経済3題:デフレ・TPP・予算について議論しよう! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

経済3題:デフレ・TPP・予算について議論しよう!

秘書です。
日テレ24のお正月の解説記事より。



■経済部デスクが解説「11年度予算の課題」
< 2011年1月3日 11:50 >日テレニュース24

11年度予算の政府案が、通常国会で審議されることになる。経済部・大野伸デスクが「11年度予算の課題」を解説する。

 政府は11年度予算案の目玉として「元気な日本復活特別枠」と称し、約2.1兆円を計上した。特別枠の予算は「政策コンテスト」により重点政策を競わせ、予算配分するという方式により決定された。「港湾ハブ機能の強化」「高齢者等居住安定化推進事業」「小学1年生における35人以下学級の実現」などの事業が並ぶ。しかし、ふたを開ければ省庁ごとの縦割りに基づく内容で、目新しいインパクトのある「日本が元気になる」と感じる斬新なアイデアに基づくものは少なかった。

 「35人学級」を例にすれば、小学1年生だけを少人数制にすればなぜ学力が向上し、日本の競争力強化につながるのか、合理的な因果関係は立証しにくい。また、35人学級を実現するため、教員の定員増加も盛り込まれているが、シニア教員の再活用や民間活力の利用など、もっと政策コストを安くできる方法もあったのではないか。結局は、省庁は権益拡大につながるものを要求に盛り込もうとするという従来指摘されている事例を「民主党方式」による予算編成でも排除することはできていない。

 また、マニフェスト関連の予算上積みも引き続き行われた。子ども手当は「3歳未満に限り積み増し」という年齢区分の根拠もはっきりしないアリバイ的なものとなった。そもそも、積み増しにより、何が政策効果となるのか全く議論もされないままであった。

 こうした理念無き予算が目立つのは、在の政権がどのような国を目指し、そのためにどのような政策が必要なのかを曖昧な言葉でしか持ち合わせていないことが大きい。理念なきままに、政治家が有権者にばらまくための歳出を増やし続ける、この安易な道筋のまま行けば、国民のためというより、結局は官の権益拡大が進む政府となる危険性が高い。

 そして、予算をチェックするのは野党の大事な仕事の一つである。使うだけの効果がある予算なのか、納税者を代表して一つ一つ丁寧に吟味し、対案とともに国会で厳しく議論してほしい。

→そうですね、今年の国会では、国の方向性と予算の関係を厳しく追及していきましょう。


■TPP参加に向けた政府の課題
< 2011年1月2日 21:40 >日テレニュース24
 菅首相は「第2の開国」を宣言し、TPP(=環太平洋経済連携協定)への参加を目指す方針を去年、打ち出した。「TPP参加に向けた政府の課題」について、経済部・大野伸デスクが解説する。

 TPPはシンガポールなど4か国の間で06年に発効した経済連携協定で、原則的に例外を認めない関税撤廃を行い、貿易の自由化を実施しているのが特徴。当初は注目度の低い協定だったが、10年に入ってアメリカが参加を表明したことで、参加国の拡大と新たな枠組みへ向けて大きく動き出した。アメリカは、今年11月にハワイで開催される予定の次回APEC(=アジア太平洋経済協力会議)の時期までに、TPPに参加する条件などを各国で合意したい考え。

 日本としても、この時期までには正式に参加するための体制を整えなければならない。こうした状況から、今年は日本の通商政策にとって重要な分岐点となることは確実だ

 なぜ、日本にとって通商交渉が重要なのかは、もはや議論するまでもなく、日本は輸出に依存した工業国だからである。さらに、日本の経済連携交渉はすでに韓国に大きく後れを取っている状況だ。こうした中で、TPPに参加しなければ、ますます企業の国際競争条件が不利になる可能性が高い。

 同時に重要なのは、冷戦期の「防衛安保」から冷戦後の「経済安保」へ変化を遂げているという視点。世界経済がボーダーレス化する中で市場をどう補完し合い、競争関係を高めていくか、その中で国と国の関係も均衡を保つということが極めて重要になっている。日本が加入できる条件にないと判断されれば、輸出国としての日本の地位が危ないばかりか、重要な同盟にも乗り遅れることになる

 しかも、すでにTPPの合意に向けた条件協議は各国間で本格化しており、日本は情報収集しかできない状況にある。早急に前向きな決断をしなければ、ますます日本にとって厳しい条件となることは必至だ。

 一方で、経済の大きな自由化の流れに加わるという決断は、菅首相の言う「第2の開国」というに等しい重要なものであるもかかわらず、国内の農業団体や農水族議員、地方自治体などの理解をどう得るのか、具体的な対策は打ち出せていない。

 政策的にも、農水省は国内農業の「保護」を中心にこれまで通商政策を考えてきたが、今後は国内農業の「競争力強化」を力点に、産業支援や産業育成という政策に転換することが重要になる。しかし、農水相どころか、通商交渉を担う経産相までもがそもそもTPP参加に慎重な姿勢で、閣内がまとまるのかも不透明な情勢となっている。

 与野党ともに慎重な議員は少なくなく、まさに菅首相の相当なリーダーシップをもって国内での理解を得るべく早急に具体的な行動を取らなければ、時間切れとなる危険性は高い。「第2の開国」も「黒船」頼みとなれば、歴史の教訓を学んでいないといわざるを得ない。

→もうじき、みんな判断しなければならないときがきます。


■日本経済デフレ脱却への道筋を!
< 2011年1月1日 22:13 >日テレニュース24
 今年も経済政策の課題は山積している。経済部・大野伸デスクは、その中でも「デフレ脱却に向けた強力な経済政策」が重要と解説する。

 政府が「デフレ宣言」をしたのは09年11月20日。消費者物価の下落は去年までに2年連続となった。庶民の肌感覚でも、牛丼やハンバーガーの値下げ競争が続くなど、デフレの進行を実感する場面は少なくない。こうした状況の下、経営者は倒産のリスクを常に抱え、サラリーマンは給料の削減が進むなど、雇用環境を巡る不安は改善せず、消費マインドの低下につながっている。

 政府は「11年度は消費者物価が対前年で0.0%と、3年度ぶりにマイナスから脱却する」という見通しを、去年12月22日に示した。しかし、民間のシンクタンク調査では依然としてマイナスになるという予測も多く、デフレ脱却は決して容易ではない。

 本来は、デフレ対策には「物価の番人」といわれる中央銀行「日本銀行」の役割が期待されるところだが、日本はゼロ金利政策を継続中であり、少なくとも金利で調整することはできない状況にある。日銀の役割をさらに拡充させるべきだという議論もあり、日銀法の改正も含めて政府との関係が注目される。

 ただ、やはりこのような状況下ですぐに求められているのは、政府の強力な経済政策だ。菅首相も「雇用の促進とデフレ脱却」に向けた政策を実施するよう指示を出している。

 しかし、政府がデフレを脱却するために誰に責任者として権限を与え、省庁、さらには官民が一体となってどうデフレ退治に取り組むのか、政治主導で行うべき場面だが、具体策が見えてこない。この一大課題を克服するためには、有識者の分析や経営現場からのアイデア、あらゆる知見を集め、霞が関を動かして政策を総動員で推し進めることが欠かせないはずだ。その体制を構築した上で野党とも協力してデフレ脱却に向けた緊急法案を国会に提出し、速やかな成立を図るべきである。予算措置や制度改正などの大胆な取り組みには、与野党の合意が政策継続性の意味でも重要となる。

 一方で、デフレを脱却すれば金利の上昇という、借金大国・日本には副作用が出る場面も予想される。しかし、経済成長なくして税収増も見込めないのだから、ここは真正面から向き合うことを避けるべきではない。財政の健全化のためにも、デフレという妖怪を退治しなければならず、もはや時間の猶予はない。

→大事なことは実質金利が低いことですね。名目成長率4%を超えれば増税の必要額がかわる。だから増税派は4%成長は無理だという。しかし、米国はどうなのか。米国の中央銀行はしっかりと役割を果たし終えたみたいですね。デフレ阻止の。なぜ、日本は同じことをしてはいけないのか?日銀法の欠陥でしょうか。だとするとこれを放置するのは立法府の怠慢ですね。

→物価がプラスを見込めない中で増税すればするほど景気が拡大する、という経済学をどなたが主張するのでしょう?