「現物納付」=霞が関埋め戻し:行政刷新会議が埋蔵金(不要資産)の霞が関埋め戻しを是認! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「現物納付」=霞が関埋め戻し:行政刷新会議が埋蔵金(不要資産)の霞が関埋め戻しを是認!

秘書です。

昨日の行政刷新会議の決定で、不要資産の霞が関埋め戻しを是認しましたね。
これは大きな誤りです。


■独法に2兆円の国庫返納求める 行政刷新会議が決定
2010年11月27日5時36分朝日新聞
 政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は26日、独立行政法人(独法)の抜本見直しに向けた「独法の事務・事業の見直しの基本方針」を正式に決めた。今年度以降、独法の不要資産として少なくとも約2兆円の国庫返納を求めることを決定。返納された資産は来年度予算の財源としても活用される見通しだ。
 基本方針は同日、首相官邸で開かれた同会議で決めた。過去の「事業仕分け」の対象を含むすべての独法(104法人)の無駄な事務・事業や不要資産を洗い出し、事務・事業の廃止や予算縮減など、見直し措置は855項目に上る。すでに独法の所管省庁と折衝を終えているため、実現する方向だ。

 国庫返納として最大なのは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(国土交通省所管)の特例業務勘定剰余金の約1兆円。今年4月の事業仕分けで国庫返納を求める判定となったほか、会計検査院も9月に「1.2兆円が余分」と国交省に返納の仕組み作りを要求していた。基本方針でも来年度から返納させることを明記した。

 基本方針では、独法が所有する土地や宿舎、保養所などを処分し、その売却収入を国庫に納めるよう求めており、売却が実現すれば国庫返納額はさらに増える公算だ。

→「財源としても」の「も」ってなんでしょう?財源以外の用途があるということですね。原文にあたってみましょう。


独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針
http://www.cao.go.jp/sasshin/kaigi/honkaigi/d14/pdf/s2.pdf

独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針5Pに以下のようにあります。

Ⅲ 資産・運営の見直しについて

独立行政法人の資産・運営については、以下の取組を進める。また、各独立行政法人の資産・運営について個別に講ずべき措置は、別表のとおりである。
1.不要資産の国庫返納
○ 国の資産を有効かつ効率的に活用する観点から、独立行政法人の利益剰余金や保有する施設等について、そもそも当該独立行政法人が保有する必要性があるか、必要な場合でも最小限のものとなっているかについて厳しく検証し、不要と認められるものについては速やかに国庫納付を行う。
○ 不要な施設等の納付方法については、原則として現物により速やかに納付することとし、国は、納付を受けたものを含めた国有財産全体の有効活用を図る
○ なお、本基本方針で個別に措置を講ずべきとされたもの以外のものについても、各独立行政法人は、貸付資産、知的財産権も含めた幅広い資産を対象に、自主的な見直しを不断に行う。

→下線部分の意味は、「霞が関埋蔵金は売却しない、財源化しない=霞が関に埋め戻す」です。

→別表をみてみましょう。


例えば、第1回の事業仕分けの会場となった国立印刷局の体育館。
あれはどうなりましたでしょうか?
第一回の事業仕分けの対象となった、財務省所管の独立行政法人国立印刷局自体は国の機関化を含めて検討だったですね(つまり、国の機関に戻す、ということ)。
そして、不要資産は現物として国に返納。(つまり、霞が関埋め戻し)


→国立印刷局については、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針19Pに以下のようにあります。

【資産・運営等の見直し】

○不要資産の国庫返納
・大手町敷地、市ヶ谷センター、久我山運動場
(22年度中に実施)大手町敷地、市ヶ谷センター、久我山運動場については、速やかに現物納付する。

・旧鎌倉・京都宿泊所、那須・伊東保養所等
(22年度中に実施)旧鎌倉・京都宿泊所、那須・伊東保養所等については、処分し、売却収入を国庫納付する。

○保有資産の見直し
・虎の門工場
(22年度以降実施)虎の門工場については、印刷機能を滝野川工場へ移転し、虎の門敷地を含む周辺地権者との再開発事業の進ちょく状況を踏まえつつ、移転後の資産処分について引き続き検討する。

○職員宿舎の見直し
・都内宿舎等の廃止・集約化
(22年度以降実施)山の手線内宿舎については、平成25年度末までに廃止・集約化し、あわせて、平成24年度末までに、老朽化したその他都内宿舎等の集約化等を検討する。

→大手町敷地、市ヶ谷センター、久我山運動場は、霞が関埋め戻しですね。簿価1000億円。自民党が政権時代の骨太の方針2006の路線でいけば、売却だったでしょうね。民主党政権になって、霞が関埋め戻し。しかも、行政刷新会議のお墨付きを得て。

※独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針には、そのほか、こんなところもあります。

自己収入の拡大
特定の者が検査料、授業料、利用料、配布価格、技術指導料等を負担して実施する事業については、受益者の負担を適正なものとする観点から、その負担の考え方を整理し、これに基づき、国民生活への影響に配慮しつつ検査料等の見直しを行う
○ また、協賛、寄附等が見込める事業については、その拡大に努めることにより、国費の削減を図る。
○ 出版物の版権、研究開発成果等に係る特許等による知的財産の活用等を通じて自己収入の拡大を図る。

→検査料等を引き上げて財源を賄えということですね。これでは実質増税と同じことですね。
→協賛、寄附等が見込める事業はその拡大につとめるということは、霞が関から奉加帳が企業に回ってくる、ということですね。



→蓮舫大臣にはがっかりだ、という方。大臣の責任はありますが、埋蔵金の霞が関埋め戻し問題は、鳩山政権時代の事業仕分け第1弾からの長い経緯があって、当時の菅副総理はじめ、野田さんも、枝野さんもみんなかかわって決まってきた既定方針です。

→気づかなかったのではないか?なぜ教えてあげなかったのか?と思われる方もいるでしょう。しかし、中川秀直は、繰り返し、衆議院内閣委員会でこの問題を警鐘乱打してきました(下記参照)。気がつかなかったわけではありません。政府・民主党の幹部のみなさんは、よくわかった上で、確信犯として霞が関埋め戻しをやっているわけです。


→不要資産を霞が関に埋め戻して、国家公務員給与は1.5%しか削減しないで、それで増税強行するのか?一体、誰のための政権なのか、という本質問題です。


○平成21年11月20日衆議院内閣委員会
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

○中川(秀)委員 ・・・次に、副総理は、経済財政担当、つまり昔で言う経企庁長官のお仕事もしておられるわけです。そこで、幾つかのお話を伺いたいと思います。

 財政運営の中で、今、事業仕分けが行われているのは印刷局の体育館ですね。メールで来ておりますのは、今、民主党政権が行っているのは、政治主導政治ではなくて財務官僚主導政治ではないでしょうか、こういう質問が来ています。その象徴が、事業仕分けが行われている場所が、独法国立印刷局の市ケ谷センターの体育館だということです。(パネルを示す)ここですね。これが今、印刷局の本局、工場があるところ。それから、大手町に膨大な土地を持っています。東京駅からわずか一、二分のところです。空地です。更地です。

 大体、印刷局に体育館がなきゃ仕事ができないんでしょうか。私は、自民党の政調会長時代から、ここの国立印刷局の資産は処分すべきだと言ってまいりました。ホームページでもこれはオープンになっています。こういう大物が、なぜ事業仕分けの対象になっていないんでしょうか。財務省所管の独法その他は、事業仕分けの対象に一切入っていません、全く。なぜですか。そして、この印刷局は、七人の役員のうち四人が財務省OB。七人のうち四人が財務省OB。

 菅さん、鳩山政権のもとではこの印刷局の資産の売却をどうしますか。大手町のこの遊休地だけで、大体、路線価で千八百八十五億円あります。虎ノ門のここで二百五十億円ぐらい。市ケ谷センター、この体育館、今やっているところ、これで八十三億円です。何で印刷局に体育館がなきゃいけないんでしょうか。そんなことも含めまして、この資産処分をどうされますか。

 メールでも来ています。北海道の方ですね。たしか、事業仕分けをしているこの建物その他空地など大変な資産は、我々の自公政権時代に、渡辺君が行革大臣のころですが、売却する法案を提出したんです。当初は、これは資産を売却しても二分の一しか国庫に返納できない、そういうことでしたが、当時の内閣は、独法通則法改正案というのを出しまして、そして売却価格全額を国庫返納できるようにしたんです。そういう法案を出した。ところが、民主党が審議に応じず、廃案にしてしまったんです。これを北海道の方が、なぜそんなところで事業仕分けをやっているの、その前に、そういう資産をちゃんと売却できる法律を民主党が政権をとったんだからやるべきではないですか、そういうことも言ってきているんです。

 全体の御感想をどうぞ。

○菅国務大臣 ・・・その上で、国立印刷局について、なぜ事業仕分けの対象にならないのか。私も、一般的に言えば、対象からわざわざ外す必要はないと思っております。昨日の会議でもそういった議論も出ておりますので、多分近いうちには事業仕分けの対象として扱われるのではないか、このように理解しています。

○中川(秀)委員 ともかく、こういうものの資産もしっかり売却をして、それで全額国庫返納できるようにこれは通則法を改正しなきゃいかぬのです。今は二分の一しか国庫返納にならないんですから。そういう法的措置をちゃんと政府で提案して進めるべきですよ。そのことも含めて、うなずいていただいているから、今の御答弁で前向きにやっていただくと理解をいたします。


→事業仕分け第一弾で、国立印刷局が事業仕分けの対象になったのは、中川の質問の前日でした。あわてて対象にした感じでしたね。

→さらに、今年3月10日の内閣委員会。このときには、国立印刷局の不要資産の「現物納付」という名の霞が関埋め戻しが決まっていました。



○平成22年3月10日衆議院内閣委員会

○中川(秀)委員 ・・・次を申します。事業仕分けのことについて少しお話ししたいと思います。

 菅財務大臣と、枝野行政刷新担当大臣、事業仕分け担当大臣に関連する質問であります。

 まず、事業仕分け第一弾で取り上げた、独立行政法人国立印刷局について伺いたいと思います。

 独立行政法人の不要資産は売却、売却金は国庫返納、これはもうそういう原則で最近の政策はやってきたわけです。これからもそれはしっかりと貫徹していかなきゃいけないと私は思いますね、この財政ですから。

 事業仕分けでも、独立行政法人印刷局については、十一月二十七日の議論の結果、皆さんが選ばれた二十七人の評価者のコメントのうち、廃止というのがお一人、現行独法のまま不要な保有資産の売却をさらに進めるが六人、全体の見直しの中で国へのさらなる財政貢献のあり方を検討する、これがやや一に近い部分もあると思いますが、それが十名となっています。

 しかし、見直し結果はこの二十七名中多数意見の十七名の評価者意向に必ずしも沿っているとは私は少し思えないのでございます。

 印刷局と造幣局、合わせて一千億円の不要資産については、民間売却した上での現金の返納ではなくて、現物給付での、現物です、国への返納で、まあ霞が関の埋蔵金の埋め戻し、塩漬けみたいな、そんなことをして、その上で、枝野大臣が御担当だったんだと思いますが、国立印刷局自体を国の機関化、すなわち財政貢献はゼロで財務省本体の肥大化をする、そんな結論になってしまったんではないでしょうか

 きょうも御出席ですが、野田財務副大臣は、昨年十二月十日の記者会見で、印刷局と造幣局の事業仕分けの結果としての不要資産売却による国庫納付の上積み三十六億円。国庫納付ですね。三十六億円。不要資産の現物給付が簿価合計で一千億円近く、こう言っておられます。

 財務大臣である菅大臣、今、財政は本当に危機的状況ですね。鳩山政権では不要資産は即売却とすべきでしょう。菅大臣、この簿価一千億円の資産というのは時価総額幾らでしょうか。そして、現物給付というのは、簿価一千億円の資産を、売却しないで、政府本体に塩漬けするということです。これでは国への財政貢献にはつながりませんね。現物給付された簿価一千億円の不要資産は売却すると私はここで明言すべきだと思いますが、売却するなら、いつ売却なさいますか。

○菅国務大臣 まず、簿価九百八十七億円ということで、これは平成十五年に独法化のときに時価を踏まえて評価がえされたということでありまして、平成十五年から七年ぐらいたってはおりますが、そう大きくこの間にこの実勢価格は動いてはいないのではないかと思っております。

 その上で、このものについては、先ほどお話がありましたように、売れたものについては現金で、来年度中の二十二年度に金銭納付がされるもの、これは予算計上では二百八十九億円になっております。先ほどの九百八十七億円のものについては現物で納付をされることになっております。

 なぜ、すぐ売れないのか。それぞれ事情があるようでありますけれども、例えば、防衛省の近隣の土地とか、あるいは再開発中の周辺でのいろいろな事業があるとか、あるいは自治体が活用を望んでいるとか、そういう理由ですぐに売れないので現物納付をするということでありますので、現物納付されたものをそのまま塩漬けで持っておくということではなくて、もう一度、地域の関係者などと協議をして、いい形で利用ができるという展望の中で、売れるものは売っていく。また、最近私は財務省に成長戦略をつくれと言っているんですが、つまりは、あいた土地があって、そこで、場合によったら売るよりも何かをつくって貸した方がよければ、そういう考え方だってあるじゃないかと思っております。

 そういう意味で、少なくとも塩漬けにするために現物納付をされたと言われないように、しっかりとした売却なり活用を考えていきたいと思っております

→菅さんの最後の言葉、「売却なり活用」の活用とは霞が関埋め戻しだったんですね(活用といっても、国の資産で持ち続けるわけですから、塩漬けでしょう。ぺんぺん草がはえているだけが塩漬けではありません。民間にしたほうが有効活用できるか、国がもっていたほうが有効活用できるか、国のほうが有効活用できるというのは社会主義者の発想ですね)。さらに、詳細について、そして、国立印刷局の国の機関化については、同委員会の下記のやりとりもご参照ください。財務省所管の独立行政法人でこれですから、今回の決定はもうこの段階からみえていた、ということですね。民主党支援団体の労組・全印刷もありますし?


○中川(秀)委員 ・・・さらに、具体的に聞きます。

 独立行政法人国立印刷局の持つ資産についてもう一回伺うんですが、先ほど菅大臣も、売却するものは売却するということですが、保有するという理由は僕はないと思うんですけれども、具体的に少し聞きたいんです。

 まず、市ケ谷センターなんです。事業仕分けをやったところですね。十一月二十七日の行政刷新会議ワーキンググループ配付資料では、平成二十二年に廃止して、博物館機能の移転後処分予定とございます。

 枝野大臣、市ケ谷センターは売却しますね。売却はいつでしょうか。売却しないとすると、その理由は何でしょうか。

 先ほど菅大臣がちょっと触れたけれども、一部新聞報道では、市ケ谷センターについて、内閣衛星情報センターや防衛省に隣接しているところだから「「民間に売却してマンションなどが建つと情報管理上も好ましくない」(政府筋)」として、現状のまま国へ納付させることにしたと報じています。

 前政権時代、こんなことは聞いたことありませんよ。ちなみに言うと、付近に高層マンション、ありませんか。既に、ザ・センター東京という、二〇〇七年にできた三十八階建ての高層マンションがあるじゃありませんか。これは実際は国立印刷局売却話に連動した再開発マンションなんですよ。もしも情報管理上のことを鳩山政権が言い張るなら、徹底的に議論して検証しなければなりませんね。いかがですか。

○枝野国務大臣 直接的な所管は財務大臣でありますが、事業仕分けからの流れでございますので、私の認識からお話をさせていただこうと思います。

 一部の報道でそのような見解も流れていることは存じておりますし、そうした視点を全く考えなくていいのかどうかということはあるかと思いますが、今回、売却の上現金で納付という形にせずに、現物で納付という方向で、事業仕分けの結果を踏まえて対応をということにいたしましたのは、国立印刷局という独立行政法人が、その独立行政法人の判断と責任で売却をしていただくよりも、国の資産をしっかりと国民の視点から有効に売却する、あるいは活用していくという観点で、一括して対応した方がより効果的であるというふうに考えましたので、勝手に売らないで、むしろ、より高く、あるいはより有効に使える方法を、私ども行政刷新の立場も含めて、政府として対応するので現物で返せという方向で取りまとめたということでございます

 報道は間違いとは申しませんけれども、決して、そういった理由で民間に売却をしなかったという理由ではございません。

○中川(秀)委員 ならば、その方向でしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、同じ印刷局のその他三カ所の不要資産についてまとめて聞きます。

 大手町敷地、膨大なものですね。虎の門工場、久我山運動場、それぞれ売却はいつですか。売却しないとすると、その理由は何でしょうか。

 久我山については、先ほど菅大臣もちょっと言われたが、もう会計検査院から、「譲渡を含む適切な処分に向けた調整を積極的に進めて、調整がつかない場合には国庫へ返納すること」、そういう処分計画を作成してという改善が決算検査報告で出ておりますけれども、行われたものとされています。

 ともかく、この五年間の維持費が七千二百十万円、利用料金が六百五十三万円、一割にも満たない。印刷局の負担は六千五百五十七万円と多額であります。

 印刷局は、二十一年九月に、不要資産とされたこの久我山運動場について、杉並区への適正な対価による譲渡を含む調整を積極的に進める、調整がつかない場合は、国庫返納のための法的整備が整い次第速やかに返納するという処分計画を作成することにしたそうですが、これも踏まえてお伺いをいたします。

 いずれにしても、先ほど御答弁もありましたが、こういう不要資産を一刻も早く処分して、この財政難の中で財政に寄与させる、これはもう大方針でなければならぬと思いますが、いかがでしょうか。

○菅国務大臣 先ほども申し上げましたが、今御指摘の三カ所については、国へ現物で納付の予定がされておりまして、その後どうやってそれを売却ないしは活用するかということで、今も中川委員が言われましたが、久我山運動場については、杉並区、東京都から公園施設としての利用要望も出されておりまして、また、周辺の地域を含めた都市計画公園区域に指定されているということもありまして、そういう中でどのように、例えば都なり区に売却ができるのか、どうできるのか、そういうことを検討していると聞いております

 また、大手町の方も、すぐそばにいろいろと、NTT、NHK、日本郵政株式会社等々が近くにありまして、再開発計画を策定中と聞いております。そういう再開発の中で、これも、売却になるのか、あるいは一緒にそういう事業をやることになるのか、そういう形で進めておりまして、決して、何かそのまま持っておこうということではありません

 市ケ谷についても御指摘がありましたが、確かに一部に大きなマンションが建っておりますが、これはいろいろな議論があるところだと思います。すぐ隣接して機動隊の本部等々もあって、そういう民間的な活用が望ましいのか。ある場合には、逆に民間的なものが望ましいところがほかにあれば、そういうものと振りかえてそういった利用がいいのか。ここは、一つの活用のあり方としては、大いに透明な形で議論する必要があるかなと思っております。

○中川(秀)委員 あえてもう一回言います。この会計検査院の決算検査報告にも出ているんですけれども、二十年の四月二十五日に独法通則法改正案が国会に提出されたんですが、もうあえて経緯は言いませんが、結果的にこれは廃案になってしまったわけです。したがって、資産を国庫に返納する仕組みというのは法的に整備されないままになっているんですよ。

 だから、今度の通則法も、ちゃんとそれを入れてやらないと、また売らない。今言った意欲はわかるけれども、手続がないじゃないかみたいな話になってくる。だから、一刻も早く、検査院のこういう検査もあるわけですから、処分を具体的にする、関係者の話し合いもする、それで本当にことしじゅうに現金納付をさせる、そういう強い決意で政治的主導をやらなければならぬ話だと思います。これは、私の意見として申し上げておきます。

 さて、その次に、報道によると、枝野大臣、二月二十日の長野県の講演で、財務省所管の国立印刷局について、高い給料をもらっている旧大蔵省OBが四人くらいいる、財務省の一部局で昔は十分回っていたのだから、その方が安上がりだ、こうおっしゃったと。そして、四月に行う事業仕分け第二弾で独立行政法人国立印刷局の再国有化の考え方を明らかにされた、こういうことですが、この報道は本当でしょうか。

 あなたは、天下りポストを減らすという名目で、結局、財務省に印刷局長というポストを復活させて局長ポストを一つふやす、そんなねらいでおっしゃっているとは思わないんですけれども、印刷局の再国有化というのは、すなわち霞が関の肥大化になると私は思いますよ。後ほどもう少し言いますが。

 例えば、国立印刷局の国の機関化は、幹部公務員も一般職として身分保障を続ける終身雇用制をとることになる、そして定年も延長する、事務次官が局長に降格してくる、局長ポストが足らない、だから財務省印刷局長という局長ポストを一つ復活させる、そんなことを目的でおっしゃったとは私は思いませんけれども、そういうシナリオに受け取られてしまう。それがまず一つ。

 それから、もう一つのねらいを指摘しなければならないのは、独立行政法人化に対して最も強硬に抵抗したのが、印刷局の労働組合全印刷の組合員四千六百人、これをもう一回国家公務員に戻すということですね、再国有化ということは。国家公務員に戻りますよ。後ほどこの人件費のことを伺いますが、そういうことになりますよ。かなりの違いになりますよ。

 つまり、あなたがやろうとしている事業仕分け第二弾は、幹部公務員にはポストを与える、官公労には国家公務員の身分と高い給与を与えるものではないのですか。歳出削減や収入確保の観点はどこへ消えたんでしょうか。

 国立印刷局の人件費総額は四百四十五億円です。印刷局を国の機関化して、わずか数人の天下りポスト、先ほど言った四人です、これがなくなることの見返りに、四千人を超えるすべての職員が国家公務員になります。

 国立印刷局の「監事監査の状況」という二十一年七月の資料を読みましたが、国立印刷局の民間事業者との年齢ラスパイレス指数一〇〇・八、ほぼ同じですね。国家公務員との給与比較、国家公務員に戻るんですよ。給与比較ではどうなっていますか、八八・三です。つまり、国家公務員よりかなり低いんですね。しかし、それが民間とはほぼ拮抗している。

 だから、枝野大臣、二つ聞きますよ。

 独立行政法人国立印刷局を国の機関化、再国有化したら、わずか数名の天下り、裏下りはなくなるかもしれないが、四千六百人の全職員は国家公務員になる、給与水準が一二%も上がる。独立行政法人国立印刷局の国の機関化で一体幾ら総人件費がふえますか。総人件費を二割削減するというのがあなた方の公約ではないですか。逆行ではありませんか。

 第二に、あなたは、四つの無駄な天下りポストができたから独法化は間違いだと言っている。天下りポストが無駄と言うなら、事業仕分けなんか待たずに、四月一日からその四つのポストを廃止したらいいではないですか。簡単なことです。無駄なポストだから、廃止しても全く事業に支障はないと思いますが、いかがですか。

○枝野国務大臣 まず、再国有化ということを申し上げておりません。検討の対象になり得るというふうには思っています。

 しかも、御指摘いただきましたとおり、普通の形、従来のもとの形に戻せば、局長ポストが一つ復活をして、そして、独法化によって、ここの職員、現在でも公務員型でございます、公務員型でございますが、独法の公務員ということで、その給与体系、給与水準については、一般の公務員と違う形で削減ができています。そういったプラスの面のところをしっかりと残しながら、しかしながら一方では、独立行政法人になったということで、そのガバナンスの部分のところに大変重たい機構が必要になって、実は、私四人だと思っておりましたら、今五人、大蔵省の天下りが、理事としてOBがいらっしゃるという構造にあります。

 私は、いわゆる従来の、省庁と独立行政法人という、通則法もあって、一つの枠、型にはめられている二分論で物を考える必要は全然ないと。

 どういうやり方をすれば一番少ないコストでやらなければならない仕事が行えるのかということを考えたときに、例えば国立印刷局について言えば、少なくとも、財務省印刷局であった時代には、ガバナンスをしているのは当時の局長一人でありました。これが独立行政法人という形になったことで、ガバナンスの部分のところに大変たくさんの人数が必要になっている。

 それから、先ほど来出ております資産の話も、独立行政法人として独立した形でバランスシートをバランスさせなければならないという見地から、前政権時代に、実は、独立行政法人国立印刷局には過大な資産をバランスシート上のっけないとバランスができないということで、そういった資産がつけられたというふうに聞いております。しかし、印刷局のやっている仕事の趣旨から考えれば、バランスシートをバランスさせなければならないといえば、それは逆に言えば、国そのものだってしなきゃいけないということになってしまいますので、そういった意味では、現在の独立行政法人制度の枠組みの中だけで考える必要はない。

 ガバナンスするのは、あえて言えば、責任者一人ぐらいいて、なおかつ、現場の部分のところについては、従来独法化によってプラスの効果があった部分をしっかりと残しながら、さらにコストを下げるということは私は十分あり得ると思っていますので、二分論ではなくて、例えば独法とは違う形の、よりコストを削減できる、例えば天下り等のポストをつくらないで済むような、あるいは、過大な資産をバランスシートにのっけないとバランスができないというような変なことを考えなくても済むような形のものにすれば、行政改革、行政刷新の効果がよりあるのではないか、そういう問題意識から発言をしたということでございます。

○中川(秀)委員 それでは、長野県で言われたという新聞報道は違うということですね。

 私は、もし本当にこれが再国有化、そういうふうに、つまり、昔は財務省の一部局であって十分回ったんだから、その方が安上がりだ、そんな認識でいて今の御答弁の方向でやるといったら、実際は私はそんな改革はできないと思いますよ。

 だから、この報道は間違っていたということですね。

 少なくとも、少なくとも国家公務員にするという、つまり、簡単に言えば、選挙で世話になっているそういう労働組合を持つ独法を特別扱いする、そんなことをこの事業仕分けの前に宣言してしまうなんということがあったら、だれも信用しなくなるだろう。

 また、公務員改革を先送りすることで、財務省と手を握ったんじゃないか、そんなことをちまたでは言う人たちもいるわけでございます。菅大臣、直接の担当大臣なんですが、ちょうどいなくなりましたので、これは財務省のマターとして、この事業仕分けを通じて行われる印刷局の再国有化、完全にもとに戻す、国家公務員まで戻す、全印刷労組の要望にこたえるだけのそんなことだけする、そういうことはしないということをお約束いただきたいと思いましたが、いなくなりましたので、私は、そういうことはすべきでないということを枝野大臣に申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

○枝野国務大臣 報道が完全に間違っていると言うつもりはありませんが、あえて言えば、舌足らずであった、あるいは報道の部分が、一部分、ガバナンスの部分については独法化によって大きくなっている、その部分のところは、ガバナンスをやる人間の数はもうちょっと少なくできるという意味で、かつての方がそこは小さかった、そういうところの問題意識を持った上で、御指摘のとおり、逆に、改革をすることによって、従来の悪い部分が戻るようなことには絶対しない、むしろ、より改革の効果が上がる方向で進めていく、このことはお約束申し上げます。

○中川(秀)委員 つまり、二割人件費を削減しようというマニフェストを掲げておられるわけですから、また国家公務員に戻して、一二%も給料が四千七百人も上がる、そんなことはしない、そういう意味だと今の御答弁は伺いました。それでよろしいですね。

○枝野国務大臣 趣旨としては全くそのとおりでございます。