初動対応:危機においてはおぜん立てがそろうのを待っていては手遅れに | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

初動対応:危機においてはおぜん立てがそろうのを待っていては手遅れに

秘書です。
23日の初動対応問題をふりかえっておきましょう。


■初動対応、「非難」の遅れ追及の自民=菅首相は防戦、身内からも苦言
(2010/11/25-21:00)時事通信

 衆参両院の予算委員会で25日に行われた北朝鮮による韓国砲撃に関する集中審議で、自民党は政府の初動対応をしつこく追及した。尖閣諸島沖での漁船衝突事件への対応で厳しい批判にさらされる菅直人首相らにとって、今回の件で落ち度があったとなれば、政権のさらなるイメージダウンは必至。懸命に説明するなど防戦に追われた。
 砲撃があった23日、首相官邸に隣接する公邸にいた首相は午後3時30分に秘書官から連絡を受け、民主党の斎藤勁国対委員長代理の訪問を受けた後、同4時44分に官邸に入っている。自民党の小野寺五典外交部会長は「公邸で何をしていたんだ」とただすと、首相は「(来客は)もともと予定されていた。準備ができたので官邸に移った」と強調した。ただ、この件では、民主党の川上義博氏からも「現場に赴くのが基本だ」と苦言を呈されるなど、苦しい説明との印象は免れない
 小野寺氏はまた、連絡を受けても議員宿舎にとどまるなどして警察庁に登庁しなかった岡崎トミ子国家公安委員長をやり玉に挙げた。小野寺氏は「緊急事態の発生を了知した場合には、速やかに所属する省庁に参集する」と定めた2003年11月の閣議了解に触れ、「違反ではないか」とただすと、仙谷由人官房長官は「これはなかなか微妙な事態だ」と述べ、「緊急事態」であるとの確認を避けた。
 自民党は、日本政府の立場の表明が他国より遅れたことも問題視。米国は日本時間の23日午後6時30分すぎに北朝鮮を「強く非難する」との声明を発表したが、首相が同5時すぎに記者団にコメントした際には「万全な対応」を強調するばかりで、非難する言葉はなし。仙谷長官が記者会見して「非難」を表明したのは同10時すぎだった。自民党の山本一太参院政審会長が「なぜ最初に非難声明が出ないのか」と迫ると、首相は韓国軍合同参謀本部の発表が同6時30分ごろだったことに触れ、「確かな情報に基づいてものを言わなければいけない」と反論した。

→「(来客は)もともと予定されていた。準備ができたので官邸に移った」「確かな情報にもとづいてものを言わなければいけない」というあたりに、危機管理のセンスがうかがえます。おぜん立てがあって初めて動く政治家のことを官僚主導型政治家というのでは?危機においてはおぜん立てがそろうのを待っていては手遅れになる場合があります。だから、民主党政権の対応に不安がつのっているのでは?

→緊急事態かどうかの判断、これはどの段階で誰が何の基準でするのでしょう?どこかの段階で、誰かがこれはたいした問題には発展しない、と判断したのでしょうか?そして、まさか、緊急事態に対応できる政権だというアピールに活用しよう、と考えたのでしょうか?


■23日の首相官邸などの動き
(2010/11/25-22:10)時事通信
午後2時34分   北朝鮮が韓国・延坪島を砲撃
    47分   韓国が応戦
午後3時ごろ    韓国のテレビ局が速報
    11分   北朝鮮が2回目の砲撃
    20分   首相官邸に情報連絡室設置
    25分   韓国が2回目の応戦
    30分ごろ 首相公邸にいた菅直人首相に秘書官から一報
午後4時 5分   斎藤勁民主党国対委員長代理が公邸に入る
    30分ごろ 伊藤哲朗内閣危機管理監が首相官邸到着
    42分   斎藤氏、公邸を出る    
    44分   首相、官邸入り
    50分   仙谷由人官房長官が官邸到着。首相、仙谷長官らに「不測の事態」に備えるよう指示
午後5時12分   首相が記者団に「情報収集に全力を挙げ、不測の事態に対応できるよう指示した」とコメント。北朝鮮を非難せず
    26分   首相、宮中行事のため官邸出発
午後6時30分ごろ ギブズ米大統領報道官が「強く非難」と声明
午後7時10分   仙谷長官、権哲賢駐日韓国大使と会談
午後8時25分   首相、宮中行事を終え官邸に戻る
    55分   関係閣僚会合
午後10時ごろ   仙谷長官が記者会見。「砲撃は許し難く、北朝鮮を強く非難する。韓国政府を支持する」と表明。
午後10時30分  首相、官邸から公邸へ