・

 日銀批判の急先鋒は竹中平蔵総務相。小泉ブレーンとして改革路線を演出してきた。「増税に頼らない財政再建」を掲げ、多少のインフレを加味した4%成長を目指すべきだ、と主張。増税は景気を冷やすから後回しに、成長軌道に乗せるにはゼロ金利を続けるべきだ、そのためには量的緩和を解除すべきではない、という論法だ。
 小泉も安倍も政調会長の中川秀直も竹中に同調した。ここを突破しない限り日銀の復権は果たせない。福井は経済財政担当相の与謝野馨に接近した。実務家で政策通の与謝野は「財政再建には増税は不可避」と論陣を張って竹中に対抗していた。
 福井は、日銀の先輩で理事まで務めた中川幸次にかわいがられた。中川は中曽根康弘の親友で、与謝野は中曽根の秘書から政界に転じた。そんな縁から2人は以前から接点があった。98年日銀法改正の責任者だった福井(当時副総裁)が自民党への根回しに走り回ったとき、力を貸したのは官房副長官だった与謝野だった
 与謝野は今度も日銀応援団として動いた。所轄する経済財政諮問会議で竹中のインフレ路線を抑え込み、その一方で「金融政策は日銀に任せるべきだ」と一貫して主張した。財務省に太いパイプを持つ与謝野が支援に動いた意味は大きい。「日銀の天敵」ともいわれた財務省は、今回も量的緩和の解除には慎重だった。3月解除へと動く日銀を牽制し、場合によっては政策決定会合で「決定延期」の切り札を切るのでは、と見られていた。それが3月2日の省内の会議で延期要請はしない、との方針が決まった
 その前日、1日夜に福井と与謝野は都内某所で密かに会った。何が話し合われたかは明らかにされていないが、9日の政策決定会合に向けての対応が話題になったと見られる。3日発表の1月消費者物価指数で2カ月連続の上昇が確認される。景気回復を示すお膳立ては整いつつある。後はガンコに突っ走る。福井はそうハラに決めていた。
 いま日銀内には「政治の壁を突破した」という密かな充実感が漂っている。「福井さん、よくやった」と心で叫びながら、騒がずはしゃがず喜びをかみしめている。
 福井は、記者会見で「量的緩和に再び戻る選択はない」と述べた。次の目標であるゼロ金利の解除が順調に行くか。今回押し切られた官邸・与党は「ゼロ金利は当面続ける」という方針で一致している。
 小泉首相の後継者は来年、参議院選挙を戦う。多少バブルがあっても、全国津々浦々に明るさが戻るような環境で選挙を乗り切りたい、というのが与党の事情だ。福井日銀の真骨頂が問われるのはこれからである。

→その後、日本経済がどうなったかは、みなさん、よくご存じの通りです。結局、「デフレターゲットのために闘う総裁」だったですね。また、民主党政権下でも、物価上昇率0%になったら、バブル懸念とかいいはじめて、フォワードルッキングな政策転換をするのでしょう。

→こんなことをいつまで繰り返すのか?日銀法改正は立法府ができること。若者の未来を奪うデフレタ―ゲッティングポリシーをやめさせるためにできること。

→20日、これに関する超党派のシンポジウムがあるようです。中川秀直もパネリストとして参加します。