尖閣映像:結局、最初の非公開の判断がすべてだった | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

尖閣映像:結局、最初の非公開の判断がすべてだった

秘書です。
問題の本質は何か?

「非公開にする映像だったのか」
「結局、最初の非公開の判断がすべてだった」
「尖閣ビデオの内容は、そもそも政府にとって公開されると困るほどの情報ではなかったということなのではないか」


そうです、公開して困るほどの内容でなかったことは中川秀直の衆院内閣委員会質問及び質問主意書に対する政府答弁書で明らかです。

○2010年11月12日衆院内閣委員会における質問の映像
http://www.youtube.com/user/shuchoku?gl=JP&hl=ja#p/a/u/0/EKH0KwKizvU
http://www.youtube.com/user/shuchoku?gl=JP&hl=ja#p/a/u/2/YaznZiOFCW0
http://www.youtube.com/user/shuchoku?gl=JP&hl=ja#p/a/u/1/HhVaMEfzJTA

○2010-12-10 12:22:29
「尖閣沖漁船衝突事件の映像の機密性に関する質問に対する答弁書」=国会答弁と矛盾?
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10732477689.html

では、なぜ、誰の判断で、何を目的に尖閣映像は非公開にされたのか。

こここそが、国会で究明されなければならない最大のポイントです。

一部新聞報道にあるように、官邸が広報用ビデオの公開をとめたのか?
一部新聞報道にあるように、首脳懇談、首脳会談をやるために中国と密約したのか?
 


今朝の新聞報道によると、外交文書公開では、私信も公開されているようですが、菅民主党政権の意思決定過程に関する重要文書は、「私的メモ」として焼却されるかもしれません(作成に使用した政府所有のPCも更新の名で廃棄処分されてしまうのか?)

一刻も早く政権交代することで、尖閣映像非公開決定過程の真実を明らかにする必要があります


戦争映画でよく見るシーンに、敗戦国では首都に敵が迫ってくると政府の中枢で文書の焼却処分がはじまりものがあります。もしも、そんな現象が政権交代前夜の政権中枢で始まったら、その姿もきっと誰かによってリークされることになるでしょう。


■クローズアップ2010:尖閣ビデオ流出、海上保安官停職 国交相へ波及警戒
毎日新聞 2010年12月23日 東京朝刊

 ◇免職回避、世論もにらみ
 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件で、一色正春・元主任航海士(43)への行政処分は停職12カ月、本人は依願退職という形で海上保安庁を去った。国家公務員が政府の方針に反して、職務上知り得た秘密を故意に流出させた行為に、懲戒免職にすべきだとの意見もあった。しかし、免職処分にすることで馬淵澄夫国土交通相らへ影響が波及しないかとの懸念や、ビデオ映像を非公開とした政府の方針に批判的な世論もふまえた「政治判断」が透けて見える処分となった。【石原聖、臺宏士】

 一色元航海士は金銭的な見返りはないが職務上知り得た秘密を故意に流出させており、免職になる可能性もあった。だが、免職とすれば、監督する鈴木久泰長官、馬淵国交相への辞任要求が野党などから高まるとの見方もあったうえ、「非公開にする映像だったのか」という政府に批判的な世論も起きた。海上保安庁は、捜査の進展や同様のケースの処分例を参考にしながら、「政治判断」を仰いだうえで、停職にして依願退職という形での事態収拾を図ったと見られる。

 一色元航海士の任命権者は、第5管区海上保安本部(神戸市)本部長。本来なら懲戒処分のための事実関係の調査は5管が行う。しかし、映像流出の経緯が複数の管区にまたがるうえ、海上保安庁を所管する馬淵国交相が問責決議を受けた。「一保安官の不祥事というレベルにとどまらない事案」(海保幹部)という社会的影響の大きさから、本庁主導で調査を進めた。

 今月上旬からは5管に派遣された本庁職員が、巡視艇「うらなみ」の主任航海士から陸上勤務へと配置換えとなった後、年次休暇を取っていた一色元航海士を出勤させ、免職、停職、減給、戒告の4段階ある懲戒処分のどれに該当するか事情を聴いた。

 過去の公務員の情報漏えいでは懲戒免職になったケースはあり、海保内では、公務員が政府方針に反したことや、日中関係を悪化させた社会的影響から免職にすべきだという見方もあった。一方、映像は一時期、海保内で誰でも閲覧可能な秘密度の低い時期があったため停職とすべきだとの意見があった。

 しかし、海保が撮影した映像に関しては、不審船から銃撃される模様など、より秘密度の高い映像は公開されてきた。事件後、尖閣沖に姿を見せている中国の漁業監視船の映像も公開されており、政府内で公開・非公開の議論がなされた形跡はない

 さらに、公務執行妨害容疑で逮捕され、処分保留で釈放された中国人船長に対する検察の処分は終わっていない。逮捕や釈放、映像の公開・非公開がどのような基準、判断でなされたかも不明瞭なままだ

 ある海保OBが「結局、最初の非公開の判断がすべてだった」と振り返るように、当初の非公開判断に疑問が残る中、政治や世論へ配慮した印象を強く残す処分となった。

 ◇識者「過去の漏えいと比べ処分軽い」
 一色元航海士が映像をインターネット上に流出させた行為は、職務上知り得た秘密を漏らしたと警視庁は判断したが、半面、尖閣諸島沖で何が起きたかを明らかにし、国民の知る権利に応えたとも言える。漏えい対象は異なるが、公務員が報道機関の取材に協力して情報を提供したことによって懲戒処分になるケースは過去にもある。こうしたケースに比べて今回の処分はどうだったのか。

 沖縄密約問題で、外務省の機密電文を毎日新聞記者に渡した女性事務官は懲戒免職(72年)になり、読売新聞記者に南シナ海での中国海軍の潜水艦火災情報を教えた航空自衛隊1等空佐も懲戒免職(08年)になった。これらのケースと比べると、依願退職したとはいえ、一色元航海士は免職にならなかった分、形式的にはやや軽い。

 今回の処分について、服部孝章・立教大教授(メディア法)は「女性事務官や1佐に対する懲戒免職処分は、情報提供者を萎縮させる不当な処分だと思う」とした上で、今回の停職処分について「これまでのケースに照らせば本来であれば、政府の方針に反して勝手にネットに流したわけで、懲戒免職に該当する処分になったはずだ。それが今回は停職12カ月の軽い処分となったのは、保安官の行為を支持する世論への政治的配慮だけでなく尖閣ビデオの内容は、そもそも政府にとって公開されると困るほどの情報ではなかったということなのではないか」と分析する。

 また、大石泰彦・青山学院大教授(メディア倫理法制)は「自分の勝手な正義感で尖閣ビデオを流出させたのだから懲戒処分は当然だ。しかし、本来は政府が国民に提示すべき情報であったことや、保安官が自分なりの信念で行ったことを踏まえると、懲戒免職などの重罰によって解決されるような事案でもない。政府にとっては『それなりの処分』であると言えるかもしれない」と指摘。その上で「政府や海上保安庁は、極端な秘密主義は不測の情報漏えいを招きかねないことを教訓として学び、情報の公開や庁内での情報共有をどのように図っていくかを考えていくべきではないか」と話した。

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 ◇知る権利との関係で公務員の処分が問題となった主なケース◇
 ◇72年
 沖縄返還を巡り本来、米国が負担すべき旧軍用地の原状回復補償費を日本が肩代わりすることを示した外務省の機密公電を毎日新聞記者に渡したとして、外務省が女性事務官を懲戒免職(4月)。事務官は、国家公務員法違反(守秘義務)で起訴され、東京地裁は74年1月、懲役6月(執行猶予1年)の有罪判決を言い渡した(確定)。

 ◇05年
 週刊誌記者に捜査情報を漏らしたとして、神奈川県警は同県警捜査2課の男性警部補を停職1カ月の処分(11月)。県警は地方公務員法違反(守秘義務)容疑で書類送検(起訴猶予)。警部補は依願退職。

 ◇08年
 読売新聞が05年5月に報じた中国海軍潜水艦が南シナ海で起こした火災事故で、防衛省は情報提供した航空自衛隊1等空佐(当時)を懲戒免職(10月)。1佐は自衛隊法違反(防衛秘密漏えい)容疑で08年3月に書類送検された(起訴猶予)。


■【主張】海保大量処分 元凶は中国船長の釈放だ
2010.12.23 02:52 産経新聞

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐるビデオ映像流出事件で、警視庁は国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで、神戸海上保安部の海上保安官を書類送検した。

 海上保安庁も保安官の停職12カ月に加え、鈴木久泰海保長官の減給を含む、24人以上の処分を発表した。処分の印象は広く浅いものだが、すべては海保の巡視船に体当たりしてきた中国人船長を、不可解にも釈放したことが招いたものだ

 保安官は年明けにも起訴猶予処分となる見通しで、事件当初「逮捕すべきだ」と強弁していた仙谷由人官房長官は、「事案の内容が分かってくるにつれて、こういう捜査でもよかったのかなという気がしないでもない」と述べた。奥歯にモノの挟まったような感想が事件の本質を物語っている。

 組織が秘匿を命じた資料を意図的に流出させた行為は、国家公務員として指弾されて当然だ。ただし、中国漁船の衝突が引き起こした一連の事件とみた場合、船長を処分保留で釈放しておきながら、保安官にのみ厳罰を科せば著しくバランスを欠くこととなった。

 衝突映像自体は本来、海保職員にも国民にも広く公開されるべきものだった。映像が「秘密」とされた根拠は初公判前の証拠公開を禁じた刑事訴訟法にあったが、釈放された船長はとっくに帰国しており、公判自体が存在しない

 那覇地検が船長に処分保留のまま、いつまでも不起訴処分を出さないのは理解に苦しむ。そこに政治判断があるなら政府が説明すべきだ。司法独自の判断なら言語道断である。不起訴なら映像は証拠でも秘密でもなくなっていた

 流出当事者の保安官が書類送検では海保も免職にはできず、当事者が停職では、長官の責任も強くは問いにくい。船長の不自然な釈放で最初のボタンを掛け違えたまま、納得のいく説明がなく、衝突事件そのものにも決着をつけていない。その影響が今回の処分にも出ているのだろう

 那覇地検は一刻も早く、中国人船長に対して起訴猶予などの不起訴処分をだすべきだ。これを受けて海保はただちに、衝突ビデオ映像のすべてを、自らの手で公開しなくてはならない

 尖閣諸島沖で何があったのか。全容を明らかにしたうえで、改めて政府、検察当局の事件処理の是非が問われるべきだ。


■社説:海上保安官処分 政治の責任も大きい
毎日新聞 2010年12月23日
 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件で、海上保安庁が関係者の処分を決めた。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿してビデオ映像を流出させた神戸海上保安部所属の海上保安官は停職処分となった。保安官は処分後に辞職した。

 政府の一員である公務員が、政府方針に異議をとなえ、独断でビデオを流出させた行為は妥当ではない。懲戒処分は当然だろう。

 警視庁は、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で保安官を書類送検した。東京地検は年明けに刑事処分を決める予定だ。

 一方、海上保安庁は、トップの鈴木久泰長官を減給処分とするなど、保安官を含め24人の処分に踏み切った。また、馬淵澄夫国土交通相は、給与1カ月分の10分の1を国庫へ自主返納する。

 改めて一連の経緯を振り返ると、官邸を含む政府の不手際と対応のまずさが目立ったといえる

 9月7日の衝突翌日に中国人船長を逮捕したが、同25日に釈放した。明らかに政治的な判断が働いたとみられるのに、処分の判断は検察にげたを預ける形にした。

 また、ビデオについては当初、刑事訴訟法上の証拠物に当たるとして非公開とした。そのため、非公開の判断の背後にある外交上の配慮などについて国民に十分な説明をしてこなかった。それが流出を正当化する見方に結びついた面があるだろう。

 また、衝突のビデオ映像について、海上保安庁は当初、「衝突の映像は石垣海保にしかない」と説明していた。その後、第11管区海上保安本部(那覇市)から海上保安大学校(広島県呉市)に送られた映像が、9月中旬の数日間、海保職員の誰もが見られる状態だったことが分かった。それが持ち出され、流出につながったのである

 海保の情報管理のずさんさと、説明が変遷したいいかげんさは言うまでもない。だが、馬淵国交相がビデオ映像の徹底管理を求めたのは10月に入ってからだった。政府の意思表示が遅れたため、海保内で映像が拡散した面も否定できない。

 馬淵国交相は、情報流出の防止対策のあり方について、有識者からなる検討委員会を設置して年明けから検討を始めることも明らかにした。もちろん、捜査にかかわる機関で、特定の人の恣意(しい)的な判断で重要情報が流されることがあってはならない。しっかりと議論してもらいたい。

 だが、漁船衝突事件以後、事態が混迷した理由は、政治の側が腰を落ち着けて対処方針を示さなかったところにある。その点を政権として反省すべきである。