菅総理は熟議型与野党対話5原則をのめるか(中川語録) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

菅総理は熟議型与野党対話5原則をのめるか(中川語録)


権力の絶頂にある人に戦いを挑むときに人々は拍手喝さいを送る。既に絶頂をすぎた段階を見計らって戦いを挑んでも、国民の拍手喝さいはない。

絶大な権力を誇る人は現在の全ての問題に対して大きな責任がある。だからその人物の除去と国民生活の諸問題の解決がつながることがある。

それに対して、既に権力の座から去っている人が排除されても、それが国民生活の諸問題の解決につながるとは考えられない。

大事なことは国民生活の諸問題の解決である。大事なことは、野党との対話路線の中で国民生活をどうするのかを示すべきだ。

問責決議を無視し、国会空転を与野党どちらが長く耐えられるかという「けんか国会」をしかけてくるのか。そんな権力闘争は誰もみたくないことだろう。

譲るべきは政権党の側である。98年金融国会のとき、菅さんは民主党代表として時の自民党政権に野党案を丸のみさせた実績がある。今度は反対の立場だ。

菅総理が持論とするはずの熟議型民主主義と、菅総理の権力への執着は全く関係ない。菅総理の意思ではない。熟議の結果としての国民の意思を粛々と執行する役割に徹する以外、菅総理が総理の座に残る道はない。以下の5つの原則が鍵となる。

(1)両院協議会、小委員会方式を通じて、原則として全法案を与野党協議にかける。

(2)日銀法改正、国家公務員法改正、政治主導法案については野党案をベースに小委員会で与野党合意する。郵政法案のような対決法案は次期衆院選で民意を問うことにして廃案とする。

(3)衆参両院の決算委員会の小委員会で「事業仕分け」を与野党合同で開催する。

(4)与野党合意の参考軸として、衆参両院の公聴会において、無作為抽出市民による熟議型世論調査を実施する。

(5)民主党の年金改革案を提示するか、年金改革断念・現行制度の微調整を明言し、与野党協議機関に提示する。

以上の熟議型与野党対話5原則に基づき通常国会を運営し、TPPと増税の方針が固まる6月に解散・総選挙で国民に信を問えばいい。菅総理にそれだけの覚悟はあるか。全てにおいてけんか腰の民主党の国会現場を押さえることができるか。できないとすれば、国政の混迷は深まる。菅政権打倒に向けた早い展開になるだろう。

(1月8日記)中川秀直